『ダメな男じゃダメですか?』原作者・大盛のぞみさんに聞きました!もしも私が入れ替わるなら…
ぎゅってWebでも好評連載中の漫画家・大盛のぞみさん。現在テレビ東京にて放映中の『ダメな男じゃダメですか?』の制作秘話やドラマの見どころなどについて教えてもらいました。
テレビ東京×めちゃコミックの合同プロジェクト「僕ドラ」で大賞を受賞
テレビ東京×めちゃコミックが共同開催する漫画化とドラマ化作品を同時に選ぶドキュメンタリープロジェクト「僕ドラ」。コンテストの審査員には、主演を務める町田啓太さんが代表選考委員として参加。大賞作品となった大盛のぞみさん作の『ダメな男じゃダメですか?』はテレビ東京の水ドラ25枠(毎週水曜 深夜1時〜)にて2月2日より放送がスタートしました。
あらすじ
就職活動に失敗して、人生の目標を見失ってしまった田町権太(たまちごんた)は、SNSを通じてどんどん腐っていってしまいダメ男に。そんな権太を心配して家に乗り込んだのは祖母・カツヨだった! ダメ男になった権太と口論になるが、その最中にひょんなことから権太とカツヨの中身が入れ替わってしまい―!?
ストーリーを思いついたきっかけ
『ダメな男じゃダメですか?』毎週楽しく拝見しています。主演は町田啓太さんということが決まっている上でストーリーを考えられたのだと思いますが、このストーリーを思いついたきっかけについて教えてください。
大盛のぞみ:とにかく主演の町田さんがかっこいいので、イケメンの気持ちが分からない、どのように気持ちを理解してストーリーを展開していこうか悩みました。人生でちやほやされた経験がないので、かっこいい人ってどんな行動するんだろう、どんな気持ちなんだろうって。
そこで自分に一番近い存在を近くに置こうと思って登場させたキャラクターが祖母のカツヨです。母親より遠い存在で、でもほど良い距離感で入れ替わることができるかなと。カツヨがいることで、権太というキャラクターを自分なりに動かすことができそうだと思いました。ちなみにカツヨは私と岡山の義母を足して割ったようなキャラクターです(笑)。
ドラマのテーマは「やりたいことに正直に生きる」
ドラマのテーマになっている「やりたいことに正直に生きる」。これは大盛さんの信念にも通ずるところがあるのでしょうか。
大盛のぞみ:そうですね。Instagramを始めて少しフォロワーさんが増え始めた頃に、実はおしゃれ系インスタグラマーの路線を目指していたことが一時期あって。でも自分をよく見せようと思えば思うほど、しんどくなっていくし続かないし、何事もうまくいかなくなるんですよね、それは人間関係も然りで。そこからは偽らずに、ありのまま付き合ってくれる人を大事にしようという気持ちが強くなりました。ドラマでは主人公の権太もSNSで偽りの姿で生きていますが、ここは個人的にも本当に共感できる部分です。
ドラマの見学で印象的だったこと
Instagramの投稿でドラマの撮影現場に見学行ったときの漫画を上げられていましたよね。見学で特に印象的だったエピソードを教えてください。
大盛のぞみ:Instagramに上げた漫画にも描いたのですが、本当に何度も同じシーンを撮るんですよ。同じセリフをカメラの角度違いで何度も何度も…。町田さんを始め、大告堂の矢上役・田口浩正さんも意地悪なセリフを、アドリブを交えながら何度も演じていらっしゃって…。俳優さんって本当にエネルギーのいるお仕事だなと。感動とともに尊敬しました。そして町田さんは実物も本当にかっこいいです!
見学の様子を描いたInstagramはこちら
入れ替わりたいキャラクターは?
ドラマでは権太と祖母のカツヨが入れ替わることでストーリーが進んでいきますが、大盛さんが入れ替わるならドラマのどのキャラクターと入れ替わりたいですか。
大盛のぞみ:深川麻衣さん演じる葛西です(即答)、葛西しかいない!でも葛西になれたとしたら、権太とは付き合わないかもしれませんが…(笑)。
ドラマ以外での話をすると一芸に秀でている人と入れ替わりたいです。具体的に言うと、BTSのジミンがいいです!BTSの推しはずっとジンなのですが、入れ替わるならジミンです。ダンスや歌のスキルもあって顔も美しくて…憧れています。日本人では、飯島望未さんというバレリーナの方です。そこまでバレエ自体に詳しいわけではないのですが、飯島望未さんの美しさに憧れています。
これを知っているとさらにドラマが楽しめる!?
