幼児期こそ探求学習を始めるチャンス! 小さな“なぜ?”が探求の始まり

子どもの「なぜ?」にどう答えたら…と悩むことはありませんか? そんな時は、探究心を育む絶好のチャンス。声掛け次第で、子どもが生き生きしだすかもしれません。幼児期の子どもとの関わり方について、いま注目されている「探究学習」のプロに聞きました。
教えてくれたのは…
「花まる学習会」代表 高濱 正伸さん

東京大学卒業、同大学院修了。 1993年「花まる学習会」を設立。算数オリンピック作問委員。武蔵野美術大学客員教授。環太平洋大学(IPU)客員教授。日本棋院顧問。 30年以上にわたり、各地で保護者や子ども、教員向けの講演会を開催し、これまでに延べ60万人以上が参加。
「花まる学習会」って?
「本質を見抜く力」「やり切る力」「人を惹きつける力」を育て、将来“メシが食える大人・魅力的な人”に育てることを目的とした学習塾。幼稚園児・小学生を対象に、毎週の授業と季節ごとの野外体験を通じて、学力と生きる力を伸ばしています。
「探究学舎」マーケティング・広報 窪田 康孝さん

慶應義塾大学卒業。総合教育事業会社で、教室運営指導・プロモーション企画立案・社員研修・カスタマーサポート・事業戦略など、現場のプレーヤーからマネジメント職まで広く担当した後、現職。2男1女の父。
「探究学舎」って?
興味の種をまき、探究心に火をつける“興味開発型”の学び舎(対象は小学生~高校生)。「子どもが“こうでなければ”と思うことなく、その子らしく過ごせる空間、そして“遊びを通して学ぶ”ことを大事にしています」と窪田さん。
プロが考える「探求学習」とは?
「好き」や「知りたい」がエンジンに
探究学習とは、知識を詰め込む学習スタイルとは違い、興味や関心のあるテーマについて分析・考察し、自分ならではの結論を導き出す主体的な学び。「テーマはなんでも良いんです。数学・物理分野は王道ですが、“母親はどういう時に怒るのか?”などでも良いんですよ(笑)」と語るのは、花まる学習会の高濱さん。探究学舎の窪田さんは、「テストの答案とは違い、“絶対的な正解”のない問いに対して、自分なりの答えを出すのが探究学習」と話します。「好き」や「知りたい」をエンジンに、楽しく深堀りしていく…そんな学びのスタイルです。
幼児期からできることってある?
「なぜ?」と感じた時に しっかり褒めて
2020年に改訂された「新学習指導要領」により、小学校~高校で探究学習が導入されています。“自ら調べ、考え、答えを導き出す”というのは、なかなか大変な作業。窪田さんによると、「幼児期は、まずその入り口を意識するだけでも十分」とのこと。「好きなことを好きなだけやり、“なぜ?”と感じた時に“面白い考えだね!”と共感された経験がベースになる」と話します。高濱さんは、「自分の好きなことにのめり込んでいると、おのずと“なぜ?”がどんどん浮かぶはず」と語ります。幼児期の遊びや経験が、探究学習の芽となるようです。
どんな力が身に付くの?
自分軸が身に付き前向きになる
「探究学習を繰り返すことで自分のしっかりした軸、価値観が育まれます。世間のステータスなどに振り回されることなく、ポジティブに物事に向きあえるようになる」と高濱さん。窪田さんは、「自分で考え抜いた経験が自信になり、自己肯定感の向上が期待できます。“分からない”とすぐに諦めていた子も、チャレンジする心や粘り強さが身に付いてきますね。うちの生徒に、学校で自分の“好き”を追求した研究発表をして表彰された子もいます」と話します。夢中で探究する力は、どんな分野へ進んでも役に立つ、まさに“生きる力”です。
読者の“探求”紹介!その1


忙しいママ・パパへ 探求学習“はじめの一歩”アイデア
特別な時間を設けなくても、子どもの探究心を育むチャンスは、日常にもいっぱいあります。
忙しい毎日の中でも取り入れやすく、子どもの「なぜ?」が広がるアイデアを紹介します。
Q:家庭で探究学習を行う際に感じる最大のハードルは何ですか?(複数回答)

「正解」は不要!「なぜ?」を楽しもう
子どもに質問をされた時、正解を伝えたり、調べたりするのも良いですが、一番大事なのは「良いこと思い付いたね!」と「なぜ?」を肯定してあげること。さらに可能なら、「じゃあ○○はどうだろう?」と関連する疑問を提示してみるなど、会話のリレーをしながら、大人も楽しみましょう。
お手伝いは一つのことを継続するのがおすすめ
料理や掃除など、家事のお手伝いは探究の宝庫。例えば野菜を切れば、自然と「立体」や「断面図」を体感できます。「一つのことを繰り返すと、自然と“どうやったらもっとうまくできるか?”の思考につながる」と高濱さん。子どもの興味に合わせて、継続して担当してもらうのがおすすめです。
“自由に”“遊びこむ”環境づくりを
探究心を育むには、子どもが自己決定できることが大切。スケジュールに余裕を持たせ、自分自身で考える時間をつくったり、子どもが自由に思いっきり遊べる場所へ連れて行ったりと、環境づくりも大切です。特別なことをしなくても、「子どもは野原に放つのが一番!」と高濱さん。
楽しいミッションを与えてみる
1日中、ずっと子どもにかかりきり…というのは親も疲れてしまうので、うまく手放すことも大切です。「例えば“このブロックをできるだけ高く積み上げてみて”など、楽しいミッションを作って、まずは1人で取り組んでもらうのもおすすめ」と窪田さん。「できたら見せてね!」と声をかけ、見せてくれた時には「どうしたらもっと高くできるかな」と一緒に考えてみましょう。
アイテムやアプリでいつもの公園も楽しさUP
子どもにカメラを持たせてみるだけでも、興味の幅が広がります。動植物を学べるアプリをダウンロードするのも◎。「“ 植物の種の数を数えてみよう” という課外授業はとても盛り上がります」と窪田さん。

楽しく学べる遊びを取り入れて
普段の遊びのなかに、興味を広げてくれるものを取り入れるのも一つの手。お出かけ先も、時々博物館や動物園をチョイスしてみては。


読者の“探求”紹介!その2



【Check!】あんふぁん・ぎゅってオリジナル紙工作「つくるんぱ」で春の探検に出かけよう!
「なのはな」「おたまじゃくし」など、“春”を見つけたらチェックしていく図鑑が作れる工作です。この時季ならではの“ 探究”に、ぜひ出かけてくださいね。
デザイン/大橋智子





























