5歳が時計の読み方を1日で理解できた教え方!
幼稚園や小学校生活が始まると、時計を意識する場面が格段に増えますよね。
朝の支度や宿題をする時以外にも、ゲームや動画を見るときなど時間制限をつけたいときも「〇時まで」「あと〇分」と言った声かけが多くなります。しかし、時計の読み方は子どもにとって難しいことのひとつ。
今回は、5歳の息子が1日で時計の読み方をマスターした教え方についてお伝えしたいと思います。
子どもが時計を読めるとこんなメリットが
息子が年長になる前の春休み。丸1日かけて時計の読み方をマスターしました。時計が読めることで、わが家ではたくさんメリットがありました。
・1日のスケジュールが立てやすい
・ルーティンがスムーズに進む
・母親のイライラが少し減った
・結果として自立に繋がった
長男は少しのんびり屋さん。何かをしている途中、ほかのことに気持ちが向いてしまうことがよくあります。
そのため、登園前の朝は「早くしなさい!」「いつまでそのカッコなの」など、怒られてから出発することもしばしば。
しかし、時計の読み方を覚えてからは、動きが変わりました。
お支度ボードに時刻を書き込めば、時計を見ながら朝のルーティンをこなせるように。
自宅で過ごす日は、朝一緒に自宅学習や習い事のスケジュールを組むことで、「やるべきこと」に対して意欲的になったと思います。
「早く〇〇してね」と伝えるよりも、「〇分までに食べてね」「〇時からスイミングだよ」など具体的な時刻を示すことで、子ども自身も自覚が出て行動できるのかなと感じます。
その積み重ねが「自分で考えて行動する」という自立にも繋がっていくのかなと思います。
STEP1:短い針と長い針
それでは、ここから私が実際に教えた方法を紹介します。
まず時計の基本「短い針」「長い針」について。
実際に時計を用意して説明しましょう。知育時計のような60分刻みのものがおすすめです。
わが家では「セイコー」の知育時計を使用しました。
さらに、手で針を動かせる時計のおもちゃを併用すると感覚で理解しやすくなります。
【説明の順番】
1.短い針は「〇時」を表す。長い針は「〇分」を表す
→ 時計を見ると何がわかるのかを教えます。月齢の低いお子さんには、短い針に「時(じ)っくん」長い針に「分(ふん)ちゃん」など名前をつけて見ると食いつきがよくなるかも。
2.短い針が進むのは「1〜12」まで。長い針が進むのは「0〜60」まで
→ 短い針と長い針が何かわかったら、使う数字を教えます。実際に時計盤を見ながら一緒に数えるとわかりやすいです。
「短い針が2のところにあると何時かな?」など具体的に質問しながら、やってみましょう。
3.短い針の動き方
→ 時刻がひとつ進むと、次の数字に向かって針がひとつ動くことを教えます。
針が数字を越えるまでは「〇時」は変わらないことも伝えましょう(図参照)。
例えば、”1時55分”の時の短い針は限りなく”2”に近づいています。そのため、「2時55分」と読んでしまうことも。こんな時、「針が”2”を越えるまでは”1時”だよ」と教えてあげてください。
4.長い針の動き方
→ 短い針が次の数字に進む間に、長い針は時計を一周することを教えます
短い針と長い針の進み方の違いをしっかりと理解してもらうことが大切です。
それぞれ、時計おもちゃを使って自分の手で針を進ませると実感できると思います。
STEP2:0から60の数が言えるかな
時計の仕組みがわかったら、“分”を理解するために大切な数字を覚えましょう。
ほとんどの時計は1〜12の数字が書いてありますが、細かい“分”は省略されていることが多く、パッと見てわかりづらいです。
まず、1時間は60分であることを説明して、短い針がひとつ進む間に長い針は0から60まで進むことを教えます。
そこから0〜60までの数を言う練習を一緒にしてみましょう。もし100までの数をスラスラと言える場合は省略してもOKです。
STEP3:「ちょうど」「はん」を覚えよう
時刻を覚える上で大切なのが、「〇時ちょうど」と「〇時半」です。細かく何分か読む前に、まずこの2つを教えておくとよいでしょう。
【説明の順番】
1.長い針が12のところにきたら、「〇時ちょうど」であることを伝えます
おもちゃの時計を使ったり、紙に書いたりして「12時ちょうど」から「11時ちょうど」まで12時間分をビジュアルで教えるのがおすすめ。
2.長い針が6のところ、短い針が数字と数字の間にきている時は「〇時半」であることを伝えます
こちらも同じように実際に見て覚える練習をしましょう。
STEP4:5の倍数を覚えよう
次に5分刻みについてです。時計を指差しながら進めましょう。
長い針が1のところにきたら「5分」、2のところにきたら「10分」と説明しながら、「この間に1分が4つ隠れているんだよ」と5分刻みの理由を教えます。
5分刻みがパッとわかるように、5の倍数を60まで言えるようにするとスムーズです。
「5、10、15、20、25、30…」と呪文のように何回も言ってみましょう。
わが家ではお風呂の時に一緒に練習しました。5の倍数を覚えておくと、ほかの計算でも使えるので損はないですよ。
STEP5:体で時間の感覚を掴もう
ここまで時計を見て時刻を知る練習でしたが、最後に時間を体感してみましょう。
「5分」「15分」「30分」「1時間」など時間を決めてタイマーをかけます。
「今から5分で何ができるかな?」などミッションを与えて時間を体で感じてもらいます。
時間の感覚がつかめるようになると、「あと〇分だよ」と声をかけた時にも想像しやすくなります。
また、「この絵本を読み終わるまでどれくらい時間がかかるかな?」など、行動にどれくらいの時間が必要なのか知るのもよいでしょう。
息子は時計を勉強してから、「あと10分で食べ終わってね」と言うと、時計の針ばかり気になり手が止まってしまうことがありました。
体で10分の感覚を覚えておけば焦らずすむかもと思い、この練習を取り入れました。
わが家では、ここまでを丸1日かけて学習しました。
その後も事あるごとに「今何時?」と問いかけ、時刻を読むトレーニングを続けました。
応用編1:〇時間前、〇時間後
キリの良い時刻(ちょうど、半、5分刻み)が読めるようになってきたら、応用編!
