移動中や待ち時間、スマホだけじゃない?幼児との「5分あそび」で広がる世界

移動中や待ち時間、スマホだけじゃない?幼児との「5分あそび」で広がる世界

移動中や待ち時間、ついスマホを渡してしまうこと、ありますよね。
でも、たった5分の“あそび時間”が子どもの心と五感をぐんと育てます。
今日からできる、親子の「すきま時間あそび」をご紹介します。

電車や新幹線での移動中、病院の待ち時間……じっとしていなきゃいけないとき、どうしていますか?絵本を持っていくのもいいけれど、荷物が多い日はついスマホに頼ってしまうこと、ありますよね。動画を見せると子どもは静かだし、周りにも気を使わなくて済む。そんなとき、「少しだけならいいよね」と思うのは当然のこと。

でも、幼児期の長いスクリーンタイムが、のちの発達に影響することも――。そんなことも、少しだけ心の片隅に置いてもらえたら嬉しいです。

スマホの時間、子どもの五感はおやすみ中?

画面を長く見つめることで姿勢が崩れたり、目が疲れたりするだけでなく、“感じて、考えて、動く”という大切な時間が減ってしまいます。幼児期は、見たり触ったり匂いを感じたりしながら世界を知る時期。その積み重ねが「もっと知りたい」「やってみたい」という自発的な学びの芽につながります。

大切なのは「ダメ!」と制限することではなく、スマホ以外の楽しい時間をちょっと増やすこと。そこでおすすめなのが、移動中でもできる“5分あそび”です。道具いらず、声と気持ちさえあれば大丈夫。子どもの五感を刺激しながら、親子の会話が自然に広がります。

モンテ教師に聞く、5分遊びいろいろ

現場の保育士はちょっとした隙間時間でもできる遊びをたくさん知っています。今回は同僚のモンテッソーリ教師たちに聞き取りをして集めた遊びを紹介したいと思います。

どれも単純な遊びばかりですが、子どもの発達段階に合わせてアレンジして楽しめます。

お話し指さん

指を一本ずつ立てて、「こんにちは!ぼくは親指さん~♪」とおしゃべりさせます。これなら、子どもが1〜2歳児でも喜んでくれますし、まねっこが好きな年少さんなら、親の動きを見ながら声を出して楽しめます。年中・年長さんには、「今日はどこに行くの?」「お腹すいたね~」など指さん同士の会話ごっこに発展させてもOK。人差し指にペンで目と口を描くだけでも、なんだか人格が宿ったようで楽しいのです!


手先を動かすことは脳の発達にも良い刺激になりますし、想像力や表現力を育てるちいさな言葉あそびにもなります。

秘密袋

ハンカチやポーチの中に、小さなおもちゃやボタン、石ころなどを入れて「なにが入っているかな?」と手探りで当てっこします。手の感触だけで形を想像することで、触覚や空間認識の力が育ちます。


慣れてきたら「丸いもの」「冷たいもの」「柔らかいもの」などテーマを決めて出題してみましょう。兄弟がいれば交代で入れる役をするのもおすすめです。“待つ力”や“思いやり”も一緒に育ちますよ。

連想ゲーム

「りんごといえば?」「あか!」「あかといえば?」「トマト!」
テンポよく進めるだけで、言葉の世界がどんどん広がります。年中、年長なら「まるいものなあに?」とお題を出して「ボール!」「みかん!」「地球!」などと答えてもらってもいいですね。寒い日なら「今食べたいあったかいもの、なんだろう?」というようにアレンジしても楽しそうです。

子どもの答えが少し変わっていても、「そんな考え方もあるね」と受け止めてあげてください。正解を求めるより、自由な発想を楽しむことが大切です。移動中でも声だけでできるので、親子の“ことばのキャッチボール”にぴったりです。

数を数える

「この電車、何両かな?」「駅にいる人は何人?」
身のまわりの“数”を一緒に数えてみましょう。数を声に出してリズムよく数えるだけでも、数量感やリズム感が育ちます。年長さんなら「こっちはいくつ?どっちが多い?」と簡単な比較クイズにしても楽しいですよ。数字が“勉強”ではなく“あそび”として身につくのがポイントです。

手拍子で遊ぶ

年中、年長なら好きな言葉の音の数だけ手を叩く遊びもできます。「みかん」なら3回、「てんとう虫」なら6回というふうに。大人と子どもで交互にお題を出してみましょう。もしくは手拍子を聞いて、何回叩いたか当てるのも楽しいですよ!

しりとり&3択クイズ

静かな場所でも楽しめる万能あそび。「どうぶつしりとり」「食べ物しりとり」などテーマを決めると、少し難しくなって長く遊べます。3択クイズなら「いちばん速い動物は?①チーター②カメ③ウサギ」など、思わず笑えるお題が◎。「なんでそう思ったの?」と聞いてあげると、考える力や表現力が自然に育ちます。

おわりに

年末年始はおでかけや帰省で、移動や待ち時間が増える季節。その時間を「ただの待ち時間」から「親子で一緒に育つ時間」に変えてみませんか?スマホを少しお休みして、子どもと目を合わせて笑い合うだけで、子どもの心は安心し、親の気持ちも不思議と軽くなります。

遊びの中で、子どもは考え、感じ、成長していきます。それは特別な教材がなくても、あなたの声と笑顔があれば十分。今日の5分が、きっとお子さんの未来の“学びの種”になりますように。

ライター

モンテッソーリ教育堀田はるなの画像

モンテッソーリ教育 堀田はるな

モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員、保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」。

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