入学前の学習準備は早期教育ではなく〇〇教育
何歳からでも始められる入学準備、今回は「学習の準備」です。入学と同時にひらがなを書ける子がほとんどいる現状…家で入学前に何をしたらいいのかな? あすか先生の家を一つの例として紹介してもらいます。
早期教育ではなく適時教育という考え方
私はこの「早期教育ではなく適時教育」という考え方考えを大切にしています。例えば、ひらがなを学習するのは小学校1年生です。しかし「言語の敏感期」は「0~6歳」と言われています。敏感期というのはその能力を獲得するベストタイミングと言われています。つまり、ことばに関する能力を獲得するのに適しているのは多くの子どもは入学前なのです。だから早く行えばいい、というわけでもありません。文字が書けることにより絵で表現する機会を失ってしまう可能性もあります。絵も文字も自分の思いを表現する大切なツールの1つです。どちらがいい、ではなく、目の前のわが子を観察していれば、きっと文字に興味をもつタイミングがやってきます。その時が文字を学ぶベストタイミングです。
興味に合わせた学びで楽しく身に付ける
わが家では、娘が3歳のときひらがなに興味をもちました。その時、環境を整えることを意識しました。ポスターを貼ったり、お手紙交換にハマっているので、お手紙で書きたい文字を教えたりしています。しかし五十音全て教えよう!とは思っていません。あくまで入学前、興味に合わせてゆっくりと進めています。
子どもの「興味」を大切に。子どもによって好きなことはまるで違います。外で遊ぶ経験は机に長く座るための体幹や、自分の足で登校し5時間授業を受ける体力づくりにつながっていきます。室内で静かに遊ぶ経験は室内で落ち着いて学習することにつながっていきます。そして自分の好きなことに没頭したその経験こそ、集中力に繋がっていくのです。例えば、わが家の場合、現在はお手紙やおりがみに興味があるので、それを机に向かって行っています。いすに座って遊ぶことを習慣にしていくのです。お子さんの興味に合わせてこうしてた工夫をすることで学習習慣につながっていきます。
わが家で大切にしている「話を聞く」土壌づくり
子どもの興味に合わせた話をしてきましたが、意識的に行っていることもあります。それが「話を聞く」土壌づくりです。園生活では、遊びながら学んでいくことが大切にされているのではないかと思います。学校生活では今まで体験を通して学んできたことを教科書中心とした机上の学習に変わります。先生が話をして、聞いて動いていくことが増えます。先生方も指示を短くするなどさまざまに、子どもが話を聞けるよう工夫をしていると思いますが、家での取り組みも大切だと感じました。
私は、話を聞けるよう2つのことを意識しています。1つ目が読み聞かせです。読み聞かせの効果の1つに長く話を聞くことができる、があります。本を聞いて楽しみながら話を聞く土壌作りができます。2つ目が子どもの話を聞くことです。人は聞いてもらった経験があるから話を聞こうと思うものです。つい忙しくて「まってね」と言ってしまいそうになりますが、子どもの話に耳を傾けることを、意識しています。
入学前に1番大切にしたいのは「楽しみ」な気持ち
数を数える、ひらがなを学ぶ、1年生でやることは1年生になってからでいいのです。入学前の学習準備として私が1番大切だと思うことは、「勉強嫌い」にならないこと。ひらがなを読ませなきゃ…と子どもの興味がない時にやらされることで、「勉強はつまらない」と思ってしまうかもしれません。
私は入学前にそんな気持ちになってしまうことは1番避けたいです。なぜなら脳は、感情が動くと記憶されやすい特性があるからです。だからこそ、勉強が嫌い、というマイナスの感情ではなく、新しいことを学ぶって楽しい、学校ではどんな勉強をするのかな、そんなプラスの感情で入学を迎えられれば十分です。
自分の子だけ取り残されるのではないか…という不安な気持ちも分かります。でも大丈夫です。学校は学ぶためにある場所です。何でもできるようになっていくのではなく、分からないところがあるから行くのです。できないことができる喜びを誰よりも感じられるかもしれない、そう思えば少し安心できるのではないでしょうか。子どもの伸びる力はすごいです。お子さんの「今」の興味に合う学びの時間が過ごせますよう願っております。