友だちにいじわるをしてしまうわが子、親としてどう対応する?

友だちにいじわるをしてしまうわが子、親としてどう対応する?

このコラムでは大阪教育大学教育学部教授の小崎先生が、「こんな時どうしたらいいの?」「子育ての“ココ”が知りたい!」という皆さんのお悩みに答えます。今回は未就学のお子さんについてのお悩みです。

Question: 「特定のお友だちにいじわるをしてしまいます。⼦ども⾃⾝も悪いことだと認識しているようですが、我慢ができないようで、親として苦しいです。どうすればよいのでしょうか」

加害者の親としての苦しみ

「イジワル」には、二つの立場があります。一つは「いじわるをされる」被害者の立場です。そしてもう一つは「いじわるをする」加害者の立場です。今回のご相談の方は、加害者の立場であり、そのことが「親として苦しい」と感じておられます。その姿勢と感性は、同じ親として尊敬に値するものです。

例えば「被害者の親」が、わが子に起きていることをとてもつらく苦しく感じ、そのことに対して「悲しみ・怒り」を覚えることはある意味当然のことです。その思いには多くの人が共感しやすいと思います。理由はどうであれ、現に何かしらの被害を受けているわけですから。

しかし今回は「わが子がいじわるをしている親」という、逆の立場であることが「苦しい」ということです。この「苦しさ」とは一体どのようなものなのでしょうか。いくつか考えられると思います。

・いじわるをされている子どもや親に対して、申し訳ない気持ちがある
・わが子がいじわるをするような子どもになっている
・うまく子どもをしつけたりすることができていない自分が許せない
・自分の育て方や関わり方に疑問を持っている

などでしょうか。もちろんご本人ではないので、推測の域を出ませんが。

これらの感覚はこれまで真摯に子どもと向き合い、子育てされてきた方だから感じられるものではないでしょうか。真剣に思っているからこそ「苦しい」と感じるのでしょう。

これまでいろいろな保護者と関わってきました。時にはこのようないじわるや、いじめのようなことにも対応してきました。もちろんすべてとは言いませんが、加害者の親御さんの中には、被害者である相手を責めたり、保育施設や学校の対応を非難されたりする方もおられました。加害者の場合はそのことをきちんと受け止めて、対応される方のほうが少ないと思います。その点において尊敬という言葉を使いました。

どのように対応すべきか

それではどのように対応をすればよいかということです。まず子どもの年齢には注目していきましょう。

未就学児の場合

今回ご相談のお子さんは「就学前」ということなので、まだまだ善悪の判断や相手の思いに対する気づき、そのことがどのような影響を及ぼすのかなどに対して、思いは至らないことが多いです。まだまだ未熟な存在で、その点は考慮しておく必要があります。

つまりこれから変化していく可能性が大きいのです。相手の気持ちに気づいたり、自分がそのようなことをされたりする場合など、学びのタイミングであるともいえます。心の成長が大きい時期なので、丁寧にそのようなお話をしていきましょう。

また「悪いと認識しているけど、我慢できない」ということは、気持ちと行動がチグハグなのです。一つの救いは、その子どもがそのこと自体に気がついているということです。善悪の判断ができない幼い子は残酷で無意識にいじわるをすることがあります。その段階は脱しているのです。

だから次の段階、成長を意識して関わりましょう。それは自分の思いと行動を近づけることです。「悪いと思うことや人の嫌がることはしない」ということにつながる、もう一歩手前にいる感じがします。そんなときは保護者といろいろとお話をする、そういうエピソードの絵本を読む、自分がされて嫌なことを考えるなど、いろいろな方法を使い、保護者と一緒に考えて、行動に移してほしいと思います。またそれらの変化を見つけたら、褒めてあげてほしいです。

小学生の場合

小学生の場合は、学校の中やクラスの人間関係のあり方が影響していることが多いです。そのような場合はまずはクラスの担任にしっかりと状況をお話しして、学校と家庭が一緒に子どもの育ちに関わってほしいと思います。

また小学校にはスクールカウンセラーの方などもおられますので、そのような専門家のアドバイスなども取り入れるとよいと思います。

子どもは成長の途中、物事の本質に気づける関わりを

子どもたちは大人と違う生き物です。成長の過程にあり、いろいろな失敗や時にはよくないことを繰り返しながら、それらを学んでいきます。今だけを切り取って判断するのではなく、それらの経験値を上げて物事の本質に気づくように関わっていってあげてくださいね。

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学び・遊び・教育

大阪教育大学教育学部 教授 小崎恭弘

大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校元校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。

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