「うまく言えない」が減る。子どもの生きやすさを高める言語化力の伸ばし方

「わが子には、楽しく充実した人生を送ってほしい!」と考えているのなら、ぜひ重視したいスキルの1つが「言語化」です。今回は、心理カウンセラーの筆者が、子どもの言語化スキルを伸ばすおすすめの方法をご紹介します。
「考える」「伝える」ためには言語化スキルが大切!
「自分の気持ちを言葉にする」「状況を言葉で整理する」といったように、さまざまなものを言葉にすることを、言語化と呼びます。言語化は、子どもだけでなく大人の世界でも昨今話題になることの多いスキルです。
言語化ができると、「あれがほしい」「これをやりたい」など、自分の気持ちが人に伝わりやすくなります。それだけではなく、目の前の状況から適切な対応を導き出し、実行する能力も、ぐっとパワーアップするでしょう。
言語化スキルは親との関わりのなかで、ある程度伸ばしてあげることができます。早速、言語化に焦点を当てた、おすすめの関わり方をみてみましょう。
子どもの言語化スキルを伸ばす簡単な方法
言語化スキルを伸ばす、といっても難しいことは必要ありません。日常の延長として、少しずつ実践してみましょう。
方法1:大人がたくさん話しかける
子どもに対して、大人がたくさん話しかけると、子どもの言語化スキルは大きくアップします。言語化とは「考えを言語にする」という点で、アウトプットの作業だと思われるかもしれません。確かに、思考を言葉にして話したり、行動に移したりするのはアウトプットの作業です。しかしその根底には必ず、言葉を自分のなかに定着させるインプットの作業があります。
とりわけ小さい子どもは知っている言葉の数が少ないため、周囲の人と会話をするなかで言葉をインプットすることが、そのまま思考の源泉となり言語化スキルへとつながるのです。
例えば着替えをするにも、黙って服を着させるのではなく「袖に手を通そうね。裾を中に入れようか」と実況中継のように話しかけてみると良いでしょう。他にもテレビを観ながら、遊びながら、たあいのない内容をこまめに話しかけるようにすると効果的です。
方法2:会話を質問で掘り下げる
子どもと話している最中、チャンスがあれば質問で会話を掘り下げてみましょう。インプットした言葉を実際に使う練習をすると、言語化スキルはどんどんアップします。
例えば子どもと話していて、もうちょっと言葉にできそうだなと感じたときは「それって、どういうこと?」と質問してみると良いでしょう。このように問われれば、子どもの側は「自分の話を理解してもらおう」と一所懸命に言葉を選び、説明を始めます。
このほか「どうしてそう思ったの?」「次はどんなことが起こると思う?」「それは、右から何番目にあるの?」など質問のパターンはさまざまです。常に質問攻めにする必要はありませんが、会話に織り交ぜることを意識すると良いでしょう。
方法3:大人自身が語彙力を伸ばす
子どもの言語化スキルを伸ばしたいなら、ママやパパ自身が語彙力を伸ばしておくと大変効果的です。
大人が語彙力を伸ばすには、新聞や、興味のある分野の本を読むことが早道でしょう。また子どもと一緒に見る図鑑、絵本などは、大人にとっても豊かな表現力の宝庫です。ごく簡単な言葉でも「あ、この言葉、知っていたけど使ったことがないな」と思い出させてくれるかもしれません。
例えば「きれいだね」というときも、「色が鮮やかだね」「透き通っているね」「キラキラして、きらびやか」「きっちり整っているよ」など、さまざまな「きれい」があります。
大人が言語化できるようになると、子どもがそれをインプットして後日、言語化に使うという好循環ができあがります。もちろん大人の語彙力など気にしなくても、多くの会話をしていれば子どものスキルは自然に上がりますが、できれば大人の側が普段から多彩な言葉を使うように気をつけてみましょう。
「言語化できる」は、「安心できる」ということ
自分の状況や心情をしっかりと言葉にできることは、自分で自分のことが理解できることにつながります。理解ができれば「気持ちを口に出す」「状況を見て対応する」という選択肢を持てるでしょう。結果的に、自分を理解できない不安や、わかってもらえないイライラといったものが大きく軽減するため、漠然とした「生きづらさ」を減らせます。
本当は「言語化」はそんなに難しいことではありません。子どもと言葉の世界を楽しんでください。大人の気持ちを話し、子どもの気持ちを聞きましょう。そのことが、お互いに分かり合いながら自分のことも理解する、早道となるのです。




























