実母がしんどい…ママになった娘と母がうまくいかない原因と対処法とは
義母とうまくいかない話はよく聞きますが、実母との関係で悩んでいるママからも相談を受けることがあります。女同士の関係には良いことも悪いこともあって、同じ「母」という立場になったからこそ、理解できることとできないことが生じる現実も。
今回は心理カウンセラーの立場から、実母とうまくいかない原因と自分の子育てを上手に進めるコツを紹介します。
実母とぎくしゃく…原因となっている心理は?
出産後に実母のありがたみが身に染みてわかり、以前より仲良くなったというママもいますが、全員がそうなれるわけではありません。
実母と子育てにおいて対立し、「しんどい…」と悩むママは多いようです。
子育てで実母とぎくしゃくしてしまう原因は何なのでしょうか? そこには実母の心理が深く関わっています。今回は4つの原因にわけて紹介します。
自分は子育ての先輩!自信をもちたい
よくあるのが、子育ての方針の違いによって対立してしまう状態。育児のスタンダードには世代間の格差もありますし、実母は何よりも、自分がすでに子育てを終えた先輩である!というプライドや自信をもっています。
何が娘世代の子育てのスタンダードかも知らず、勝手に「こうしたら?」「それはダメ」などと口出しをしてくるので、娘であるあなたはうっとうしく感じるでしょう。
しかしこれは、実母の側が焦りを感じているあらわれでもあります。昔は小さくて、なんでも自分の思い通りになっていた娘が、自分と同じ母というステージに立ち、衰えていく自分を越えていくという、寂しさと焦りの心理が隠されています。
実の娘は遠慮しなくていい存在!境界線が曖昧に
母親は女性として、自分の娘を自分と同一視しがちな部分があります。幼い頃から一心同体のようにして育ててきた娘。大人になっても自立したことが深層心理で理解できず、娘や孫の欠点を無遠慮に指摘して怒らせてしまうことも。
この場合、実母は娘に対して「若い頃の自分と同じようにすることが正義」と考える心理が働いています。また自分がママになったつもりで、孫を厳しく怒ることもあります。
孫かわいさに甘やかす!娘にできなかったことを楽しむ
子育て中は、子どもの安全やしつけに細心の注意を払い、甘やかすだけではダメ、知育もお行儀も…と神経を尖らせて過ごすことが多いでしょう。しかし、今や祖母という立場になった実母には、この責任感がありません。娘を育てるときにはできなかったことを孫で楽しみたい!という心理もあり、かわいい孫への甘やかしにつながります。
自己肯定感が低い!娘よりも自分が正しい
このタイプの実母は、孫が生まれるよりも前から娘と対立していることも少なくありません。実母の自己肯定感が低く、自己顕示欲やプライドが高い場合は、ことあるごとに娘を貶めたり、否定したりすることで、「自分が正しい」と主張し、自分の立ち位置を守ろうとします。
子育てで実母との関係が悪化したら…身につけたいスキル
では、子育てをきっかけに実母との関係が悪化し、負担に感じられるようになってきたら、ママはどのようにしたら気持ちをラクにできるのでしょうか? 身につけたいスキルを紹介します。
聞き流す、受け流す
実母との関係をさらに悪化させないために、もっとも重要とも言えるのが、スルーのスキルです。実母が何を言ってきたとしても、その裏にある心理を想像してみてください。落ち着いて聞き流せるようになるケースも出てくると思います。
同居の実母なら難しいところもありますが、別居であれば「会った時だけだから」と考えるのもひとつの手です。次に紹介する方法もあわせて活用し、「うんうん、そうだね」と受け流せるようになりたいものです。
自分の方針をしっかりともつ
自分の子育ての方針をしっかりともつことで、実母からの口撃を受け流すことが容易になります。そのためには、実母の言葉に「私が間違ってるの?」と揺らいでしまわないよう、自分自身で育児に関する正しい情報をよく調べましょう。自分の方針や考え方に根拠をもつことで、揺らぎが減っていくと思います。
自分の考えがしっかりと確立できると、実母が何を言ってきても(昔の情報だからな-)(ああいうことを言って、自分を正当化したいんだな)と受け止められることが増えます。
実母を少しチヤホヤする
ムカッとくることを言い出す実母が喜ぶようなことはしたくない!と思うかもしれませんが、そこは逆転の発想! 実母があれこれと口出ししてくる深層心理には、「自分のことを大事にしてほしい」という自己中心的な気持ちがあることも珍しくありません。プレゼントをあげたり、「いつもありがとうね」と優しい言葉をかけるのも案外効果的です。
自分は自分のことを楽しむようにする
母親が娘のことを自分と同一視してしまいやすいように、娘の側もまた、母親のことを自分と同様のものと考えている部分があります。望んでいるわけでなくとも、無意識に「母親の望むようにしてあげたい」という気持ちも働き、自分本来の気持ちとのギャップに苦しむという一面も。
自分自身の気持ちをラクにするためには、実母と自分とをしっかりと切り離し、自分は自分、自分が楽しいと思うことをし、自分が正しいと思う育児をすることが重要。そのためには実母と物理的に距離を取ることが必要になることもあります。
おばあちゃんよりもママ…子どもはしっかりと見ています
子どもの前で自分を否定したり、怒ったりする実母。あるいは、自分よりも子どもに甘くする実母。あなたがそのたびにイライラするのは、わが子からの視線を気にしたり、「このことでわが子から自分が否定されるのでは」という不安がつきまとうのも一因。
でも大丈夫です! 子どもは基本的に、ママが大好き。ママが日々、一所懸命に頑張っている姿をいつも見てくれています。
たとえ実母からなんと言われても揺るがずに、自分の目で子どもをしっかりと見て、叱るのと同じくらい褒めて、わが子と向き合っていきましょう。血のつながりがあっても、あなたの子育てに関して実母は第三者。大事なのは、ママが自信をもつことです。自分らしい子育てを楽しんでいってくださいね。