子どもの朝支度を早くするために。モンテッソーリ教師がやっているサポート方法
忙しい朝に限って子どもが動かない!イライラすればするほど空回り…出かける日の朝の時間を少しでも楽にする方法はないものか。今回はモンテ教師が教室でやっている工夫のあれこれをお伝えします。
どうやったら朝の支度が早くなるだろう?を真剣に考えてみました
「早く家を出なければならない日に限って、子どもが急いでくれなくて本当に困っているんです…」。保護者の方からよくそんなコメントをもらうのですが、皆さんはそんなときどうしていますか?
こちらも余裕がないと「早く!」ってつい言ってしまうんですが、全然効果がないんですよね
本当によくわかります…。大変ですよね。どうやってアドバイスをしたものかと私もよく頭を悩ませますが、そんなときは私たちモンテッソーリの教師が登園後の子どもたちの支度をどのように手伝っているかをお伝えすることにしています。
きっと家庭でも取り入れられそうなものもあると思います。もちろん、その子の発達段階や状態によって効果のあるもの・ないものがあると思いますが、何かの参考になればうれしいです。
動線を整えて乗り切る
年齢目安:2歳〜
当たり前すぎてあえて書くのもどうかと思いますが、「子どもの目のつく場所に気が散るものを置かない」ことがとにかく重要です。食卓におもちゃが置きっぱなしになっていれば、当然ながら子どもの気分は遊びに向いてしまいますよね。
出かける準備に必要なアイテムは、すぐに出せるように近くに準備しておきましょう。通園用のハンカチやティッシュ、園で使う着替えやカバンなどが定位置にあると子どもが自分で準備をしやすいと思います。
動作を見せて乗り切る
年齢目安:2歳〜
幼児には「靴を履いて!」「カッパを着て!」などと言葉をかけるよりも、動作を見せる方が伝わる可能性が高いです。例えば上着のファスナーの留め具を大人が留めたら、引っ張り上げる部分を子どもにやってもらうなど動作を子どもと分担してみましょう。
子どもができる部分はどんどん任せて、「じゃあここはパパ(ママ)がやるよ、よしできた!」とテンポよく次の動作につなげて行くと、なんとなく子どももそのリズムに巻き込まれて楽しい気分になってきます。
子どもが自分で持つ荷物があるなら、「カバンを持って」と言うよりも「はい!」と手渡される方が、子どもは反射的に手を出しますよ。
仕組みを考えて乗り切る
年齢目安:2歳半〜
絶賛「自分でやりたい」期の子どもには、子どもが自分でやりやすい仕組みを作ってみましょう。
例えば服を自分で選びたい子どもには、どの組み合わせにしてもおかしくならないトップスとボトムをそれぞれ3種類くらいカゴに入れておきましょう。数を絞ると子どもの目があちこちに行って時間がかかるのを防げますし、柄オン柄のあちゃ〜なコーディネイトを避けられて良いです。
子どもがいつも選ぶお気に入りがあれば、積極的に入れておきましょう。自分で着やすいようにシンプルなデザインのものを選ぶのも良いですね。
靴や上着も子どもが自分で履きやすい・着やすいものを選ぶと良いです。靴なら足を入れやすいスリッポンタイプやマジックテープで留められるものが良いでしょう。上着も金具の着脱が簡単なものが良いと思います。全てを一人でするのは難しいと思いますが、なるべく大人がやってあげる部分が少なくなるように配慮できるといいですね。
子どもができたことは「わー、今日は自分でできたね、よかったね!」と喜びを分かち合いましょう。「できた!」と実感することは子どもにとって自信つながりますし、徐々に手伝いが減るぶんだけ大人にとっても時短になります。
子どもが使う物・場所はいま一度「子どもがやりやすい仕組みになっているか?」という視点でチェックしてみるといいですね。
ポジティブワードで乗り切る
年齢目安:2歳半〜
「〜しなさい」「〜しないとダメ」「〜しないと〜だよ」などのネガティブな言葉より、子どもが動きたくなるポジティブな言葉を選んでみましょう。
子どもにやり方を提案するときには「こうしなさい」より「こうするとやりやすいよ」というと子どもが受け入れやすくなります。急いで欲しいときは「早くしないと間に合わないよ」より「早くついたら、少し遊べるかもしれないよ」と楽しみが芽生えるように。ちょっとした言い方がやりたい気持ちを後押しします。
ビジュアル化で乗り切る
年齢目安:3歳〜
視覚優位の幼児期は言葉よりも絵の方が理解しやすいので、私の勤務先ではこんなものを用意しました。朝の支度で何をするのか子どもが自分で確認できるカードです。
1. 室内履きを履く 2. カバンから印押しノートを出す 3. カバンを棚にしまう 4. ノートに印押しする という流れをビジュアル化しています。まだ文字が読めない子ども用に作ったものなので、絵のみで表現しています。
大人が「次はこれをしなさい」と言わない代わりに「次は何かな?」と絵を見るように促します。子どもと一緒に「ここまでやったね、じゃあ次は何かな?」と確認しても良いでしょう。子どもが自分でできるようにサポートしながら、自主性を育てる工夫です。
そのうち順序を子どもが覚えてしまえば、これも不要になります。長い休み明けなどに順序を忘れている時には、また自分で見れば良いのです。
家庭でも決まった順序で行うものがあれば、ビジュアル化してみてください。項目は少なめに、3歳児向けなら4、5個がちょうどいいと思いますが、年齢が上がればもっと多くしても構いません。
ゲーム化で乗り切る
年齢目安:3歳〜
単純なことですが「ママとどっちが早いかな?よ〜いどん!」などと楽しくなる声がけをしてみましょう。大人が明らかに手加減をしていても、子どもは自分が勝つととても喜びますので、「おっ、早いね〜、お兄さんさすがだね〜」と少し持ち上げてみても良いかもしれません。
※やりすぎると体の動きだけ早くなって支度がさっぱり進まないので、その点に注意です
いかがでしたか?いずれにしても大変な朝に変わりはないかもしれませんが、うまく行かなくてもともと。ちょっとでも前進したら成功!と期待値を少し低めに設定してみましょう。応援しています!