【男性育休取得率4割超えの時代】“夫はサポート役”からの脱却を目指すとき、妻にも持ってほしい覚悟とは

&あんふぁんをご覧の皆さん、こんにちは!“パパって最高!”な社会を目指す子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長の杉山です。パパ歴は21年。早くも長女が孫を生んだので40代にして新米おじいちゃんでもあります。
男性の育休取得率がついに4割超えへ
もうすぐ2025年も終わります。今年1年本当にありがとうございました。子育て業界の今年の大きなトピックと言えば、厚労省の「育メンプロジェクト」が終わり、「トモイクプロジェクト」になったこともありますが、個人的にびっくりしたのは男性の育休取得率です。
今年発表された厚労省の最新のデータによると、過去最高の40.5%!なんと4割を超えてきました。昨年発表の数値が30.1%だった時も驚きましたが、そこからたった1年で10%以上も上昇するなんて、誰が予想したでしょうか?だって5年で3倍以上ですよ。にわかに信じられません。
とはいえ、そういう数値が出たことはポジティブに受け止めます。家事育児に参画する男性が増加することは本当に喜ばしいことだと思います。本当に時代は変わりましたね。
「サポートする」「手伝う」という夫たち
ただ、今年もいろいろな子育てイベントに参加したり、セミナーに出席したりしてきましたが、相変わらず多いなと思うのが「自分はしっかり妻のサポートをしています」という夫たちです。
きっとあまり意識せずに使っている人もいるのだと思いますが、「サポート」という言葉は、「支えること、支援すること、またはその支援」ということで、つまりはその人以外の誰かが主としてやっていることを手助けしたり、バックアップしたりすることだと思います。
つまりは、主体性に欠けている状態なんですよね。 これって、かつて「手伝う」が地雷ワードと言われたことに通じるものがあると思います。
サポート卒業には夫婦の協力が必要
では、いったいどうしたらサポートから抜け出せるのか?
おそらくそれはとてもシンプルで、自分でやると覚悟を決めて経験とスキルを積み重ねることだと思います。言ってみればそれは「独り立ち」のようなもの。
妊娠期から産後にかけて、男性はサポートにまわらざるを得ない部分があります。そして、この間に女性との知識や意識、スキルの差がうまれてしまうことが多いと思います。この間にできるだけ差がうまれないように努力することも大切ですが、この時点ではなかなかそこまでできないケースがほとんど。そうなると、「ママが主体、パパはサポート」という関係性ができて、それがなかなか変えられない。
この関係はパパママ双方にとってあまりいいとはいえません。どんどんパートナーに負担が偏り、どこかで限界が見えてきてしまいます。ママたちが「もっと主体性を持ってほしい」、パパたちが「いくらやっても認められない」とそれぞれが嘆き、不満をためる要因になってしまうわけです。
ただ、いきなり主体性を発揮して「俺がやる!」となっても、その言葉を信頼できないママからは「は?」と言われてしまいがち。反対にサポート側でコツコツスキルを重ねても、それが当たり前になってしまうと、関係性は変わりません。
意識を変える宣言、スキルの習得は、それぞれパパのタイプによってどっちから始めてもいいのですが、最終的にはその両方が必要で、かつ、ママたちもどこかで「パパに任せる」という覚悟を持ってもらう必要があるようと思います。
ついでに、できるまでは失敗にも目をつぶっていただけると、非常に幸いでございます。せっかく芽生えたやる気をどうか育てていただきたい。そして、パパたちもママのダメ出しでくじけないでほしい。
いずれにしてもある種の歩み寄りが必要。夫婦で信頼関係を築き、協力しないとなかなか関係性は変わらないのです。
「男性にも主体性を持ってほしい」という声は、「男性にサポートしてほしい」という声が進化したものだと思います。十分に前進しているんです。だからこそ、臆することなくサポート役からの脱却、パパの独り立ちを目指しましょう!
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学び・遊び・教育
兼業主夫放送作家 杉山錠士
1976年、千葉県生まれ。兼業主夫放送作家(株式会社シェおすぎ所属)。子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長。ファザーリング・ジャパン会員。アドラー心理学勇気づけ勉強会ELMリーダー。品川区内小学校の現役PTA会長。21歳と13歳という年の離れた2人の娘、1歳の孫を育てる兼業主夫放送作家として、「ちょうどいいラジオ」(FMヨコハマ)「宮﨑薫のHump Night With Me」(TOKYO FM)などFMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。FJ内プロジェクト「秘密結社 主夫の友」では広報を担当。「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。著書に「新ニッポンの父ちゃん~兼業主夫ですが、なにか?~」(主婦の友インフォス情報社)「急に『変われ』と言われても」(共著:熊野英一 小学館クリエイティブ)


























