小学校の先生は厳しい?園とのギャップに戸惑う子どもの見守り方

このコラムでは大阪教育大学教育学部教授の小崎先生が、「こんな時どうしたらいいの?」「子育ての“ココ”が知りたい!」という皆さんのお悩みに答えます。今回は小学生のお子さんについてのお悩みです。
Question: 「保育園に⽐べ、⼩学校の先⽣は厳しいと⼦どもが感じているようで、注意されるのが嫌なようです。親としてはそこまで厳しいとは感じないのですが、ギャップに⼾惑っている様⼦。どう対応したらよいでしょうか」
「小一の壁」とは?
「小一の壁」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?近年、保育関係者や小学校関係者によく取り上げられる言葉です。幼稚園や保育所などの保育施設から小学校に上がるタイミングに存在する、「小学校一年生」ならではの障壁やギャップのことを指します。この壁はいくつか存在します。
子どもにとっての生活環境の変化の壁
それまで遊びが中心であった生活から「勉強」という、学習が中心となる生活の変化です。それまでの自由な活動とは違う、お約束や時間割などの一定のルールや規則の中での生活がスタートします。学びはとても楽しいものなのですが、その方法がこれまでと全く異なります。慣れるまでには少し時間がかかりますね。
保護者にとっての学校文化の壁
小学校は場所によりますが、なかなか給食が始まらなかったり、長期休暇もしっかりあります。また行事の準備や給食セットなど、持ち物もいろいろなものが必要になります。丁寧に宿題も見てあげなくてはいけません。保護者にとっては、これまでの生活とは全く異なる小学校生活がスタートします。これらに戸惑いを覚える方も多いでしょう。
子どもたちも緊張している
その上に子どもたちは、新しい人間関係を作っていかなくてはいけません。地域によりますが、複数の幼稚園や保育所から、子どもたちが入学してくるところもあります。全く初めて出会うお友だちとの生活は、楽しいものでもあるのですが、やはり緊張するものでもあります。
一年生の受け入れはどう対応している?
小学校も一年生の受け入れについては、より丁寧にそして慎重に対応をしていきます。小学校と初めて出会う一年生の担任は、やはりそれなりに指導力のある先生が担当することが多いです。
小学校の先生のクラス運営、児童との接し方のあり方は本当に多様であり、先生の思いや性格、教師歴などにより大きく異なります。もちろん小学校には学習指導要領があり、それぞれの教科内容については、細かく丁寧な規定があります。
しかしそれらの具体的な教え方やクラスの運営や、今回のご相談のような個別の児童との接し方については、何か明確な基準やマニュアルがあるわけではありません。先生の裁量に多くの部分が委ねられているのです。
子どもの受け止め方はさまざま
これまで比較的優しい先生との関わりが保育でなされていたのであれば、小学校になった途端に、先生のいろいろな指導や言い方が、子どもからすると厳しく感じられたのかもしれません。これらはあくまで子どもの中の「基準」がベースになるので、保護者から見て「厳しいとは感じない」というものとは、基本的に物差しのメモリが少し異なっているのかもしれません。それほど子どもたちは環境の変化には、敏感なものだと思います。
もちろん担任の先生は、初めて出会う子どもたち、それも大人数の中で一定の規律やルールを守らせるために、時として少し厳しい言い方になっている場面があったかもしれません。クラス全体に伝える場面などで、それらをどのように捉えるかは、子ども一人ひとり受け止め方が異なります。お子さんはとても真面目に、その言葉を真正面から受け止めているのかもしれませんね。
子どもたちも学年が上がるにつれて、先生の言い方や対応に基本的には慣れてはいくものですが、やはり一年生の時のギャップは少し気になりますね。担任の先生は丁寧に子どもたちを見てくれているとは思いますが、全ての場面において理解しているわけではありません。
子どもたちが壁を乗り越えられるよう、サポートを
保護者の方から、子どものそのような姿や言動について、ぜひ担任にお伝えいただきたいと思います。担任の中で何かしらの配慮や、変化をもって対応してくれるかもしれません。担任としても子どもたちのいろいろな姿や、家庭での様子は知りたいものです。それを踏まえて、クラスのいろいろな関わり方や、児童への指導を調整していくものです。その調整する力が、担任の力の見せどころでもあります。
幼児教育から小学校教育への変化は、さまざまな場面で起きてきます。基本的に子どもたちは、それらの経験を通じてしか、乗り越えていくことはできません。しかしそれらをすべて、子どもたちに任せる必要もないと思います。保護者や教師が、いろいろな配慮や手助けをしながら、子どもたちがその壁をうまく乗り越えられるようにサポートしてほしいと思います。

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担当カテゴリー
学び・遊び・教育
大阪教育大学教育学部 教授 小崎恭弘
大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校元校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。



























