専門家に聞く!「いざというとき」家族を守れるようにするには?備えておこう!親子のための防災対策

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専門家に聞く!「いざというとき」家族を守れるようにするには?備えておこう!親子のための防災対策

災害は、いつ起こるかわかりません。もし今、突然大地震に襲われたとしたら、家族を守る備えはできていますか? 幼い子がいる家庭だからこそ必要な防災対策を、災害時の母子保健システムに関する研究者であり、6人のお子さんを育てるママ産婦人科医でもある吉田先生にお聞きました。
※この記事は小学館「ベビーブック 2024年10・11月合併号」の内容を掲載しています

「いざというとき」に備えて 始めてみよう! わが家の防災対策5つの備え

災害時に必要なものは、家族構成や住んでいる地域、住居形態などそれぞれの家庭ごとに異なります。
ここで紹介する5つの備えを基本にしながら、わが家に必要な対策について、家族で話し合ってみましょう。

1.「情報」を備える

最も重要な情報の備え。スマホの充電切れやインターネットに接続できなくなることを前提に、アナログでも備えておきましょう。

□ 連絡先
家族や助けてくれる人の連絡先をメモしておきましょう。遠方なら電話が通じることもあるので、遠方に住む人の連絡先も控えておくこと。

□ ハザードマップ
自治体が配布するハザードマップや防災冊子などを確認しておきましょう。住んでいる地域で起きる可能性がある災害ごとに、想定される被害の範囲や程度、避難ルートなどが記されています。

□ 健康情報
出生時の情報やワクチン接種記録、アレルギーの有無や飲んでいる薬などを控えておくこと。

2.「物資」を備える

大地震が起きた場合、ライフラインがストップすると想定される1週間を乗り切るための物資を備えておく必要があります。そのすべてを一度に避難先に持っていくことは不可能なので、下の4つの分類に沿って準備するといいでしょう。

1次避難バッグ、2次避難バッグともに、避難中にはぐれることも想定して、1人1個用意しましょう。

4つの「防災物資」

1次避難バッグ
避難する際にすぐに持ち出すバッグ。基本は「持てる・使える・助かる」。子どもを抱っこしても持てる重さの範囲で、オムツ、おしりふきなど生活必需品や命を守るものを優先して入れましょう。

2次避難バッグ
一時帰宅の安全が確認できたら取りに戻り、持ち出すためのバッグ。携帯トイレや追加の非常食など、1次バッグに入りきらなかった必需品を入れます。備蓄の延長で備えておくといいでしょう。

携帯避難ポーチ
外出中に災害が起きた際に備えて、懐中電灯やホイッスル、非常食など、非常時に最低限必要なものを常時持ち歩きましょう。小さいポーチにまとめてマザーズバッグなどに入れておけば安心です。

家庭備蓄
避難所での生活は親子ともにストレスが多いため、自宅の安全が確保されている場合は在宅避難のほうが安心です。生活に必要なものを1週間分備蓄しておきましょう。

“わが家流” 避難バッグの中身チェックリスト

必要なものは、家庭によって少しずつ異なります。以下のリストを参考に、3つに分類してそれぞれに何を入れたか把握しておきましょう。

※チェックリスト部分はコピーするなどして保管しておきましょう。

・在宅避難に備えて、家庭備蓄を準備しよう

日ごろ使うものを多めに買っておき、「使っては買い足す」を繰り返しておくと無理のない備蓄(ローリングストック)ができます。

□水
□非常食
□カセットコンロ/カセットボンベ
□簡易トイレ
□照明
□携帯ラジオ 
□体ふき用ウェットタオル
□ドライシャンプー
□新聞紙

3.「行動」を備える

「いざというとき」にパニックにならないよう、平時からさまざまなケースについてシミュレーションし、確認しておくことが大切です。

□ 発災直後の行動をシミュレーションしておく

〈地震〉
できるだけ安全な場所に移動し、子どもの頭をかばうように抱きかかえ、自分の安全も守れる姿勢で揺れが収まるまで待ちます。家族や助けてくれる人の連絡先をメモしておきましょう。遠方なら電話が通じることもあるので、遠方に住む人の連絡先も控えておくこと。

〈洪水・土砂災害〉
高齢者等避難や避難指示が出たら、指示に従い避難します。

※高齢者等には、妊婦さんやこどもなど、避難に時間を要する人や避難支援が必要な方が含まれます。

□ 家族の連絡手段、集合場所を確認しておく
お互いの電話がつながらない場合に備えて、災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板(web171)の使い方を確認しておきましょう。別の場所にいた場合はどこに集合するかも決めておくと安心です。

□ サポーターをお願いしておく
自分たちだけで乗り切ることができない場合もあるので、困ったときに頼れる人、助けてもらえる人にお願いしておきましょう。その情報を家族間で共有しておくことも大切です。

4.「安全」を備える

自宅で災害に遭遇した場合に備えて安全対策も大切です。棚を突っ張り棒やL字金具で留めたり、家具の下に転倒防止板を敷くなどして、家具転倒を防ぎましょう。窓ガラスやガラス製の扉には飛散防止フィルムを貼りましょう。開き戸の棚には開閉防止のロックをつけると安心です。

ほかにも、テレビや電子レンジの下には粘着性マットを敷いてせり出しを防止したり、吊り照明器具は補助ひもで補強して落下を防いだり、冷蔵庫を転倒防止ベルトで壁に固定するなど、家庭に合わせて必要な対策を!

5.「つながり」を備える

災害時に頼りになるのは「ご近所さん」です。いざというときに備えて、ゆるやかな近所のつながりがあると安心です。

地域や町内会などで行われる防災訓練に参加しておくといいでしょう。避難所の情報など避難時の対応がわかるだけでなく、地域の人と顔見知りになれる絶好の機会です。困ったときに助け合える人や頼れるサポーターに出会えるかもしれません。防災訓練の情報は、町の掲示板をチェックしたり、自治体に問い合わせてみるといいでしょう。

「人に頼るスキル=受援力」を身につけよう

困っていても助けてもらうことが苦手な人が多いようです。しかし、災害時に幼い子を抱えて自分たちだけで乗り切るのは難しいでしょう。

人には「誰かの役に立ちたい」という気持ちがあるので、あなたを助けることによって相手の自己肯定感が上がります。だから、罪悪感を抱く必要はありません。日ごろから「助けてもらうこと」を受け入れるよう意識してみてくださいね。

イラスト/石崎伸子 デザイン/平野 晶 文/洪 愛舜 構成/KANADEL

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