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「自分でできる」がどんどん増える 生活習慣スイスイ大作戦

「自分でできる」がどんどん増える 生活習慣スイスイ大作戦

新生活が始まった春。特に入園まもないご家庭は、わが子の生活習慣が気になりますよね。
まだひとりでできないあれこれについて、親はどう関わるとスイスイできるようになるのでしょうか?
テレビやYouTubeでも人気のカリスマ保育士てぃ先生に聞きました。

イラスト/田仲由佳

教えてくれたのは… てぃ先生
関東の保育園に勤める保育士。子育てや保育に関する役立つ情報をSNS等のメディアで発信。NHK Eテレ「ハロー!ちびっこモンスター」出演。「子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!」(ダイヤモンド社)ほか、著書多数。

幼児は自我の成長途中 お願い通りには動かない

 親は子どもに「○○して」と言ったら、すぐにその通りに動いてくれることを期待してしまいがちですよね。ですが、実際には、いつでもお願い通り動くという子はほぼいません。
 幼児は自我が芽生えてから、まだ2〜5年ほど。どんどんやりたいことを思い付くし、自分の中で「次は○○をやろう」と予定を決めていることもあります。だから、親が急に「○○して」といっても「ヤダ」となるのが当たり前。そのたびに、説得したり、叱ったり、おだてたりしていては、親も疲れてしまいます。

ルーティンが定着すれば ちゃんとやりたくなる

 ですから、日常生活でやらなければいけないことは、ルーティン化するのがベスト。例えば「寝る前には、歯磨きをしてから絵本を読む」といったルーティンができているご家庭もあるでしょう。それと同じように、面倒なことでもルーティンが定着すると、子どもの中に「ちゃんとやりたい」「やらなきゃ」「ママ(パパ)に言われなくてもできる」といった気持ちが芽生えてきます。定着までには時間も手間もかかりますが、子どもがスイスイ動けるようになることを目指して見守りましょう。

ちょっとの工夫でスムーズに! ルーティン定着の3つのポイント

まず「なぜ子どもがやらないのか、できないのか」を理解しましょう。
この3つのポイントはさまざまな場面で応用できます。

Point1 親がルーティンを崩さない

 子どもはルーティン(やること・順番・やり方など)が決まっていないと、うまく動けません。特に難しいのは朝。夜は、「帰宅→夕食→お風呂→歯磨き→絵本→寝る」といったルーティンが定まっていることが多いのですが、朝は「ごはんを食べたくないなら先に着替えて」「着替えたくないなら歯磨きを先に」など、親が「とにかくできるものからやってほしい」とルーティンを崩してしまいがち。すると、子どもの中にルーティンが定着せず、いろいろなものに興味が移って、やるべきことがスムーズにできない、となってしまうのです。ルーティンは、子どもの都合でなく、「親の時間がなくなったとき」に崩れやすいので、ギリギリの予定を組まないように心掛けましょう。

Point2 目標はスモールステップに

子どもから見たときに目標が遠く、大きすぎると、やる気が湧きません。目標まではスモールステップにしましょう。例えば、食欲がない時に「これ全部食べようね」とたくさん出されると、子どもにはゴールが遠すぎて、食事が始まった瞬間から集中力が切れてしまいます。食べる量は少なくしておき、もっと食べたければおかわりすればOKとしましょう。「今日は食べなくていい」とするとルーティンが崩れて「次の日も食べない」となってしまうので、やるべきことのハードルだけを下げるのがコツです。
 片付けも「全部きれいに片付けて」ではなく「まずは積み木をしまおう」とスモールステップで。その時の機嫌や様子を見てハードルの高さを調節しましょう。

Point3 やることを可視化して分かりやすく

 子どもが守れるように工夫することも必要です。子どもは今やるべきことが分からないと、おもちゃで遊びだしたり、関係ないことを始めてしまったりしがち。ルーティンは言葉だけでは理解しにくいので、できるだけ可視化しましょう。例えばやるべきことがイラストで描かれている「おしたくボード」があれば、やり終えたことと、これからやるべきことが分かりやすくなります。おしたくボードは手作りでもいいですし、通販などでも購入できます。
 この他、ブロックをしまう箱にブロックのイラストを付けたり、「時計の針がになるまでに着替えよう」というときにの位置にシールを貼ったりするのも、おすすめの可視化の例です。

ライター

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こどもりびんぐ &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

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