【カブトムシの卵と幼虫】孵化(ふか)の方法、幼虫の育て方
飼っているカブトムシが産卵した、あるいは産卵させて幼虫から育てたいという人に向けて、カブトムシの産卵から成虫になるまでの飼育方法を紹介します。
産卵させたいなら
カブトムシを産卵させたい場合、オスとメスを1匹ずつ飼育ケースに入れましょう。基本的な飼育法は、1匹で飼う場合と同様ですが、メスがマットに潜って卵を産みつけやすいようにマットは深めに入れます。目安としてはケースの7割ほどです。
エサは1匹に1つずつ入れてあげましょう。大体の場合はマットの中に卵を産みますが、まれに昆虫ゼリーの中やマットの上に産むこともあるのでケースの中を注意深く観察しましょう。
生き物なので必ずしも産卵するとは限りませんが、大体1週間~2週間で卵が確認できます。
産卵から孵化まで
カブトムシの産卵時期は環境に左右されますが、8月から9月ごろの夏の間です。卵は3〜4mmの大きさで、産んだばかりのものはきれいな白色です。触ると柔らかく傷つきやすいので慎重に扱いましょう。
個体差がありますが、1回の産卵でおよそ20〜30個ほど産み、孵化率は一般的に50〜60%と言われています。繁殖させたいのであればきちんと準備をしておく必要がありますね。
産卵したままにしておくと成虫に踏まれることもあるので、卵は昆虫マットを入れた別の容器に保護しましょう。卵の移動にはスプーンを使うと便利ですよ。
約10日〜14日程で孵化します。卵を見つけた時点で数日経っている場合はすぐに孵化するかもしれません。産卵して数日経つと少し黄色く、5mm程の大きさになり、孵化直前には幼虫の体がほんの少し透けて見えるようになります。ワクワクの瞬間ですね!
孵化しなかった卵は茶色になり、カビが生えることもあるので取り除きましょう。
幼虫の育て方
無事に孵化したらいよいよ幼虫を育てます。
餌となるマットが乾燥しないように注意し、マットが糞で汚れたり、カビが生えたりしたら交換します。容器が小さくなってきたら大きめのものに移してあげましょう。
容器がない場合におすすめなのがペットボトルを使った育て方です。
ペットボトル(1リットルの丸型)、セロハンテープ、ビニールテープ、ペーパータオル、輪ゴムがあれば簡単にできるので参考にしてみてくださいね。
■ペットボトル飼育の方法
1.ペットボトルの上から10cmくらいの切りやすいところにビニールテープを貼り、カッターで切り込みを入れてハサミで切る。
2.切り口にセロパンテープを貼る
3.ペーパータオルでかぶせて、輪ゴムで止めて完成!
幼虫の時期はとても大切
9月ごろに孵化したら、翌年5月頃までは幼虫として土の中で過ごします。6月くらいに蛹になり成虫になるので、およそ270日くらいは幼虫の期間なのです。
成虫の大きさは幼虫時代にどれだけ餌を食べて大きくなったかで決まるので、この幼虫の時期はとても大切です。しっかりと管理し見守りましょう。
幼虫の特徴
カブトムシの幼虫は脱皮ごとに初令・二令・三令と3段階で成長します。生まれたばかりの幼虫が初令幼虫で体長は1センチ程。7~10日程で脱皮し一回り大きい二令幼虫に。その後20日前後で三令幼虫になり、春に蛹になるまで三令幼虫で過ごし、4~10センチ程までに成長します。
幼虫の育て方の注意点
マットの中は清潔に
マットの中が糞などで汚れると幼虫がマットの上に出てきてしまうことがあります。マットは汚れたら新しいものに交換しましょう。
マットの発酵に注意
昆虫マットに含まれている枯葉や木を微生物が分解するときに炭酸ガスを出します。容器の通気性が悪いと炭酸ガスのせいで幼虫がうまく呼吸できなくなるので、容器の蓋に小さな穴を開けるなどして通気性をよくしましょう。これは新しいマットに交換した直後によく見られる現象なので、手間はかかりますが、マット交換のときに一度マットを広げてガス抜きをすると安心ですね。ガス抜きの方法は、ほとんどの場合昆虫マットの袋にも記載されています。
体が変色していたら死んでいる可能性が高い
幼虫は死ぬと体がしぼんで黒く変色します。逆に変色していなければ動かなくても生きている証拠なので、そっと見守りましょう。
幼虫から蛹を経て成虫へ
春になったらいよいよ蛹になる準備に入ります。温かくなりはじめる3月~4月頃に幼虫の白い体が少し黄色くなるのは順調に成長した証です。
5月頃になると自分で蛹室を作って蛹になっていくので、幼虫を刺激しないためにもマット交換はストップします。最初は綺麗な飴色をしている蛹ですが、徐々に成虫の黒色になっていきますよ。蛹はデリケートなのでなるべく動かさないで観察しましょう。
個体差はありますが、蛹から成虫になるまで大体2週間~1か月かかります。羽化(うか)したばかりの成虫の体は柔らかく数日間はじっとしているので、体がしっかりするまではなるべく触らずそっと見守ることが大切です。成虫が自分で動き回るようになったら成虫用の飼育セットに移しますが、まだ成熟しきっていないので優しく触りましょう。
カブトムシの一生
カブトムシの一生を簡単にまとめると、以下のような流れになります。
・夏のはじめに地面から出てくる
・夏、オスとメスが交尾をし産卵(成虫は冬までに死ぬ)
・2週間程度で幼虫が産まれる
・腐葉土を食べて育つ
・翌春の終わりに蛹になる
・夏のはじめに成虫になる
書籍や図鑑により詳しく書かれていますので、ぜひ読んでみてくださいね。わが家ではこの書籍を何度も読みました。
生命の神秘を間近で感じよう
いかがでしたか? 今回は、カブトムシの卵と幼虫について解説しました。孵化や羽化の瞬間を目の当たりにすると、子どもはもちろん大人も感動しますよ! 生き物なのですべてがうまくいくとは限りませんが、この記事を参考にぜひ生命の神秘を間近で感じてみてくださいね。
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