「プライベートゾーン」は3歳から教えて!誰にも触らせない体の大切な部分
「うちの子は、人の体には、他の人が勝手に触ってはいけない部分があるのを知ってるのかな?」と考えたことはありませんか。
この「人の体の勝手に触ってはいけない部分」を「プライベートゾーン」と言いますが、子どもは、「お尻や胸を触るのも遊びの中ならOKと思っている」「人の体を触ることに抵抗感がない」場合があります。
先日、私のInstagramのフォロワーさんに、「お子さんはプライベートゾーンを知っていますか?」と尋ねてみたところ、知っていると答えた人は半分くらいの割合でした。さらに、「知っている」と答えたうちのほとんどが、家庭で保護者が教えていることがわかりました。
今回は、プライベートゾーンとは何か、どのように子どもに教えたらよいかについて考えていきたいと思います。小学校の通常級担任や特別支援教育コーディネーターとして活動した経験から、詳しくお伝えします。
プライベートゾーンって何?
プライベートゾーンというのは、自分の体の中で他の人に勝手に触らせてはいけない部分のことを言います。触らせるだけでなく、見せたり、自分が人のプライベートゾーンを触ったり、見たりするのもいけません。
なぜなら、プライベートゾーンは人の命に直接かかわる部分だからです。妊娠、出産、性愛、生命にかかわる大切な部分です。
人の体には触ってはいけない部分があるということは、子どもが将来、犯罪被害に巻き込まれないためにも小さいうちから教える必要があります。具体的なプライベートゾーンは次の4つです。
・口
・胸
・性器
・おしり
プライベートゾーンは「水着で隠れるところ」と子どもに説明することが多いですが、男女によって水着の形が違うので分かりにくいですよね。また、水着で隠れる部分だと口が含まれなくなってしまいます。
そこで、性別に関係なく、この4つの部分は勝手に触ったり触らせたりしてはいけないのだと、子どもに伝えましょう。
プライベートゾーンの教え方は?
プールの授業が始まるときや子ども同士のじゃれ合いやふざけ合いがあったときが、プライベートゾーンを教えるのにちょうどよいタイミングです。年齢的には、保護者の言っていることが理解でき始める3歳ごろからスタートするのがいいと思います。
家庭でプライベートゾーンについて教えるときには、次のことを確実に伝えてください。
・口、胸、性器、おしりの4つをプライベートゾーンという
・自分の体は自分のものであり、自分で触るのは問題ない
・他の人の体は他の人のものだから、勝手に見たり触ったりしない
・自分の体を触られてイヤなときは、「イヤ!」と伝える
自分の体を守るためだけでなく、他の人とよい距離感で接するためにもしっかり教えてあげてください。教えるときには、口頭だけでなく絵本や紙芝居を利用したり、動画を見せたりするのがわかりやすいです。また、子どもに教えるためには大人が正しくプライベートゾーンについて理解する必要がありますよね。
そこで私は「おうち性教育はじめます」や「だいじ だいじ どーこだ?」という本を読むのをおすすめしています。今回の記事もこの2冊を参考にしましたので、よかったら手に取ってみてくださいね!
親子でも「触らない&触らせない」がポイント
プライベートゾーンは勝手に触らせない&人のプライベートゾーンも勝手に触らないということが大切ですが、「触らない」「触らせない」は親子間のおふざけでも意識する必要があります。親子のコミュニケーションとしてプライベートゾーンを使ってしまうと、「体を触り合うことは楽しい」という間違った学習になってしまうからです。間違った認識のまま成長すると次のようなトラブルをまねく恐れもあります。
・好意のある友達のスカートめくりをする
・相手の反応が楽しくてカンチョーをする
よくある子ども同士のじゃれ合いに見えますが、相手にとっては心の傷になることもあります。これは遊びではなく性暴力のひとつになるかもしれないととらえて、しっかり教えていかなければいけません。特に、こういったじゃれ合いは、「盛り上がってるんだからOK!」ととらえてしまう子どもも多いです。「みんなでやっていれば楽しい」「みんなが笑っているから断りにくい」という雰囲気を作らないことが大切です。そもそもそういうことはしない、されてイヤなときは正直に言ってよいと教えましょう。
いろんなタイミングで親が積極的に教えよう
実は次の理由から学校でプライベートゾーンを教える機会はあまりありません。
・小学校では、1年の中でほんの数時間しか保健体育の内容を扱わない
・そもそも、低学年では保健体育の時間がないので、プライベートゾーン自体を知らない子どもも多い
実際に私が小学校に勤めていたときも、生活科で一部を扱うこともありましたが、授業の時間を割いて丁寧に教えることはありませんでした。つまり子どもにとっては、プライベートゾーンを覚える機会がなかなかないということなのです。
だからこそ、子どもの感覚を育てるためには、保護者が繰り返しプライベートゾーンについて伝えることが大切です。ぜひ普段の生活の中で意識してみてくださいね。