今度は「〇時間前、後」など時間の進みや逆算についてのお勉強です。
この内容は小学校2年生以降に習うレベルです。特に小さいお子さんにとっては難しいのでゆっくり教えてあげるとよいと思います。
わが家では、短い針から始めました。
まず、短い針が1つ進むことを「1時間後」と呼ぶことを教えます。普段の会話でも出てくる言葉なのでなんとなくわかっているようでした。
その後はクイズ形式で進めます。
「今、3時ちょうどのおやつの時間。夜ご飯は6時に食べようと思うけど、今から何時間後かな?」というように、身近な話題から出題します。
最初は時計を手に取り、「1、2、3」と指を使って数えてみましょう。だんだん慣れてくると目で文字盤を追って計算できるようになりますよ。
次に、時間の逆算です。時計が逆戻りすることはないので、感覚が掴みにくいです。
これも文字盤を指で数えながら学ぶことが一番。「朝ごはんを食べたのは何時間前か一緒に数えよう」など声かけしながら進めました。
応用編2:〇分前、〇分後
朝の支度など普段から多用するのが”分”ですよね。その進み、逆算についても覚えておきたいところです。
長い針が1つ進むことを「5分後」と呼ぶことを教え、5分刻みで文字盤を指差しながら「5分後、10分後、15分後…」など確認していきます。
「〇分前」についても同じです。身近な話題から理解に繋げていきました。
わが家では、「今日はスイミングだから、3時30分に出発するよ。10分前には支度をしてほしいんだけど、何時何分にしたらよいかな?」というような質問をしました。
教える時は、「10分前は長い針が2つ戻るよ。2つ戻ったら何時何分だと思う?」と順序立てて説明します。
息子は最初、「10分前だから長い針が10個戻る」など珍解答をしていましたが、その都度「5飛ばしルール」を教えることで段々と理解できるようになりました。
「5分と5分後」では意味が異なります。“時刻”と“時間”の違いに混乱しやすいので具体的に説明してあげる必要があります。
時刻は「今何時か」、時間は「どれくらいかかるか」です。ここをしっかり身につけておくことが大切だと実感しました。
時計学習に便利なドリル・絵本
最後に、時計学習をする上で使えたドリルや絵本について紹介します。
■「めくって学べるとけい図鑑」 池田敏和(監修) 学研出版
こちらは、仕掛け絵本のような時計の図鑑です。時計をマスターするために必要な情報が網羅されていて、巻末には針が動かせる60分刻みの時計付きです。
カラフルなイラスト、125個のめくる仕掛けで遊びながら学べます。
先ほどご紹介したSTEP1〜4の内容と応用編の内容に加え、デジタル時計の読み方や「午前・午後」の項目もあります。
口頭で説明するのに手こずったら、このような絵本を使ってみるのもひとつです。多くの視覚情報を入れることで理解が深まると思います。
■「とけいとじかんのれんしゅうちょう」 親野智可等(監修)/入澤宣幸(原案) 学研出版
本屋さんでのドリル探しが趣味なドリルオタクな私。息子に“時間”(◯分前、後など)を理解する練習をさせたく手に取ったのがこのドリルです。
時計に関するドリルは多く出ていますが、私が見た中ではこちらが一番問題の幅が広く感じました。
時刻を答える問題から始まり、ハイレベルな問題も出題されています。迷路やシールを使った問題、推理ゲームのような問題があるので息子はゲーム感覚で進めていました。
この1冊を終えられれば時計について苦手意識がなくなると思いますよ。
■今回紹介した書籍はこちら