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どう決めればいい? 子どもと動画のルール
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あんふぁん読者にアンケートをしたところ、子どもに動画を「ほぼ見せていない」という人はわずか2%!
今や動画は、子どもの生活と切り離せないものになっていることが分かります。
そこで気になるのが視聴ルール。家庭でどう考えればいいか、「子どもと動画」に詳しい松田直子さんに教えてもらいました。
こんなとき、どうすればいい? 読者のギモンQ&A
読者アンケートで多く挙がった動画視聴の疑問について、どうすると良いか、松田さんに教えてもらいました。
Q. やめてほしい時間でやめられない
A. 終了前に予告して心の準備を。約束を守ったら褒めて
まずは終了時間を約束しておくこと。そして終了が近づいたら「あと5分だよ」「このお話が終わったらおしまいだよ」などと予告し、子どもに心の準備をさせるのがコツです。そして約束の時間になったら、きっぱりストップを。約束を守れたら「よく守れたね」と褒めると、うれしくなって「次もがんばろう」と思ってくれるでしょう。動画の後に何をするかも大切なので、前ページのコラムで紹介した「子どもとやることリスト」もぜひ活用してください。
Q. 動画で知った汚い言葉をまねする
A. 禁止したり、叱ったりせず「私はイヤだな」と伝えましょう
これは昔からあること。長くは続かないことがほとんどですが、親は気になりますよね。「そんな汚い言葉遣いはやめなさい」と命令したり、叱ったりしても受け入れないので、主語が私の「Iメッセージ」で自分の意見として伝えましょう。「私はあなたがそういう言葉遣いをするのが好きじゃない」「みんなが言っていても、私はイヤな気分になるよ」など、汚い言葉が出るたびに伝えていけば、「ママ(パパ)はこういう言い方はイヤがるよな」と、いずれ言わなくなります。
Q. 上の子が動画を見ていると、下の子も見てしまう
A. きょうだいで楽しめるコンテンツに絞りましょう
これもよくある話ですね。なかなか難しい問題ですが、きょうだいが一緒に見ても心配のないコンテンツに絞るしかないでしょう。きょうだいで楽しめるコンテンツもたくさんあります。ちなみに流行のアニメなどは「下の子にはまだ早いかも」と必要以上に不安にならなくても大丈夫。多少残虐なシーンがあったとしても、子どもは架空の話だと理解できます。親も一緒に見て感想を話したり、「これはアニメの話だからね」などコミュニケーションをとっていれば、悪影響はあまりないでしょう。
Q. 見せたくない動画や広告を勝手に見てしまう
A. 子ども向けコンテンツのみの「YouTube Kids」を利用して
子ども向けコンテンツ限定のYouTube Kidsがおすすめです。広告は審査を通過したものに限定され、初期設定で自動再生はオフ。見てOKなもの、NGなものを親が判断して追加・削除することもできます。通常のYouTubeを利用するなら、アカウントの「設定」→「アカウント」→「制限付きモード」をオンにし、成人向けコンテンツを排除して。ただ、このフィルタリングは完璧ではないので、自動再生はオフにしておくとよいでしょう。
one point スマホは、公共の場で静かにしてほしいときの“最終手段” に
電車やバス、病院、冠婚葬祭などでは、スマホで動画などを見せて静かにしてもらうこともあるでしょう。でも、「静かにするときはスマホ」が習慣化して、「スマホがないと静かにできない子」になってしまうと困りますよね。公共の場やセレモニーは、なぜ静かにしないといけないのかを学ぶ、大切な場面でもあります。まずは騒いではいけない理由を教える、おもちゃやお菓子で落ち着かせるなど、できるだけのことをしてみましょう。それでも周囲に迷惑をかけてしまう場合には、最終手段としてスマホを登場させて。親として努力した後なら、動画に頼っても後ろめたさを感じる必要はありません。
松田さんからメッセージ 動画やスマホは「使い方次第」。親が「良い使い方」をしましょう
動画やスマホが悪者にされがちなのは、親子のコミュニケーションが阻害されるから。確かに動画のせいで親子の会話が乏しくなれば悪者ですが、逆にコミュニケーションが促進されれば、良いものということになります。つまり動画やスマホそのものに善悪はなくて「使い方次第」。親が良い使い方をしていれば、子どもも良い使い方ができるようになるでしょう。そこで私たちのNPO法人では、子育て中の保護者に「スマホの7つの約束」をお伝えしています。これは決まり事ではなく、「参考になれば」という気持ちで作ったもの。よければ参考にしてくださいね。
スマホの7つの約束
1 1日の利用時間を決めましょう。1日何分まで、夜何時まで
2 寝る時にはできるだけ本を読むなどして、親子の触れ合いを大切にしましょう。スマホの発するブルーライトの影響で睡眠の質が下がると言われています
3 食事中は会話を楽しみましょう
4 おでかけのときは親子ともできるだけその場の体験を楽しみましょう
5 アプリは保護者が責任を持って選びましょう
6 フィルタリングやセキュリティ対策をきちんと設定しましょう
7 子どものお手本となるような使い方を心掛けましょう