視聴しているみなさんに、「実はこだわっています」「分かって見ると面白い!」というポイントがあれば教えてください。
大盛のぞみ:カツヨのスカーフはこだわって漫画に描いたポイントだったので、ドラマでもそれを忠実に再現してもらえたことがうれしかったです。そしてなんといっても、入れ替わり後の権太の独特なファッション。町田さんが普段はしないような格好だと思うので、こちらもぜひ注目してみてください。
他のキャラクターでいうと、葛西は漫画ではわりとシンプルなファッションが多いのですが、ドラマでは少しモテ服みたいなファッションが多くなっています。漫画もドラマも見ているという人は見比べてみるのも面白いかもしれません。
町田さんも感動!こだわった群馬弁
受賞の瞬間の様子がYouTube動画でも公開されていましたね。町田さんが大盛さんの作品を選んだポイントのひとつとして「群馬弁を入れてくれたのがうれしかった」とコメントされているのが印象的でした。初めから群馬弁は入れようと思っていたのですか。
大盛のぞみ:はい、方言がなかったらこのストーリーは成り立たないというくらい、群馬弁にはこだわりました。何より町田さんが群馬弁を話している姿を見たい!と思っていて、当初から方言を入れるというのは決めていました。
ただ群馬といっても地域によって方言もさまざまだろうし、町田さんの地元に近いところで方言が話せる人がいないか探しました。そしたら私の担当の美容師さんの友人にちょうど町田さんと同じ地元の方がいて。ぜひお願いしますと頼み込んで教えてもらいました。良いご縁がありました。
二児の母である大盛のぞみさん。漫画を描く時間の捻出は?
引き続き『ダメな男じゃダメですか?』の原稿を描き進められている最中とのことでお忙しい毎日だと思います。描く時間はどのように捻出していますか。
大盛のぞみ:私の1日のスケジュールは本当に終わってますよ(笑)。朝は子どもが起きる10分前になんとか起きて朝食を用意し、8時くらいに学校に送り出したあとはお昼くらいまで寝ます。そこから起きて、お昼ご飯を食べたら漫画を描き始めます。子どもたちが帰宅するまでの4時間くらいですかね。子どもたちが帰宅してからは一旦中断して、家のことをしたり一緒に遊んだり。
子どもたちが21時半くらいに寝たら、そのあと深夜2時から3時くらいまでダラダラと漫画を描いています。ダラダラしなければきっと0時には寝られると思うんですけど…。何か調べようと思ってスマホを触り出すともうだめで、「そういえばBTSのあのミュージックビデオってどんなのだったっけ〜」みたいに動画を見る寄り道が多いですね(笑)。
描き出したら早いのですが、描き始めるまでが本当に長くて。ボーッと考えてしまうとなかなか描き出せないんです。だから私の編集担当さん、本当に大変だと思います。描けるときはすごい量のネームを上げてくるのに、描けないときは荒れるので…。編集担当さんが心を病まれていないか心配です(笑)。
自宅のワークスペースを見せてください
大盛のぞみ:いつも布団の上で描いています。寝室のベッドとは別に布団を敷いている部屋があって、執筆用の机代わりの布団です。
寝るときは子どもに癒やしを求めてベッドに移動し、子どもたちに挟まれて寝ています。いつまで一緒に寝てくれるかなぁって思いながら。布団の上で描いているのは、子どもが小さい頃、Instagramに上げる漫画を描くときに離れると泣かれるので子どもが寝ている側で描いていたから、そのときのスタイルが抜けていないのかもしれません。
そして仕事のお供に欠かせないのがセブンイレブンに売っているセブンプレミアムのポテトチップスです!とってもお気に入りでちょうど「僕ドラ」のオーディションに参加していた昨年の夏は、何袋食べたか分からないくらい。子どもには絶対に見せられないのですが、寝転んでポテトチップスを食べながら描いています(笑)。
いよいよドラマも後半。今後の見どころについて教えてください
大盛のぞみ:4話から権太の地元の後輩・中野くんが出てきましたが、このキャラクターは年下のイケメンが好きな私の欲望から生まれたキャラクターです。加藤清史郎くん演じる中野にもぜひご注目ください。
そして漫画とテレビドラマでは、実は結末が異なるんです。テレビドラマの方は町田さんが考えてくださった結末で、私では考えつかないような展開でとても驚きました。漫画とドラマ、両方見ている人も最後まで楽しく見てもらえると思います。
今後のお仕事の目標は?
大盛のぞみ:自分をモデルにした創作漫画を描けたらいいなと思っています。自分のこと、自分に似た性格しか描けないので、自分だったらこういうときどうするかな?という観点を大切に描いてみたいです。そして将来は姉と一緒に“占い居酒屋”や“占いスナック”のお店を開くのが夢なので、それまではコツコツと漫画家として頑張って、将来はお酒を飲みながら仕事ができるようになればうれしいです。
ぎゅって読者へメッセージ
大盛のぞみ:いつも私の漫画を読んでくださりありがとうございます。私は読者のみなさんの為になるような、役に立つようなことは描けないのですが、等身大の私を描いていくので今後も見捨てずに(笑)楽しく読んでくれるとうれしいです。
大盛のぞみさん、ありがとうございました。引き続き『ダメな男じゃダメですか?』をお楽しみに