インタビュー「これが私の原体験」ワクワクドキドキの 育ち方・育て方
第一線で活躍している3組にインタビュー。自身の幼少時代の体験がどう今につながっているのか、また今後子どもたちの夢のために何をしていきたいのか…。
未来を担う子どもたち、子どもたちを育むママ・パパへエールを送ります。
tupera tupera(ツペラ ツペラ)さん [絵本作家・アートユニット]
「かっこいいおじさんに なりたくて美大へ」
ナチュラルにおおらかに育てられた気がします
─ 中川さんはどんな幼少時代でしたか?
中川 生まれは京都ですが、すぐに東京の武蔵野市へ引っ越しました。父は印刷会社の仕事をしていて、展覧会のカタログ、図録などが自宅の棚に並んでいました。よくそれを眺めたり、まねして描いたりしていましたね。母は無農薬の食材を取り寄せるなど、食に一生懸命な人でした。ナチュラルにおおらかに育てられた気がします。私は走ることや絵を描くことが得意で、好きなことを続けることで、少しずつ自信が付いてきたのかなと…。
─ 亀山さんはどうでしたか?
亀山 三重県伊勢市で生まれ育ちました。両親は全く怒らない人たちで、好き嫌いもOK。刺し身も大人になって初めて食べて「何ておいしいんだ」って。食わず嫌いが多かったのですが、今は大抵のものはおいしく食べていますね。
─ 今の活動を目指すきっかけは?
亀山 高校時代、親戚からもらった南川三治郎さんの写真集「アトリエの巨匠・100人」にミロやシャガールといった世界一流のアーティストが自身のアトリエとともに写っていて、それがかっこよくて! こんなかっこいいおじさんになりたい、なら美大だって。
人には向き不向きがある 大人がいろいろ決めないで
─ 活動を通じて子どもたちへ伝えたいことを教えてください。
亀山 特にないですね。世の中、大人が全部決めて、大人が問題を起こして、子どもは振り回されているんです。だから、子どもに対して何か…などはありません。大人として、しっかり生きていく。それだけです。
中川 子どもも大人も、無理をした先にいいことってあんまりない気がするんですよね。
亀山 ぼくたちは、さまざまなジャンルの人が「一緒に作りましょう!」と声を掛けてくれて、楽しいから作っているんです。人とのつながりで思わぬものが生まれ、そこからまた新しいつながりができ、自分たちの表現や人間関係が広がっていけばいいなと。予測不能な日々が楽しいので、夢は描きません。逆にストレスになります。目標を設定し、それに向かって頑張るという生き方もあります。ただ自分たちには向いていない。人には向き・不向きがあるんですよね。子どもたちもそれぞれだろうなと。自由でいいじゃん、ストレスがないように。大人がいろいろ決めないでって思いますね。
プロフィール
今年活動20周年を迎えた、亀山達矢と中川敦子によるユニット。絵本やイラスト、工作、ワークショップ、アートディレクションなど、幅広く活動。「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)、「パンダ銭湯」(絵本館)など著書多数。NHK Eテレ「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも担当。現在DEAN & DELUCAでコラボ菓子を販売中(写真・なくなり次第終了)。
(ギフトボックス3024円、単品ボックス756円)