子どもの信頼を失う親の「NG言葉」4パターン

子どもの信頼を失う親の「NG言葉」4パターン

親ならば、子どもから信頼されたいもの。あるいは、信頼されて当たり前だと考えている人もいるかもしれませんね。しかし現実はなかなか厳しく、「自分の親のことなんか、信頼できない!」と考えている人は、大人でも少なくありません。
子どもとの信頼関係ができていないと、幼児期はもちろん、学童期、思春期に至るまで、子どもとの関係で悩んでしまうこともあります。今回は心理カウンセラーの立場から、子どもの信頼を失ってしまう親の「NG言葉」についてご紹介します。

「いい子にしてなかったら、〇〇してあげない」

まずは親がやってしまいがちな「条件つき」の声がけから。これは、「子どもが親の言うことを聞いたら、子どもにとって利益のあることをしてあげる」というものです。
これは、大人が案外やってしまいがちなことです。たとえば「静かにしてなかったら、おやつあげないからね」という言葉。ささいなレベルの話なので、大人はしばしば、こんなことで子どもに言うことを聞かせる方法として使ってしまうのです。
ところが、子どもにとっては「いい子にしていなければ、親が自分を愛してくれない」という条件提示にほかなりません。これが常態化すると、親子は信頼感ではなく条件によって結びつくようになるため、親を信頼しないようになります。
■たとえばこんな伝え方を⇒「いい子にしてくれると、ママうれしいな」

「やっぱりやめた(ムリ)」

続いて、親が最初に言ったことを覆してしまう「やっぱりやめた!」「やっぱりムリ!」という言葉も見逃せないNG言葉です。
これは、「夕飯はあなたの好きなミートボールにしましょう」とか、「明日は公園に行こうね」などという、簡単な約束をした時に起こりがちです。親が思ったよりも忙しかったりして、子どもに対して約束をしたとおりの対応ができないことは、ままあります。時間が足りず公園に寄れなかったりもするでしょう。
そんなときに「やっぱりやめた!」と言って、子どもとの約束を反故にすると、子どもは「自分との約束は守ってもらえない」「この人は、自分にした約束を守ってくれない人だ」という認識をするようになります。
ですから、万が一約束を守れないことがあるならば、子どもに対して、大人と同じようにちゃんと謝った上で、埋め合わせとして次の約束をして、きちんと守るなどの対策が必要です。
大人は子どもを見くびって「これくらいの約束を破っても、たいしたことはない」と判断してしまいがちですが、子どもはちゃんと大人のことを見ていて、信頼性の有無を積み重ねていくのです。
■たとえばこんな伝え方を⇒「ごめんね、今日約束を守れないのは〇〇〇という理由なの。明日必ず守るからいいかな」

「あなたのためよ」

これもよく使う人がいると思いますが、子どもの信頼をかなり損なうので気をつけたいフレーズ。
もちろん、大人から子どもに向けてのアドバイスや指導は、どれもこれも子どものためを思うがゆえ。しかし、実は真意を突き詰めると子どものためではなくて、親自身のために言っているのに、そのことに気づいていないだけという側面があります。
そして子どもはそのことを、しっかりと認識しています。「あなたのためよ」という言葉は相手を抑圧し、支配するための言葉です。徐々に支配されていくことを本能的に理解する子どもは、それに支配されるにしろ、抵抗するにしろ、「あなたのため」という言葉を欺瞞(ぎまん)であると受け取り、親のことは信頼できない!と判断していきます。
■たとえばこんな伝え方を⇒「〇〇ができたら、きっと楽しいよ!」など本人にとってプラスになることを分かりやすく

「こっちのほうがいいんじゃない?」

子どもに「どれがいいと思う?」と選ばせたり、「どうしたらいいと思う?」と子どもの意見を出させたりすることがあります。子どもに考えさせ、成長させるためには必要な過程ですが、子どもに選ばせたなら、同時にその選択を尊重することも必須です。
子どもが選択しているのに、その選択を無にするような言葉は、子どもからの信頼を大きく失います。「どれがいい?」と聞かれて子どもがAと答えているのに、親の考えではBのほうが良かった場合に、「Bのほうがいいんじゃない?」と押し切られてBを選択せざるを得なくなる…そんな事態を数多く経験すると、子どもは親に対して、自分の意見を無にする人という見方をするようになるでしょう。
基本的に子どもに選択をさせた時は、その選択を尊重し、たとえ失敗しても「やり直せば大丈夫!」「失敗してもいいんだよ!」と伝えたいものです。

小さなところから信頼は作られる

親と子どもの信頼は、大人が軽視してしまいがちな小さなところから、積み重ねて作られるものばかり。親が「これくらいのこと」とか、「よかれと思って」としていることが、裏目に出てしまう部分もよくあるので注意したいですね。
冷静に考えてみると、子どもを裏切る行為が信頼を損なうことにつながっています。これまでの自分の言動を思い返して、気になることがあれば、今からひとつずつ修正していくことが今後の親子関係を変えていくと思います。

ライター

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心理カウンセラー、占い師 あん茉莉安

ふたりの女子の母。専門はスピリチュアルと発達心理学。得意分野は幼児教育、習い事、小学校お受験、中学受験など。趣味は歌とバイオリン。教員免許、図書館司書、学校図書館司書の資格をもっています。占いやパワーストーンを通してさまざまな癒しを皆さまへお届けしています。

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