就学時健康診断の後、入学までに何をする?見落としがちなこと
小学校の先生の経験者であり、自身もママとして子育てに奮闘する4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」。先生目線で、ときにママの目線で。入学準備や、入学後の困りごとや悩みの解決方法の糸口を探ります。苦しいことがあっても、笑顔で突き進めるヒントが見つかるかも。
今回はりな先生。年長さんを対象に行われる「就学時健診」。その後、入学までにどんなことに気をつけて過ごしたら良いのでしょうか?
就学時健診を終えると、入学説明会、そしてあっという間に入学式を迎えることになる学校が多いです。その前にやっておくとよいこと、そして反対に、やらなくていいこと、やってほしくないこともお伝えします。
意外と見落としがちな「伝えておいてほしいこと」
見落としがちなのが、「学校とは何か」「授業とは何か」を伝えておくことです。
長女は、保育園の行事として園の近くの学校に行ったことはありましたが、1年生のお兄さんやお姉さんと触れ合う内容だったので「学校とはどんな場所か」は分からなかったのでしょう。「学校ってどういうところ?」と聞くと「え・・・?」とよく分かっていない様子でした。
私は1年生を担任していた時のことを思い出しました。4月の2週目頃、男の子が私の元に歩いてきて、「ねえ先生?いつになったら遊べるの?」と聞きました。保育園と同じように、自由に遊べる時間は一体いつなのだろう、と疑問に思ったのでしょう。休み時間では足りなかったようで「学校ってね、遊べる時間も大切にしているけど、いろんなことを勉強する場所なんだよ!」と伝えると「そうなの!?」と驚いていました。
具体的にしたこと、伝え方
学校についてよく分かっていなかった長女には「小学生になったら図鑑」(ポプラ社刊)を読んだり、保育園との違いを話したり、「お勉強というのはね」「宿題というものがあるよ」という話をしたりしました。ここで話した内容と、入学後の生活にズレがなかったので混乱なく学校生活に馴染むことができました。
また「1人で解決しようとしなくていい、担任の先生でも、隣のクラスの先生でも、誰かを頼っていい」ということも伝えました。これは小学校に行ったらという話ではなく、保育園・幼稚園からでも挑戦できます。家で、落ち着いた環境の中、ママやパパだから話せることもあると思いますが、「今回はママから先生に話してみるね。次からは自分で先生に言ってみようか」と少しずつ促すことも大切です。
普段から伝える「あなたが生まれてきてよかった」「性教育の話」
子どもが話しかければ手を止め、スキンシップを求めればすぐに行うこと。なかなか忙しい中では難しいこともありますが、できるだけ応じようと心がけていました。休日など穏やかに過ごせる時には、「あなたのことが本当に大切」「あなたのママになれてしあわせ」と伝えていました。学校生活を送る上で傷ついたり苦しんだりすることもあるでしょう。でもその時に家が、ママが、パパが、自分の味方として存在していること。自分は愛されているのだという気持ちは、大きな支えになります。
そして「性教育」の話もしました。向かい合って話すのではなく日常の中に取り入れていました。「お尻やお股は大切なところ、人に見せないよ」「例えお友達でも先生でも、水着で隠れているところや唇は触ってはいけないよ。触られたら必ず伝えてね」など、お風呂の時はよく伝えていました。
どちらの話も「日常の中で」「しばしば伝える」ことが大切です。
まだしなくていいこと、してほしくないこと
就学時健診を終え、様々な入学用品を揃えたくなりますが、入学説明会まで待った方がいいでしょう。「キャラクターのデザインの物は持ってこない」「集金したお金で学校側が買うものがある」など、先に買ってお子様が楽しみにしていたところ、不要になってしまう場合があります。入学説明会後でも間に合いますので、学校からの説明を聞いてからにすると良いです。
また、しないでほしいことは「1年生になったらそんなんじゃダメだよ」「これじゃあ先生に怒られるね」というマイナスイメージの話です。1年生の担任として「学校は楽しいところだよ!」というのを笑顔や言葉から伝えていきます。職員全体で新たな出会いを楽しみにしています。
もちろん指導するべきことはしますが、「怖いところ」「これじゃあダメなんだ」と自信を失って入学するようなことがないようにして欲しいなと思います。
お子様の学校生活が素敵なものになりますよう、願っております。