おしっこがしたくなったらトイレにいく、その当たりまえの行為の偉大さよ

おしっこがしたくなったらトイレにいく、その当たりまえの行為の偉大さよ

育児をして、よく見えるようになったこと

ちょっと前まで赤ちゃんだった人が、立派に生活している様子を見ると、心底感心してしまいます。少し大袈裟だと思われてしまうかもしれませんが、目頭があつくなってしまうことすらあるくらいです。

おしっこがしたくなったらトイレにいく。この行為ができるようになることの、いかに偉大なことか!育児をしていなかったら、私はおそらくその偉大さに気づけなかったろうと思います。当たりまえのことだとすら思っていたかもしれません。

子どもがトイレで用を足せるようになるまでの間には、膨大な数のトライ&エラーがあります。そもそもまずオムツ期間が約数年。その後はトレーニングパンツなどを利用しながら、少しずつトイレにならしていきます。

本人の抵抗もあるだろうし、タイミングを外して漏らしてしまうことだって何度もあります。おねしょしてしまうことだってしばしば。その都度、親はフォローし、子どももまた努力する。その果てしない積み重ねの末に、ようやく修得するのがトイレなわけです。

大人からすれば、トイレをはじめ食事も睡眠もできて当たりまえ。取るに足らないことのように思われるかもしれません。でもよくよく振り返ってみると、どれもこれも簡単に最初からできたわけではなく、長い時間の中で修得してきたものであり、その背後には周囲の人の支えがあるわけです。

子どもがトイレにいくだけで、なんでこんなに感動してしまうのでしょうか。うまく言語化できないのですが、もしかしたら、なんとかトイレに行ってもらうべく気乗りするような言葉がけを工夫した日々や、夜におねしょしてしまって眠い中シーツを洗濯したりした日々が、私の視野を広げてくれているのかもしれません。

生活、その当たりまえの営みの背景に、ものすごい膨大な情報がある。情が、熱が、血が、通っている。大人になり、親になり、そういったものがよく見えるようになってきました。感動してしまうのは、きっと目が良くなったからなのだと思います。

ライター

絵日記・漫画家パパ頭の画像

絵日記・漫画家 パパ頭

高校で倫理を教えつつ、妻子との暮らしを描いた漫画を執筆、SNSで公開中。おっとり優しい長男と元気で愛嬌のある次男とに囲まれ、賑やかな毎日を送っている。著書は『パパが育休とってみたら妻子への愛が深まった話』(KADOKAWA刊)

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