外遊びで育つ3つの力とは?非認知能力引き出す声かけのポイント。日出学園幼稚園 講演会レポート

外遊びで育つ3つの力とは?非認知能力引き出す声かけのポイント。日出学園幼稚園 講演会レポート

保育園や幼稚園を取材して、園の理念や特色を紹介するコラム「園のこころ」。今回は、千葉県市川市にある、学校法人日出学園幼稚園です。2025年12月に実施された保護者向け特別講演会「AIに負けない力をどう育てるか?~非認知能力は遊びを通して育まれる~」のレポートとともに園の大事している理念などを鍜治園長に聞きました。

「AIに代替されない人間特有の力」をどう育むか

特別講演会「AIに負けない力をどう育てるか?~非認知能力は遊びを通して育まれる~」が発達・認知心理学者でもあり、お茶の水女子大学名誉教授の内田伸子先生を招いて開催されました。内田先生による保護者向け講演会は、実に8年ぶりだという日出学園幼稚園。

講演会の実施にあたった経緯や「AIに代替されない人間特有の力」をどう育むかという、&あんふぁん読者も気になるテーマについて、講演会の様子を抜粋して紹介します。

――今回、講演会を実施するにあたった経緯を教えてください

鍜治園長:内田伸子先生の講演会は、前園長がお知り合いだったご縁で、数年に一度企画してきました。いつも、ご自身の発達心理学の研究からデータを示され、話をしてくださいます。今回のテーマは内田伸子先生ご自身からご提案いただきました。昨今関心の高まっている話題でもあり、遊びを中心とした自由保育を実践する本園の保育方針の裏付けとしても、ぴったりの内容であったため、このテーマに決定しました。

――保護者の方から、今回の講演テーマになった「非認知能力」についての質問や要望を受けること増えてきましたか

鍜治園長保護者から非認知能力について直接聞かれることはあまりありませんが、関心を持っている方が増えてきていることは確かです。幼稚園教育によって育つものの一部分に光が当たっているものと認識しています。幼稚園で育つものの中には、すぐに目に見える成果のほかに、すぐには目には見えないものがあるのだと保護者の方にご理解いただけるといいなと思っています。

非認知能力はどう育む?講演会レポート

当日は、約40人の保護者が参加し、約2時間の内田先生のお話をとても真剣に聞いていました。子どもへの声かけで意識したいことや、AI時代だからこそ求められるものは何か?など、ポイントを抜粋してお届けします。

子どもの主体性を大事にしたかかわりを意識しよう

内田先生:「今日は寒いから靴下を履いていきなさい」と「今日は寒いから靴下を履いほうが冷たくなくていいんじゃない?」という2パターンの声かけがあります。2番目のように子どもに伝えたら、「僕、足は冷たくないから 靴下は履かないよ」と子どもは選ぶことができます。

理由を言って提案をすることで、子どもに考える余地を与え援助的な声かけができます。子どものことをよく観察し、子どもにあわせて 柔軟に働きかけることで、子どもの主体性は育まれていきます。

また、3つのH(ほめる、はげます、ひろげる)の言葉かけを意識することも大切です。これらを意識して子どもと接することで、子どもは主体的に探索し、自律的に考えて行動するようになり、遊びに熱中して楽しそうな姿を見ることができるようになるのです。

自発的な遊びを通して子どもはアクティブラーニングする

アクティブラーニングとは、受け身ではなく【能動的】に学習に参加する学習法のことですが、内田先生は【能動学習】=「脳が働く楽しい学び」と定義付けていました。

内田先生:「遊び」は、仕事と対立するわけでもなく、怠けることを意味するものでもありません。幼児にとっての「遊び」とは「自発的な活動」のことです。叱られながらやった勉強や行動は身に付きにくく、脳が「おもしろい!楽しい!」という状態で取り組んだ活動の方が、脳を活性化させ、どんどん知識を蓄えることができるるのです。

まさに「好きこそものの上手なれ」の世界。この「私はこれが好き!」という状態こそが、自己肯定感、意欲や探求心へとつながり、非認知能力(AIに負けない力)が育まれることにつながっていくのです。

AI時代の今こそ、おもいっきり外遊びをしよう

内田先生は「AI時代の今こそ、思いっきり外遊びを楽しむことが大切」だと話します。外遊びが育てる3つの力を下記のように説明してくれました。

  1. 視力…遠くの景色や手元の動きを見比べることで網様筋の調節機能が育ち、近視の抑制になる。外遊びが2時間以上の子どもは両親が近視か否かに関わらず近視の発症率が3分の1以下に減ったという結果もあるそう
  2. 運動調整能力…外遊びで、思いきり自分の体を動かし、自由自在に自分の体をコントロールする実感がわくことで自己肯定感が高まる
  3. ことばの力…四季折々の自然環境を体験することで、仲間や保育者、保護者とおしゃべりしながら自然を肌で実感する

ただ体を動かすだけでなく、外遊びにこんな効果があるなんて驚きです。子どもと外遊びするときに意識したいポイントですね。

AIに負けない力を育む「非認知能力」とは?

内田先生:頭の良さは「IQ」にあらわされることがありますが「IQ」の高さは、子どもの将来の学歴や年収を予測する材料にはなりません。これからの時代、暗記能力を求める受験偏差値(=IQ)で対応できる仕事は、AIにとって変わられてしまうでしょう。

子どもたちに求められる「非認知能力」について、内田先生は主に下記の3つをあげていました。

  1. 他者と付き合う力(社会性、社交性)
  2. 感情を管理する能力(自制心)
  3. 目標を達成する能力(実行力)

さらに、非認知能力の獲得は上記にあげたような、子どもへの主体的を大事にした声掛けや幼児期・小学校低学年(生活・遊び)頃にどれくらいたくさん遊んだかが大切なポイントになるそうです。

「日々の遊びこそが未来を生きる力を育む教育」という日出学園幼稚園の理念

外遊びを楽しむ日出学園幼稚園の子どもたち

「日々の遊びこそが未来を生きる力を育む教育」という理念をかかげる日出学園幼稚園。まさに内田先生があげている「子どもの主体性を大事にし、日々思いきり遊ぶ」ことを実践しています。最後に鍜治園長に、日出学園幼稚園の保育方針を伺いました。

鍜治園長:子どもの主体性を大切にする保育では、子どもたちが自由に活動できる時間が欠かせません。自分の好きな遊びに打ち込むことが、チャンスを広げ、さまざまな学びをもたらします。また、子どもには個人差や発達差がありますので、時間のゆとりは必要です。日出学園幼稚園では、好きな遊びができる時間をできるだけ取りながら、時代の要請に合わせて運動や英語、ワークタイム等の活動も行っています。 ぜひ、1度遊びに来ていただけたらと思います。

【学校法人 日出学園 日出学園幼稚園】
所在地:〒272-0824 千葉県市川市菅野2-21-12
アクセス:JR菅野駅 徒歩5分
TEL:047-322-4012
定員数:135名(合計)

リンク一覧

ライター

こどもりびんぐ&あんふぁん編集部の画像

こどもりびんぐ &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

&あんふぁんのおすすめ記事がLINEに届く! LINEアカウントを友だち追加!

学び・遊び・教育:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