子どもの人生は子どものもの!自分らしく主体的に生きる力の育て方

子どもの人生は子どものもの!自分らしく主体的に生きる力の育て方

めまぐるしく変容する社会の中で、子どもが自分らしく生きるために必要なのは、自ら考え、判断し、行動する力=主体的に生きる力。子どもの未来に関わる「小学校教育」「SDGs」の視点から、主体性の大切さ、またそれを育むヒントを探してみませんか。

イラスト/杉浦さやか

2020年度のあんふぁんは、「幼児期の子どもが“今持っている力“を見つけて育てることが将来を生き抜く力になる」と捉え、「見つけよう コドモノチカラ」をテーマにさまざまな情報を発信しています。

Point1 小学校教育

小学校での学びは、園児の保護者にとっても気になりますよね。コロナ禍で急速に進んだと言われる教育のICT(情報通信技術)化。「主体的な学び」が注目される中、デジタル端末を活用した新しい学びの可能性について専門家に聞きました。

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黒上晴夫さん

小学校での学びは、園児の保護者にとっても気になりますよね。コロナ禍で急速に進んだと言われる教育のICT(情報通信技術)化。「主体的な学び」が注目される中、デジタル端末を活用した新しい学びの可能性について専門家に聞きました。

自分を客観的に捉える力 主体的に考える力を育む

2020年度、小学校ではプログラミング教育などが必修となった新学習指導要領が全面スタート。一番の変化は、GIGAスクール構想(別項参照)の前倒しにより、タブレット型をはじめとしたデジタル端末が児童一人一人に配布されるなど、学校教育のICT化が急速に進んだことではないでしょうか。今後は、そういったデジタル端末などをどう活用するかが課題となっています。

一括管理や一覧で共有 多彩な活用方法が

学校教育の目標は「自立した人間に育てる」ことです。自立するために大切なのは、知識を大量に持っていることではなく、持っている知識をいかに活用するか。それには「自分自身の状況を客観的に捉えた上で、主体的に考える力」が必要になります。このような力を育てるために、デジタル端末の活用が注目されています。
「自分自身の状況を客観的に捉える」ためには、振り返りの習慣が大切です。デジタル端末で「授業で先生が板書した内容」「自分が書くノート」などを一括で管理できるようになれば、振り返ることや整理する作業が効率良くできるようになります。

また、主体性を育む学び方として注目される「アクティブラーニング」。これまでの授業では、手を挙げて発言する子以外は、どんな考えを持っているのか、そもそも考えているかさえクラスメイトには分かりませんでした。ところが、デジタル端末で一人一人が自分の考えを提出するようにすれば、一覧で友達の考えを共有することができます。発言できない、考えないという子が減り、クラスのみんなが主体的に授業に参加できるようになります。
多彩な可能性を秘める学校教育のICT化と従来の学びとがバランス良く共存することで、新しい学びのカタチが生まれつつあるのです。

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★GIGAスクール構想
1人1台のデジタル端末・高速大容量通信ネットワークを整備して実現を目指す、ICTを活用した新しい小中学校の教育スタイル。新型コロナウイルス感染拡大による休校措置を受けて、当初2023年度中だった計画を前倒し、2021年度末までに進めることに。ほぼ全ての自治体で整備できるといわれています。

★新学習指導要領(2020年度小学校全面スタート)
新しい時代を生きる子どもたちに必要な力を三つの柱として整理。三つの力をバランス良く育むことが目標。

● 実際の社会や生活で生きて働く「知識及び技能」
● 未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力など」
● 学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性など」

★プログラミング教育
新学習指導要領で必修化。小学校のうちはプログラミングの教科があるわけではなく、既存の教科の中で、一つの物事を分解して論理を組み立てる「プログラミング的思考」を身に付けるための学習が取り入れられています。

★アクティブラーニング
「どのように学ぶか」を重視した新学習指導要領の中で掲げられている学び方。意見を出し合って話し合い、対立を調停し、新しい考えを作っていく授業法。

主体性を育てるために今から親にできること

子どもの考えを聞く耳を持つ

子どもは子どもなりに、ちゃんと理屈を持っています。子どもの言動について「なぜそう思ったの?」と聞き、まずはそのまま受け入れましょう。親にとって理不尽な内容だからと否定してしまうと、子どもは意見を言わなくなります。まずは“自ら意見を言える”環境を整えましょう。

子どもが自分で判断するのを待つ

子どもには、何でもやってあげたくなりがち。「寒いからこの上着を着て!」ではなく、子どもが自分で判断するのを待つようにしましょう。失敗することで学ぶことも多いもの。「親がいなくても生きていける」ように自立を促すのが、親のすべきことです。

具体的な体験をさせる

幼児期は、具体的な体験をいっぱいさせてあげましょう。土をいじる、ミニカーを並べる、ブロックをつなげる、葉っぱ・ドングリを集めるなど…。具体的な経験をたくさん積むことで、物事に関心を持てるようになり、課題を見つける力が育ちます。

ライター

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&あんふぁん編集部 &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

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