専門家に聞く!「いざというとき」家族を守れるようにするには?備えておこう!親子のための防災対策

専門家に聞く!「いざというとき」家族を守れるようにするには?備えておこう!親子のための防災対策

災害は、いつ起こるかわかりません。もし今、突然大地震に襲われたとしたら、家族を守る備えはできていますか? 幼い子がいる家庭だからこそ必要な防災対策を、災害時の母子保健システムに関する研究者であり、6人のお子さんを育てるママ産婦人科医でもある吉田先生にお聞きました。
※この記事は小学館「ベビーブック 2024年10・11月合併号」の内容を掲載しています

教えてくれたのは

吉田穂波先生の画像

医師・医学博士・公衆衛生学修士

吉田穂波先生

神奈川県立保健福祉大学大学院ヘルスイノベーション研究科教授。東日本大震災では産婦人科医として被災地で妊婦や新生児の支援に携わる。4女2男の母。著書に『頼るスキル 頼られるスキル 受援力を発揮する「考え方」と「伝え方」』 (角川新書)など。

乳幼児や妊婦は「少数派」 だからこそしっかり対策を!

幼い子を育てるご家庭では、災害が起きた場合の不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。乳幼児や妊産婦は、災害が起きた際に配慮が必要な「災害時要配慮者」ですが、ほかの要配慮者に比べて圧倒的に数が少ないという現状があります。

そのため、いざというときに配慮が必要だと気づかれにくく、また、どのような配慮が必要なのかも知られていません。だからこそ自分たちでもしっかりと備えておく必要があるのです。

防災対策は、 「モノを備える」だけじゃない

「防災対策」というと、非常食など「モノ」を備えるというイメージが先行するかもしれません。もちろん、子どもがいる家庭では、おむつや離乳食など、大人とは異なる必需品が多いので、物資も重要です。

しかし、今の時代に最も大切なのは「情報の備え」です。情報があふれる社会で日常生活を過ごしている私たちにとって、正しい情報を得られないことによる不安がとても大きいからです。物資、情報も含め、必要な5つの備えについて、次のページから詳しく見ていきましょう。

ママたちの災害体験記

東日本大震災でのママたちの体験談の一部を紹介します。幼い子どもを抱えて実際に被災したママたちの体験から、家族を守るために備えておくことがいかに大切か、痛いほどに伝わってきます。

宮城県石巻市/匿名ママ

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子どもに備蓄していたカンパンをあげたけれど、すぐに吐き出した。物資が来ても、まずいと絶対食べない! でもお腹はすいて、泣き叫んで、とてもかわいそうでした。普段から食べ慣れたものを防災リュックに入れておけばよかったと後悔しました。

宮城県東松島市/匿名ママ

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停電になったので、テレビがつかず、ラジオも持っていなかったので、自分が置かれている状況はもちろん、震度すらわからなかった。

宮城県石巻市/匿名ママ

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携帯電話の電池がなくなり、登録してある電話番号がわからなくなって、周りと連絡が取れなくなりました。

宮城県石巻市/匿名ママ

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私は何も準備していなかったので、うちの子には食べ物を何もあげられませんでした。避難所のとなりのシートで、食べ物を食べている子を見て、子どもがぐずり、「私が備えていれば…」と申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

宮城県東松島市/匿名ママ

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1人はおんぶ、もう1人は抱っこで逃げました。子どもの人数に合わせて、逃げ方を考える必要があると感じました。

出典:ママのための防災ブック『その時ママがすることは?』一般社団法人 Smart Supply Vision

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