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【給食対策】カット果物ではなく、皮付きで練習しよう

【給食対策】カット果物ではなく、皮付きで練習しよう

小学校教師になって21年目、2児の父親(10歳の息子、3歳の娘)です。

スイカが美味しい季節になってきました♪

3歳の娘は、上の写真のような “皮がない・カットしている”スイカを食べています。

種も事前に取り除いています。

理由は、2つあります。

➀ 皮があるスイカだと、かぶりついたときに、テーブルや服がすいかの汁で汚れてしまって、後片付けが面倒だから。

➁ 種がついたままだと、種を噛んだり、飲み込んだりして、スイカ嫌いになってしまうかもしれないから。

でも、小学校に入学したら、皮がついたスイカが出てきます。

皮なし、種なしのカットされたスイカはとてもありがたいですが、
小学校に入学して、もし初めて皮あり、種ありのスイカをかぶりついて食べることになったら
娘はすごく戸惑ってしまうと思います。

家と違って、学校はたくさんの子どもに対して、先生1人です。
家のようにきめ細やかに見てもらえないです。
給食時間も短いです。
そんな条件の中で、初めて皮あり種ありのスイカをかぶりついて食べると、失敗してしまうかもしれません。
スイカを嫌いになってしまうかもしれません。

だから、小学校入学までに、皮あり種ありのスイカをかぶりついて食べる経験をお子さんに一度は経験しておくのをおすすめします。
(給食対策だけでなく、かぶりついて食べる経験も大切だと思います♪スイカの原型を知らない子どもが年々、増えてきているようにも感じます。)

(1)スイカだけでなく、他の果物も

3歳の娘は、スイカだけでなく、バナナやオレンジやイチゴも食べやすいようにしてから出しています。

オレンジは、皮をむいて、種を取り除いて、一口サイズに切っています。
バナナは、皮をむいて、一口サイズに切っています。
イチゴは、へたを切って取り除いています。(以前は、もっと小さくカットしていました。)

でも、小学校の給食は、バナナが1本で出ます。
皮も自分でむかないといけません。

このバナナの皮を自分でむけないお子さんが年々、増えているように感じます。
それは、経験がないからです。
バナナの皮をむくのは、小さなお子さんにとっては、案外難しいものです。
ちょっとしたコツが必要です。
大人だったら簡単なのですが、へたを持って曲げても皮がむけません。
へたのところに爪で切り目をつけると、皮がむけます。

オレンジやみかんも給食では、丸ごと1個で出ます。
皮の厚い“はっさく”が出ることもあります。
みかんの皮は薄くてむきやすいですが、はっさくは大人の力でも皮をむくのは結構な力がいります。
1年生を担任したとき、一人ひとり皮をむいてまわったことを今でも覚えています♪

給食のイチゴもへたがついています。
へたを持って、赤いところを噛んで食いちぎると美味しく食べられます。
(最近、娘はイチゴ狩りで経験しました♪とても美味しかったと大満足でした。)

私が子どもの頃と違って、食べ物に様々な配慮がされた形で口にすることができるようになりました。

でも、元の形(に近い)で食べるのも大切だと思います。
お子さんの年齢や発達段階に合わせて、徐々に自分の力で食べられるようにすることも大切かと思います。

(2)果物だけでなく、飲み物も♪

上の写真は、パックのりんごジュースを飲もうとしているところです。

私の地域の小学校の牛乳は、パックで出ます。
(以前は、ビンでした。牛乳ビンの紙のふたを取るのは本当に難しいです。
 私もたまに勢い余って、親指を牛乳に突っ込んでしまったことがあります…。)

パック型の牛乳は、ストローで飲みます。
「こんなの簡単に飲めるやん!」と思われるかもしれませんが、
子どもにとってはいくつかのハードルがあります。

➀ パックからストローの入った包みを外す。
   ↓
➁ ストローの入った包みから、ストローを取り出す。
   ↓
➂ ストローを牛乳パックに突き刺して飲む。

3歳の娘は、意外と手間取りました。

力も小さいので、うまくストローを取り出したり、パックに突き刺すことができませんでした。
でも、何回か経験していくうちに、スムーズにできるようになっていきました。
自分の力で飲めるようになったときは大喜びでした。

私が手伝おうとすると、
「自分でする。」
と言うようになりました♪
成長したな~と感動しました。

小学校のHPには、その給食のメニューがアップされていることが多くあります。
もしお時間がありましたら、ご入学先の小学校のHPをご覧なられて
どんな給食が出るのかを調べておくのもいいかと思います。

(3)果物や牛乳だけでなく、おかずも♪

学校の給食は、栄養バランスを考えて“魚”も出ます。
魚料理も、様々な調理の仕方で出ます。

揚げ物、焼いたり、煮たり…。

低学年のお子さんが、一番、食べるのが苦手なのが骨がある魚です。
特に、秋は秋刀魚が美味しい季節で、給食にもよく出ます。

骨ありの魚から、上手に魚の身の部分だけをお箸で食べるのは難しいです。
(骨ごとムシャムシャと食べるお子さんもいます♪)

目には見えないような小さな骨をよく噛まずに食べて、喉に刺さってしまうということもあるかもしれません。
(私が子どもの頃は、「ご飯食べたらとれる!」と先生に言われたものでした♪)
そんなトラブルがきっかけで、骨つきの魚を嫌いになってしまうかもしれません。
とても残念ですし、もったいないと思います。

家でもサバの煮つけをよく食べます。
でも、3歳の娘には、骨なしのものを買っています。

もう少し大きくなったら、骨ありも一緒にチャレンジしていこうと思います。

秋刀魚の他にもその時々、旬なメニューが出ます。

例えば、私の地域では、5月は端午の節句で“ちまき”が出ます。
しかも、ちまきの葉っぱ(笹の葉)に巻かれた状態で出ます。
初めて見た1年生の子どもの驚き、感動、戸惑い、警戒は予想以上です…。
「美味しい!」と言いながら食べるお子さんもいれば、笹の葉を向いたら出てくる白いちまきの棒に
警戒心いっぱいで食べられないお子さんんもいます。

私が子どもの頃よりも、今の給食は美味しいです♪
でも、初めての食べ方、初めてのメニューは、大人でも戸惑うかと思います。
給食の時間は、すごく短いです。
(「もっと時間があったらな~」「せめてあと20分間長かったらな~」と教師目線で思います。)

お子さんが給食を安全に自分の力で食べられることは、親御さんにとっても教師にとっても幸せなことかと思います。
そして、お子さん自身の自信にもつながるかと思います。
もしよろしければ、ご家庭でもお子さんに合わせた形で、果物や魚、季節の食べ物をお出しください。

ライター

小学校の先生松下 隼司の画像

小学校の先生 松下 隼司

大阪の公立小学校教員、2児の父親/令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰を受賞。教科書編集委員/Voicyパーソナリティ。著書に絵本『せんせいって』『ぼく、わたしのトリセツ』、教育書『むずかしい空気をかえる 楽級経営』『教師のしくじり大全』

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