公立でも私立でもない、オルタナティブスクールって何?知ることが選択肢につながる
小学校の先生の経験者であり、自身もママとして子育てに奮闘する4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」。先生目線で、ときにママの目線で。入学準備や、入学後の困りごとや悩みの解決方法の糸口を探ります。苦しいことがあっても、笑顔で突き進めるヒントが見つかるかも。
今回は、ゆきこ先生による「オルタナティブスクール」についてです。
オルタナティブスクールってみなさん知っていますか?初めて聞いた方も「フリースクールのこと?」という方もいるかもしれません。学校を選ぶ際少し知っているだけでも違うかも…? 今回はそんなオルタナティブスクールについて、そもそもどういうところなの?どんなことをしているの?公立や私立の学校とはどう違うの?というところを紹介します。
独自の理念で教育を進める学校
オルタナティブスクールとは、伝統的な教育制度やカリキュラムに縛られず、独自の教育理念や理念に基づいた学校です。 「オルタナティブ」という言葉は「代替」を意味しており、従来の公立学校や私立学校に代わる選択肢として存在します。公立でも私立でも学校は指導方法や運営体制が法で規定されています。でもオルタナティブスクールは規定をされておりません。そのため、学校ごとに独自の教育方針や理念で運営しています。オルタナティブスクールと聞いてもピンと来なくても、シュタイナー教育学校やモンテッソーリ教育学校といえばピンとくる方もいるかもしれません。そういった今の学校の教育を定める法律には縛られずに、独自の理念で教育を進めていく学校のことをオルタナティブスクールと言います。
自然、ICT、柔軟な学びの環境など特徴はさまざま
「オルタナティブスクールの特徴は?」と聞かれると、公立学校私立学校の特徴を挙げていくより難しいかもしれません。というのも前述した通り、「法で縛られていない」「独自の教育方針や理念」のため、各学校がそれぞれに個性があり特徴があります。自然と触れ合う時間をたっぷりとっている学校もあれば、ICTをバリバリと使いこなしていくタイプの学校もあります。個人に寄り添う学校もあれば、その学校のカリキュラムをしっかりと進めていく学校もあります。どちらかというと、子どものための個性や興味を尊重し、柔軟な学びの環境を提供することが多いですが、その度合いや方法も学校によってさまざまです。
オルタナティブスクールは課題面も、気になるスクールは見学を
オルタナティブスクールならではの課題もいくつかあります。例えば資金面です。多くのオルタナティブスクールは、独自の教育プログラムや小規模での教育を行うため、運営コストが高くなることがあります。そのため一般の私立学校以上に高額になることも多く、経済的に余裕のある家庭しか利用できないという課題があります。学校自体も公的な補助を受けにくいことが多いため、経営の見通しをもたせることが難しい学校があることも事実です。他にも、オルタナティブスクールはそれぞれが異なる教育方針やカリキュラムを持っているため、学校によって教育の質や効果に大きなばらつきがあったり、新しい教育を試みているからこそまだ大人になった先輩もおらず、社会でやっていけるかどうかが不確実であったりします。だからこそ、気になったオルタナティブスクールがあれば、必ず学校見学に行ったり可能な学校であれば行事やイベントに参加してみることをお勧めします。そこでお子さんと一緒にその学校を肌で感じながら選んでいくと良いでしょう。
公立でも私立でも見つからない場合、選択肢があります
わが子にぴったりの学校を見つけてあげたい。わが子が笑顔でいられる学校を選んであげたい。親である私たちは少なからずそういった感情をもっているかもしれません。でも、公立だとうまくいかないかもしれない。私立を探しても近くにしっくりくる学校がない···。そんな状況で悩んでいるおうちの方も、もしかしたらいるのではないでしょうか。その時に「オルタナティブスクール」という選択肢を思い出してみてください。そして近くのオルタナティブスクールを検索し、見学してみてください。お子さんに「ここだ!」と思う教育をしている場所が見つかるかもしれません。どうかどうかいろんな家庭、いろんな子どもが笑顔でいられる選択を取れますように。