教員がこっそり教える、感動した自由研究アイデア3選
夏休みの終わりが見えてくるこの時期。宿題の進み具合はいかがでしょうか。
一番手ごわい宿題とも言える「自由研究」は終わりましたか? 「まだが手つかず」「一体何をやったらよいのか分からなくて動き出せない」というお子さんもいると思います。そこで今回は、私が教員になって感動した自由研究について紹介します。お子さんの自由研究のヒントになったらうれしいです。
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テーマ「一番よく飛ぶ紙飛行機作り」
好きなものに好きなだけ取り組むことができるのは、自由研究のよさではないでしょうか。
小学1年生の担任時に、紙飛行機を作ることが好きだった子が、「一番よく飛ぶ紙飛行機作り」というテーマで自由研究を行っていました。
10機ほどの紙飛行機をクリアポケット付きのファイルに丁寧に収めて持ってきました。1枚の紙にどんな飛行機か、どんなふうに飛ぶかなどをまとめ、それをファイルとともに提出。ひとつひとつの飛行機は、折り方や紙を変えて作られていて、それを説明する姿がとてもキラキラしていました。好きなものを研究したからこそ、すごく楽しく取り組めたのだろうなと感じました。
お子さんが好きなことの中で、「もっと好きになりたい」「もっと深めてみたい」と思えるようなことを、自由研究のテーマにするのは、夏休みの豊かな思い出にもなると思います。
テーマ「自分で考えた生き物作り」
お子さんが自信をもっていることをさらに伸ばせるのも、自由研究の醍醐味だ思います。
小学2年生の担任時には、工作が得意で生き物の生態にも詳しい子がいました。その子は、「自分で考えた生き物作り」をして、30体ほどの自分で考えた想像上の生き物を立体にして作ってきました。しかもセロハンテープを使って! 脚の部分に工夫を重ねて自立するようにしてあったり、たてがみなどの細かな部分も表現されていて、ビックリしたのを覚えています。それを見たクラスの子ども達は「これどうやって作ったの!?」と興味津々。その子はみんなに注目してもらえてとても嬉しそうでした。
自分の得意なことですから、意欲的に取り組んでくれるでしょう。また、それがお子さんの自信につながっていくと思います。
テーマ「自分の育てた野菜の観察」
継続するって、大人でも難しいですよね。そんな中で、小学2年生の子が毎日、自分の育てた野菜の観察をしてノートにまとめるという自由研究がありました。
テーマとしては、よくあるテーマなのかもしれません。でも、その毎日観察をし続けた根気、継続力、研究に取り組む姿勢に感動したことを覚えています。また、続けて書いていくうちに観察する際の視点がわかってきたようで、日数が経つにつれ、たくさんの視点から観察されたものになっていました。例えば、最初は大きさを表す言葉が「大きくなった」のひと言だったのが、だんだんと「葉っぱの大きさは消しゴム〇個分になっていて、トマトは黄色から赤色になった」など、具体的に書くようになっていっていたのです。
継続することで、観察力、表現力、文章力など身につく力はたくさんあります。何より「最後まで継続してできた!」ということが本人の大きな自信にも繫がった様子が見えて、私もとてもうれしかったです。
教員である私も自由研究をします
子ども達が自由研究をする中で、教員である私も夏休みを使って一緒に自由研究をすることが多いです。
私は食べることや料理をすることが好きなので、過去には「肉を使った料理を20種類作る」「自分の中のとっておきのカレーを作る」「自分が好きな餃子を見つける」といったテーマを立ててノートにまとめました。大人が楽しんで自由研究に取り組んでいる姿を見ると、子どもも楽しんで取り組むことが多いなと感じています。
壮大なテーマではなくて構いません。よかったらパパやママも、自分が興味あるけれどなかなかできていないことに「自由研究」として取り組んでみませんか? お子さんとの会話も広がり、一緒に宿題もでき、よいことがたくさんありますよ!
感動の自由研究の共通点は
かつて見てきた自由研究の中で感動した作品には、共通点があります。それは、子どもの思いを感じるかどうかです。「大好きなことに、夏休みの時間を一生懸命使ったんだなぁ」「本当に興味があったから、ここまでしっかりと調べたんだなぁ」と、その子自身が夏休みに、自由研究に取り組む姿が目に浮かんできたものに心を動かされたのです。
見栄えよく仕上がったものや、形の整った研究も目を引きますが、心を掴まれるのは、「その子の愛情やがんばりを感じるもの」です。
ぜひお子さんの好きなことを思いきり深められそうなテーマを一緒に考えてみてくださいね。“好きこそものの…”とはよく言ったもので、本人の好きなことがテーマにできれば、驚くほどスムーズに進むと思います!