【ひとりっ子の子育て/きょうだいの子育て】どんな関わり方をすればいい?それぞれの良さを引き出すには
きょうだいの子育てひとりっ子でも、きょうだいがいても、日々の子育てでは「どんな関わり方をすればいいの?」と悩むものです。それぞれの環境の良さを生かした子育てをするための方法を、発達心理学の専門家がアドバイスします。
※この記事は小学館「ベビーブック 2024年12・2025年1月合併号」の内容を掲載しています
第一子に対しては期待が高くなりやすい
第一子の子育ては親には初めての経験で、肩に力が入りがちです。例えば、子どもの自主・自立に関して親が「いらだち」を感じた度合いを調べた研究では、ひとりっ子やきょうだいの第一子に対して親はイライラしやすい傾向が見られました。つまり、親は第一子には期待しがちで、期待どおりにならないと「なんでできないの!」という気持ちになりやすいということです。きょうだいの場合は、親が「上の子には早く自立してほしい」と期待することが多く、それが子どもの心に負担を与える可能性も考えられるのです。
きょうだいの有無は気にしすぎなくてOK
子どもが小さいうちは、家庭の中で過ごす時間が長くなるため、きょうだいの有無による影響を強く感じるかもしれません。しかし、入園・入学によって子どもを取り巻く環境は変化していきます。より多くの人々と接しながら新しい人間関係を経験していく中で、きょうだいの有無や生まれ順が子どもに与える影響は次第に薄れていくといえるでしょう。おうちの方は、「ひとりっ子だから」「上の子だから」「下の子だから」という見方にとらわれすぎずに、その子の個性に合った関わり方を心がけていきましょう。
Q&A ベビーブック世代のおうちの方が気になること
Q.きょうだいの年齢差は、 子どもの育ちにどう影響する?
A.年齢が近いと、子ども同士で遊ぶ楽しさを共有できますが、上の子は「下の子にママやパパを取られてしまう」という危機感から赤ちゃん返りを起こすこともあります。年齢が離れるほど、おうちの方と一緒に下の子のお世話をする関係性をつくりやすくなるでしょう。年齢差に関係なく、上の子にがまんさせすぎない配慮が大切です。
Q.きょうだいが同性の場合と異性の場合で配慮すべき点に違いはある?
A.きょうだいが同性の場合は、異性の場合よりも、おうちの方がきょうだい同士を比較してしまいやすい点に注意が必要です。子どもにしてみると「ひいきしている」と感じることもあるため、きょうだいの一方の言動をお手本にして「○○ちゃんはできているのに、あなたはできていない」と比較する言い方をするのは控えましょう。
ひとりっ子ときょうだいの良さを引き出すには?
子どもはそれぞれに個性豊かな存在なので、「ひとりっ子だから」「きょうだいがいるから」という理由だけで性格を語れるわけではありません。ひとりっ子・きょうだいのそれぞれの基本的な違いを知った上で、良さを引き出す関わり方をご紹介します。
ひとりっ子・きょうだいの違い
ひとりっ子
おうちの方の愛情をひとり占めして大事に育てられることが多い
↓
自己肯定感や自尊心が育ちやすい
家庭では同年代の子どもと接する機会がない
↓
きょうだいがいる場合と比べると社会的スキルが育ちにくいこともある
きょうだい
◆上の子
お兄ちゃん・お姉ちゃんとして周囲の期待に応えようとすることが多い
↓
堅実で、慎重な行動が多い。がまんしすぎることも
◆下の子
上の子や周囲のことをよく見て育ち、親は上の子のときの経験があり、余裕が生まれる
↓
要領がよく、人と関わることも上手になる傾向が。のびのび育ち、冒険心が強くなりやすい
ひとりっ子との関わり方
子どもの性格に応じて人と接する機会を増やす
ひとりっ子の場合、同年代の子どもとの接点が少ないことが心配かもしれません。子どもがあまり人見知りをしないタイプであれば、子育て広場などに出かけて人と接する機会を増やすのもよいでしょう。でも、引っ込み思案なタイプの子を、人が多い場所に無理やり連れていく必要はありません。成長に伴って、それぞれの子のペースで人との接し方を学んでいくことはできるので、おおらかな気持ちで見守りましょう。
おうちの方の愛情を存分に伝えて
ひとりっ子は「あの子はひとりっ子だから」と特別視されやすく、そのことにコンプレックスを感じることもあります。また、おうちの方も「ひとりっ子だとわがままになるのでは」と心配して、少し厳しくしたほうがよいと思うこともあるかもしれません。しかし、“ひとりっ子だから”という理由で子どもの育ちに悪影響が出ることはないので、声かけやスキンシップでおうちの方の愛情をしっかり伝えていきましょう。
きょうだいとの関わり方
上の子には
ほめることで達成感や自己肯定感を高める
下の子に手がかかる時期は、おうちの方は上の子に期待しがちです。しかし、その期待に応えようとがまんしてしまうこともあるので、頑張ったときや、下の子のお世話を一緒にしてくれたときは、「さすがだね」「○○ちゃんのおかげで助かったよ」とほめてあげましょう。達成感を得られるようにすると、自己肯定感を高めることができます。
本人のやりたいことを思いきりやらせてみる
上の子に対して、おうちの方は「失敗をさせないように」との思いから、思いきったことにはなかなか挑戦させない傾向が見られます。しかし、子どもが自信をつけていくには、自分から挑戦してやり遂げる経験をすることも大切です。おうちの方は心配しすぎずに、子どもがやりたいことに思いきり取り組める環境を整えましょう。
下の子には
じっくり集中して何かに取り組む体験を
下の子は、のびのびとした言動が多く見られる傾向にあります。その一方で、のびのびしているあまり、多方面に興味を示して中途半端になりやすい面もあるため、ひとつのことに集中して取り組めるようにすることも大切です。上の子に比べると慎重さには欠けるため、羽目をはずさないように注意を。
上の子・下の子ともに
「あなただけのため」の時間をつくることが大切
親子が1対1で向き合う時間が少ないと、親の愛情が伝わりにくいことがあります。上の子・下の子のそれぞれと「あなただけのため」の時間をつくり、ふたりだけで絵本を読む、お出かけする、お風呂に入るなどして、スキンシップも交えながら「あなたが大好き」と伝えることが大切です。
子どもとおうちの方の相性が合わないと感じるときは
親子関係も人間関係のひとつなので、相性の合う・合わないがあるのは自然なことであり、おうちの方が自分を責める必要はありません。相性が合わないと感じるときは、保育園や子育て支援施設の一時保育・一時預かりを利用したり、休日はパートナーや祖父母などに子どもを預けたりして、一時的に子どもと離れる時間をつくることをおすすめします。少し距離をおくことで、「この子にも意外とおもしろいところがあるな」と、子どもの長所に気づくことも多いものです。
イラスト/ Umito デザイン/平野 晶 文/安永美穂 構成/ KANADEL
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