テストの点数が悪かったとき親がやってはいけないNG行動3つと対応方法
子どものテストの点数が悪かったとき、親はどうするのが正解でしょうか? 親の言動ひとつで、今後の子どものやる気が出るか出ないかが変わってくることも。子どもにやる気を出させたい親にとって、NG行動は避けたいもの!
今回は、子どものテストの点数が悪かったとき、親がやってはいけないNG行動と対処法について紹介します。
親がやってはいけないNG行動3つ
まずは、テストの点数が悪かったときにうっかりやってしまいがちなNG行動を確認してみましょう。親が思っているよりも子どもを傷つけ、「勉強ができるようにさせたい」という親の願望も叶えることができない方法ですので、注意してください。
●1.頭ごなしに怒る
「なに?この点数は!」と、つい怒りたくなるのはよくわかります。親は「どうしたらいいの」という焦る気持ちもあり「大きな声で怒る」という対応をしがちです。
しかしそのテストの点数は、子どもにとって最大限の努力をした結果。点数は悪いかもしれませんが、子どもにはそこまでしかできなかった理由があるはずです。その理由としてもっとも多いのは、勉強の方法、努力の方向性がよくわかっていないということ。よくわからない中で自分なりにあがいた結果の点数ですから、頭ごなしに怒られるとすっかりやる気を失ってしまいます。
●2.人格を傷つける否定的な言葉を使う
「だからあなたはダメなのよ!」といったような、子どもの人格を傷つける言葉を使うのは、まったく得策ではありません。よけいに勉強ができなくなるばかりか、子どもの反抗心をあおり、さらに勉強から遠ざかるようになるでしょう。
大人でも傷つくようなこれらの言葉は、子どもの心をどんどん疲弊させてしまうことにもつながります。自己肯定感は下がり、将来の伸びしろまで失われてしまう可能性があるのです。
●3.とにかく勉強をする時間を増やそうとする
テストの点数が悪かったとき、親がやりがちなのが、遊びの制限です。たとえばゲーム機を取りあげたり、遊んでいるのを目撃するたびに「勉強しなさい!」という言葉で遊びをやめさせたりしていませんか。親は勉強をする時間が増えれば、成績は上がるだろうと考えがちです。
ところが長い時間、机に向かわせたとしても、子どもが勉強のやり方を知らなければ成績は上がりません。子どもは不満ばかりため込み、また勉強に時間をかけても成績が上がらないことから、「やっても変わらない」「自分はダメな人間だ」というような考えをもつようになります。
テストの点数が悪いとき親はどう対応するべき?
では、子どものテストの成績がふるわないとき、親はどのように対応をするべきなのでしょうか? 必要とされる対策方法を確認してみましょう。
●1.怒らず、味方として共感する
まず大切なのは、子どもに共感を示すということです。子どもには「あなたのために怒っている」が通用しないため、怒るのではなく語りかけることを主としましょう。そのうえで、テストの点数が悪いことについて「困ったね」「どうしようか」とまず子どもの気持ちに共感しましょう。
テストの点数が悪いことで一番困っているのは、子ども自身です。子どもがなんにも気にしていないように見えると、親は頭に血がのぼるものですが、子どもも内心は動揺していることがほとんど。この態度で多くの子どもが怒られてしまうので、よけいに開き直って「自分は気にしてない」というような態度を取り続けてしまいますが、実際は親よりも(まずいぞ…)と思っているものです。
その気持ちを分かってあげると、子どもは安心します。そして、親から言われたことを素直に聞く気持ちが生じやすくなるでしょう。
●2.勉強を教えるよりも、勉強のやり方を教える
成績がふるわない子どもは、たいてい「勉強がわからない」ではなく「勉強って、何をどうしたらいいかわからない」の段階にいます。教科書を読む、ドリルを解く、これを1日何分くらいやる、あるいは、何ページくらいやる、といった勉強のやり方そのものを具体的に教えていく必要があるのです。
すでにテストの点数が落ちているなら、学校でやっている単元ではなく、もっと前に終わった単元に戻り、短時間ずつ少量ずつの学習を繰り返していかなくては追いつくことはできません。それでも、解けるところまで戻れば子どもは自信を取り戻していきます。大人が怒らずに、根気よく見てあげなくてはいけないところです。
●3.周囲と比べず、本人の進歩を褒める
もっとも大切なのは子どもを褒めることです。もちろん、テストの点数が悪い子どもを、周囲の友達と比べるのは厳禁。それよりも、本人ができなかったことをできるようになったときに思いきり褒めるようにしてみましょう。
このとき褒める対象は「マルの数」や「点数」ではないことに注意してください。あくまでもマルが増えるに至るまでの子どもの頑張りを褒めるスタンスを崩してはいけません。なぜなら、マルの数や点数を褒められていると、次に点数が悪いとき、マルの数が少ないときに、子どもの心が折れてしまうからです。自分の頑張りを認められることで、子どもは次のテストが何点でも、自分の頑張る力を信じられるようになるのです。
怒られれば隠すように…子どもの本音を聞くチャンスに
子どものテストの点数が悪いとき、怒ってしまいたくなるのが親というもの。しかしそれだと、やがて子どもはテストそのものを親の目から隠すようになります。
こんなときこそ、子どもの抱える、授業がわからないことに対する不安や怒りを理解できるチャンスです。まずは怒らずに子どもの本音を聞いてみましょう。
子どもだってテストの点数が悪くてもいいと思っているわけではありません。どうしたらいいのかわからない…というのがほとんど。このまま成績が伸びないと、年齢が上がるごとに自己肯定感が下がり、意地を張る気持ちも出てきます。
今こそ、ぜひ慌てずに一旦道を戻り、リカバリーを考えて。子どもには「ゆっくりやり直せば必ずできるようになるよ」と伝えてあげることをおすすめします。