「自分でやりたい」期の2〜3歳児が満足する!お料理体験あれこれ
2〜3歳児には特有の「何にでも興味を示す、触ってみたい」「自分でやってみたい」「大人の真似っこをしたい」という強い欲求があります。お料理はそんな年齢の子どもにピッタリな活動。今回は小さな子どもでも安全に楽しめる事例を紹介します。
2歳児のお料理体験
私が勤務先で担当している2歳児クラスでは、時々調理保育を行っています。「何をしでかすか分からない2歳児にお料理なんてできるのですか?」と心配の声もありそうですが、なんでも自分でやってみたい時期の子どもたちだからこそ、本物の食材に触れて調理をする体験をさせてあげたいと思っています。
安全に調理できるように、まずは火を使わないお料理から始めています。
体験して学ぶのに適した時期
2〜3歳児には特有の「何にでも興味を示す、触ってみたい」「自分でやってみたい」「大人の真似っこをしたい」という強い欲求があります。さまざまなことを体験して学ぶのに適した時期ですから、まるでスポンジのようになんでも吸収します。
聞いた言葉をなんでも覚えてしまうのと同じように、大人の行動をよく見て真似ることができます。安全な環境を用意してゆっくりとやり方を見せてあげれば、ナイフを使うこともできるのです。
多少の心配はあるかもしれませんが、もはや心配不要の年齢になってからでは、お料理などこちらが頼んでもやってくれません。「なんでもやってみたい!」という燃えるような情熱があるうちに、たくさん経験させてあげたいものです。
2歳児からのお料理については前回の記事でも簡単に紹介しましたが、今回はもっと具体的に2〜3歳児が満足するお料理体験を紹介します。ぜひ子どもと一緒に作ってみてください。
コロコロ丸めよう!白玉粉団子
団子の材料といえば白玉粉です。これと水さえあれば作ることができますので、手軽にできます。あとは好みで、きな粉やあんこ、みたらしなどを用意するだけ!白玉粉に水を入れてよくまぜ、耳たぶほどの硬さになったら準備オッケーです。あとは子どもと一緒にひたすら丸めていきます。
見た目は粘土と変わりありませんので、おもちゃにしないように、あらかじめ食べものであることを伝えます。みんなでたくさん食べられるように、無駄にしないよう大事に扱ってもらいます。
まずは大人が団子を丸めているところをゆっくり見せるところから。団子ひとつ分の種をちぎって子どもに渡して、おなじようにやってもらいます。
初めは蛇のように細長い形を作ってしまいがちなので、大人が手を添えて一緒に作ってみるのもよいですね。手のひらに団子の種をのせたら、もう一方の手のひらで上から軽く押さえ、転がして丸い形を作ります。上の手だけを動かすのが丸く作るコツです。
全て丸めたら、ゆでて完成です。ゆでる工程は大人がやりますが、火傷に注意しながらゆでているところをみせても良いかもしれません。鍋底に沈んでいた白玉が、ちょうど良い頃合いになるとプカッと浮いてくるのを見るのも楽しいですよ。
子どもの興味点
- 感触を楽しむ、指先への刺激
- 団子を丸める、形を作る
- おいしく食べる
はじめての包丁体験はフルーツポンチで
材料は好みのフルーツとリンゴジュースです。フルーツは季節感を意識しつつ、子どもでも切りやすいものを選びます。代表的なものはバナナ、イチゴ、リンゴ、キウイフルーツ、パイナップル…など。リンゴやキウイフルーツ、パイナップルなどはそのままでは子どもが切りづらいので、大人が皮をむいて柵状に切っておきます。
子どもが使う包丁は子どもサイズのものを用意しましょう。今は低価格でも良いものが売られていますので、100円ショップなどものぞいて見るとよいでしょう。
くだものナイフのように先が尖っている物ではなく、丸くなっているものを選んだ方が安心です。ナイフは使い方を間違えるとケガにつながる道具なので、注意が必要であることをあらかじめ子どもに伝えておきます。
フルーツをまな板の上に置き、左手で押さえます。それから右手でナイフを握って切ります。はじめは大人が切るところをゆっくり見せます。危ないので集中して切りましょう。次に子どもに切ってもらいますが、ナイフが初めてなら、大人が手を添えて一緒に切ってもいいですね。
切ったフルーツはボウルに入れて、リンゴジュースを加えてスプーンで混ぜます。よく混ぜたら、お皿に盛り付けます。
子どもの興味点
- 包丁を使って切る
- いろいろなフルーツの感触、匂いなど
- 混ぜる
子どもと一緒に豊かな経験を
火を使わない調理と言えば、ほかには野菜を洗ってサラダを作る、クッキーの型抜きをする、ホイップクリームでケーキの飾り付けをするなどいろいろ考えられそうですね。
自分の作った物を家族に振る舞ったり、一緒に味わったりするのはとても豊かな経験です。子どもとのお料理はハラハラしたりじれったいところもありますが、そんな時間も後になって振り返るととても貴重に感じます。限られた2〜3歳児の時間をぜひ子どもと一緒に楽しんでみてください。