「仲間外れにされた…」悲しむ子どもに親ができる3つのこととNGな言葉
お友達に仲間外れにされた…と悲しんでいる子どもを見て、親もショックを受けてしまうことは少なくありません。しかし、親が子どもと一緒にパニックになることは避けたいものです。
今回は心理カウンセラーとして、子どもが友達に仲間外れにされた時、親ができる対処法についてご紹介します。
1.子どもの気持ちは「黙って聞く」
最初にやっておきたいのが、子どもの気持ちをよくヒアリングすることです。
ここで、子どもと一緒になって親が憤慨してしまうことや、子どもと一緒に悲しんだり、パニックになってしまうことは、ありがちですが避けたいもの。まずはわが子がどのような気持ちでいるかを、静かに、よく聞いてあげましょう。
「仲間外れにされた」と親に告白してくる時の子どもの気持ちは、十中八九、悲しみに傾いています。怒っているように見える時もありますが、これは悲しみの裏返しであることがほとんどです。しょんぼりしていたり、泣いている子も多いでしょう。
親は自身の感情はできるだけ出さず、「仲間外れにされたら悲しいよね」と共感を示すことを優先してください。
●「あなたが悪かったのでは」は絶対NG
子どもから「仲間外れにされた」と聞くと、多くの親が「わが子に何かの落ち度があったために、嫌われたのではないか」と考えるものです。しかしそれを、この時点で口に出すのは絶対にNGです!
どのような経緯があったかがわからないにもかかわらず、子どもが落ち込んでいる真っただ中に、「あなたが何かやったのでしょう」とわが子を責めてしまうと、子どもは親への信頼さえも失い、誰も味方をしてくれない…という絶望感から自己肯定感も下がっていってしまいます。
実際よくあるのが、「事情を調べても特に原因がなく、友達の気まぐれから仲間外れにされてしまった」というケース。先回りをして、わが子を無意味に責めないように注意してください。
2.アドバイスをするなら視野を広げさせる方向に
とにかく話を聞くことが先決ですが、親としては、この先子どもがどうしたらいいか…ということについて、ひとことアドバイスもしてあげたいものです。そんな時は、子どもの視野を広げさせてあげるひとことを簡潔に伝えましょう。
例えば、まずは翌日以降、同じ友達が同じように仲間外れにしてくるのか、そうでないのか、落ち着いて様子を見ること。また仲間外れが続くようなら、別の友達と遊ぶことも提案してあげるといいですね。
子どもには特定のグループの中にしか従属できないという先入観がありますので、そのグループで仲間外れにされたことを、取り返しのつかない失態のように受け止めています。「他の友達と遊ぶ」という選択肢を示してあげることで気持ちがラクになるのです。
●一緒になって悪口を言うのはNG
仲間外れにされた時、親に友達の悪口を言う子どももいます。親としても腹が立ちますので、つい一緒に相手を悪く言いたくなりますが、ここはぐっと抑えて。
親が一緒に友達の悪口を言うことで、子どもの「ひどい目にあった」という気持ちがかき立てられ、余計に暗い気持ちにさせてしまいます。できれば気持ちを切り替えるために、子どもの気持ちを聞いてひと段落したら、明るい話題を持ち出したり、楽しいことをする方向にシフトできるといいですね。
3.様子を黙ってよく見ておく
話を聞いた後は、園生活や学校生活での子どもの様子をよく見るように心がけましょう。相手の友達とどのような関係になっているか、今は誰と遊んでいるかなどに着目します。
子どもが幼稚園の年長くらいから、小学生低学年ごろは特に、理由もなく仲間外れにされることが出てきます。その後、同じ友達と仲良くしたいと思っても仲が元に戻らないこともあるので、必要に応じてほかの友達との交流を促したりなど、ほんの少しの手を貸すことは検討してもよいでしょう。
また、状況によっては、担任の先生に話を聞いてみるのもひとつの方法。その際は、詳細を連絡帳に書かずに(子ども達が見る場合もあるので)、「お話ししたいことがありますので、今日の午後〇時ごろお電話します」と書くなどして、話をする時間を作ってもらいましょう。
子どものことは子ども同士に任せるのが基本
わが子が悲しい思いをしたと知ると、親はつい口出しをしたくなってしまいますね。しかし子どものことは、子ども同士に任せるのが基本。親はあくまでもわが子の味方として、すぐそばで子どもの決断を「応援する立場」でいるようにしましょう。
そして子どもが落ち込んでいる時は、親が味方であることを言葉でも態度でも伝え、おいしいおやつやおでかけなど、元気になれるものを提供してあげてください。
家の外でどんなに傷ついても、家に味方がいることがわかっていれば、子どもは100倍の勇気をもって、自分の活躍の場を模索していくことができるのです。