【おしえて!SDGs】保育所の誘致や自社グラウンドの地域開放で子育てを支援

「第一生命」のSDGsへの取り組み

SDGsの17の目標全てに取り組む第一生命。その精神は創業者である矢野恒太氏による、事業を行うにあたって「世間の人が喜ぶか、無くてもいいと思うかを考えよ。」「仕事とは世間のためにやるのだ。」という言葉から受け継がれたものでした。“世の中に価値ある仕事をしよう”という第一生命の取り組みの一つ、子育てへの支援活動についてお話を聞きました。

お話を聞いたのは


第一生命保険 不動産部 ファシリティマネジメント課
辰巳 仁さん
保育所誘致プロジェクトに、2010年の立ち上げ時から携わる。2人の子どものパパ

待機児童問題解決を目指し、52の保育所を誘致

※誘致した保育園の様子(汐見丘第一ハイツ「レイモンド汐見丘保育園」/社会福祉法人檸檬会)

2009年に大きな社会問題となった待機児童。その問題解決に向けて、第一生命は当時全国で2万5000人といわれていた待機児童の1割にあたる2500人の受け入れを目指す保育所誘致プロジェクトに着手しました。自社の保有するビルやマンションなどのフロアの一部に、保育所を誘致し開園するというものです。
「始めはまったくの手探り状態。保育所の運営会社や自治体に直接電話をして、保育所の需要を探りながら進めていきました。約10年かかりましたが、2021年度末時点で、52カ所の保育所と受け入れ可能児童数3105人を達成できました」と辰巳さんは笑顔で語ります「今は保育所の数はかなり増えましたが、まだまだ課題はあります。今後もこのプロジェクトは継続していきます」。

自社グラウンドを開放し、地域住民のQOL向上に貢献

※東京都世田谷区にある同社グラウンドの一部に新たに整備した公園

保育所誘致プロジェクトを通した自治体との関わりの中で、新たな試みも生まれました。2018年から、地域の保育サービスの質の向上を目指し、世田谷区内にある第一生命グラウンドを地域の約50の保育所が共同で利用する「シェア園庭」として開放。「世田谷区から、新設された保育所に十分な広さの園庭がなく外遊びが不足しているという状況を知らされたことから始まったものです」。
さらに、このシェア園庭から発展して、グラウンドを公共へと開放するプロジェクト「SETAGAYA Qs-GARDEN」が2023年3月の本格オープンに向けて進行中。緑豊かな敷地を公園として自由に訪れることができるだけでなく、グラウンド内の野球場などもスポーツ施設不足に悩む区内の大学や区民の利用が可能になります。グラウンドという既存施設の新たな運用によって、住民のQOL向上や住みやすい街づくりといった、SDGsの目標に貢献できることになります。

※SETAGAYA Qs-GARDEN完成イメージ

一人一人ができる身近なことからSDGsを始める

「SDGsというと地球レベルの大きな話と捉えて、個人にできることはないのでは、と考えてしまいがちです。けれど、子どもたちの将来を見据え、今の世代が社会や地球をいい状態で次世代へとバトンタッチしていかなくてはいけない。当社は、グループビジョンである“Protect and improve the well-being of all(すべての人々の幸せを守り、高める)”ためには持続的な社会が大切であると考え、地球環境保全のための活動はもちろんさまざまな社会課題解決へと取り組んでいます。しかし、第一生命という一民間企業だけでできることには限界があります。だからこそ、当社のSDGsへの取り組みを多くの人に知ってもらい、その人たちがSDGsについて考えて行動を起こすきっかけになりたい。身近なことでいいんです。そんな波及効果の一つとなりたいと考えています」。

同社では、太陽光発電所を作り、CO2を排出しない再生可能エネルギーで自社オフィスの使用電力を賄う試みも始めています。

■「第一生命」SDGsへの取り組み

<文:あんふぁんWeb編集部>

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