幼稚園で友達にケガをさせてしまった…相手への謝り方とわが子への対応
少しずつ新しい環境に慣れてきたこの時期、心配なのは子どもの友達関係ではないでしょうか。
特に活発なお子さんをもつママは友達にケガをさせてしまったらどうしよう…とヒヤヒヤしてしまいますよね。うちの長男も幼稚園時代はたくさん友達とケンカをして育ったので、その気持ち、とってもよくわかります!
それでも私が落ち着いて過ごすことができたのは、幼稚園教諭をしていた経験から、園での対応と親がすべきことを知っていたからだと思います。
そこで今回は、幼稚園で友達にケガをさせてしまった時の相手への謝り方とわが子へ対応についてお伝えします。
園ではケガをした側にもさせた側にも謝罪と報告を行います
幼稚園では、日々子ども達のケンカの対応をしています。ケンカを通して子どもは相手とのコミュニケーション方法を学んでいる最中なので、ケンカ自体は特別なことではないのです。
とはいえ、叩いたり、押したり、ひっかいたり…その拍子にケガに繋がってしまった時は、保護者にお伝えしています。
園には「子どもを安全にお預かりし、園に来た姿で返す」という義務があるからです。ケガをした側にもさせた側にも「止めることができず、申し訳ありませんでした」という謝罪のためにお話します。
ケガをさせてしまった側の保護者は、報告を受けると申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまうと思いますが、園としては保護者を責める気持ちはなく、謝罪と報告の意味で伝えていることを知っておいてくださいね。基本的には園でのトラブルは園で解決していきます。
相手への謝罪は、子どもの気持ちも伝えよう
その日のうちに子どもの見ている前で電話を
相手の子がケガをしてしまった場合は、きちんと相手の親に謝罪をした方がいいと思います。
お互いにトラブルになった理由があるとはいえ、人にケガをさせるのはいけないこと。それをわが子に示すためにも、その日のうちに子どもの見ている前で電話をしましょう。電話番号が分からない場合は、園に理由を伝えて聞いてくださいね。
その際に相手の保護者に伝えることは、
・まずは、相手のケガの様子を聞き、心を込めて謝罪すること
・子どもなりに理由があったことを話すこと
・これから仲良くなりたい意思を伝えること
大切なのは、自分の子の手が出てしまった理由をきちんと把握し伝えることです。わけもなく相手を攻撃する「乱暴な子」「いじわるな子」というイメージをつけないためにも、「〇〇くんと本当は仲良くしたいのに、まだうまく伝えられなくて…」と子どもの気持ちを代弁して伝えてあげてほしいと思います。
経験から考えると、今後、何度も何度も同じ子とトラブルになる可能性が高いと思います。ケンカになりやすい子はお互いに気になる存在同士であることが多いからです。双方がかかわり方を体得するまで続くでしょう。しかし、かかわり方がきちんとわかれば、大の仲良しになる可能性も高いのです!
だからこそ、相手の親と丁寧にコミュニケーションをとっておくことをおすすめします。
わが子への対応は、まず「手が出てしまった原因」を考える
わが子が友達にケガをさせてしまったことを知ると、「すみません!よく叱っておきます!」という保護者が多いです。
ケガをさせてしまったことを叱るのは親として大切なことかもしれませんが、園でも叱られてきているので、それよりもまず考えてほしいのは手が出てしまった原因です。主に考えられるのは以下の2点です。
言葉の発達が伝えたいことに追いついていないため
「そのオモチャ、ずっと使ってるからそろそろ貸して」「自分の遊ぶ場所が狭いからどいて」「そこにあるオモチャまだ使ってるから、取らないで」など、本当は友達にその気持ちを伝えたかったのに、うまく言葉にできずに手が出てしまったのかもしれません。
園では、先生がケンカのたびに「次から貸してって言ってみようね」など言葉の指導してくれているはずです。
そこで、家でも言葉で説明する力をつけるよう心掛けてください。
普段、子どもは欲求がある時「んー!」と大声を上げるだけで、ママには意味がわかるので解決してもらっていることがあるかもしれません。
言葉を促すためには、ママはわかっていても「どうしたの?」と聞くようにします。「ジュース!」と答えたら「ジュースがなに?」と聞き返します。「ほしいの!」と言われたら「そうなんだ~それで?」とさらに聞き返していきましょう。最終的には「ママ、ジュースをコップに入れて」と言えるように練習しましょう。
情緒が不安定なため
情緒が安定していないと、ちょっとしたことでカッとなって手がでてしまうことが多くなります。1つ目の例のように、言葉が苦手な場合は言いたいことが言葉にできないストレスでイライラしているので、言葉がうまく出てくるようになると落ち着くと思います。
でも言葉がしっかり話せているのにイライラしている場合は、なにかほかの原因がないかを考えてみるといいですね。
下の子が生まれて赤ちゃん返りしている、睡眠不足、栄養不足、運動不足、疲れがたまっているなど…思いつくイライラの原因があればできる限り取り除いてあげて様子を見てほしいと思います。
幼児期はコミュニケーションの練習の時期
「うちの子は乱暴だから…」と思い込んでいるのであれば、それは勘違いです! 友達に手が出てしまう子も「人にケガをさせてはいけない」というのはよくわかっている子がほとんどです。
それでも手が出てしまうのは、本人には現時点でどうしようもできない原因があるからだと思います。それは叱るだけでは解決しません。いろいろな場面で言葉を知っていくことで、伝える力が身についていくと思います。
それから、友達とケンカしがち=友達に関心があるということ。これから成長とともににたくさんの友達と仲良くなる可能性があるということです。
幼児期は、大人の見守る中でコミュニケーションの練習をする機会がたくさんあります。子どもの成長を楽しみに、焦らず見守っていってくださいね!