子どもは草花がお好き?モンテッソーリ流・散歩の達人になるには
春の散歩道には色とりどりのお花がいっぱい!モンテッソーリ子供の家の教室から、親子で楽しめる花の観察方法や楽しみ方を紹介します。
春の散歩道には草花がいっぱい!
今年は暖冬の影響からか、花の開花が早いようです。子どもたちと歩く散歩道にはすでに色とりどりに咲いた花が咲いています。公園にも春の草花が芽吹いていますが、道端にもたくさん植物が見られています。
川津桜
都内ではもう桜が咲いていました(2020年2月中旬時点)。川津桜は1月下旬から2月にかけて咲く早咲きの種類ですが、これからのシーズン本番を予感させます。
パンジー
パンジーは寒さに強く品種改良によってさまざまな色があるので、冬のガーデニングによく用いられます。園芸種ですが、最近は野草化して道端に咲いていることもあります。
ツルニチニチソウ
こちらもガーデニングでグランドカバーに使われているのをよく見かけます。都内では公園の植栽でも定番種です。繁茂力が強く、ツルがどこまでも伸びています。薄紫色の可憐(かれん)な花が咲きます。
嗅いでみよう!触ってみよう!
草花の観察にも、ぜひ五感を使って。春の代表的な花、梅や桜はとても爽やかな香りがします。ミントやローズマリーなどハーブ類も独特な香りがします。散歩中に草花の香りがしたら、子どもと一緒に嗅いでみてください。
花の形にも注目してみましょう。花弁は丸いか、とがっているか。特徴を見てみましょう。フカフカして気持ち良い感触のする葉もありますので、触ってみるのもいいかもしれません。
観察するときは、注意すべきことも一緒に伝えます。「草花も生きているから、大事にそうっと触ってみようね」と、大人が実際に触り方を見せてあげると、子どももマネをして大事に触れ合うことを覚えます。反対に、トゲがある植物など触らないほうが良いものもありますので注意してください。
年中や年長児の以降なら、見つけた草花の種類や名前を調べてみましょう。今は携帯に便利なハンディサイズの図鑑も多いのでぜひ活用してみてください。
私の場合は、散歩中に道端に咲いている名前もわからないような野草が気になります。子どもが登園途中で見つけて摘んできては、「先生これなあに?」と聞いてくることが多いからです。
公園に行く途中の道でも、大人が気づかずに通り過ぎてしまうようなごく小さな草を見つけては「これなんだあ?」と言って注目します。何かわからない実を拾ってくることもあります。
調べてみよう
自主的な調べものはモンテッソーリの定番とも言えますが、植物についても子どもたちとよく学んでいます。
私の勤務先の「子供の家」でも、花・葉・種・樹木など身近な植物の構造や、部分の名称とその働きを調べる活動をよく行っています。図鑑や模型などの教材を用いて学んだ後は必ず外に出てフィールドワークを行います。自分で見つけた草花を使って、本で得た知識がほんとうなのか確かめる作業です。
子どもが興味を持っている時には、見つけた草花を図鑑で調べてみることにしています。調べてもわからない場合もありますが、そんなときは「先生も調べるから、あなたも家でもう一度調べて分かったら教えてね」と声をかけています。
おすすめの図鑑
調べものには、こんな図鑑を使っています。
道端によくみられる植物を季節に分けて紹介しています。ハコベやナズナなど、いわゆる雑草の類までのっています。
さまざまな野草を色ごとに分けてインデックスされています。香りや感触など、楽しみポイントも掲載されているのが特徴です。写真が多く、子どもにも見やすいです。
今日見つけたツルニチニチソウを『色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑』で調べてみます。
一度調べると、だんだん調べものがクセになってきます。道端で草花を見る目も変わってきますよ。
飾って楽しもう
「子供の家」では花瓶に花を生けて飾っていますが、毎朝水換えをしているのは子どもたちです。茎を少し切って水を吸い上げやすくすることによって、花を長く楽しめます。
先日は庭で玉竜の種を見つけました。玉竜と聞いてピンとくる人は少ないかもしれませんが、どこにでもよく見かけるあの植物です。
どうですか?見たことがありませんか?もしかしたら、あまりによくある植物すぎて見落としているかもしれませんね。玉竜はユリ科の植物で年中緑色を保ち、繁茂しやすい種類なので、園芸ではグランドカバーによく用いられます。
普段は見過ごしがちな小さな草花も、よく見ると新たな発見があるかもしれませんね。ぜひ子どもと散歩しながら探してみてください。