更新 :
マインクラフトで小4男子のやる気と英語がぐんとアップ!? そのワケは?
いよいよ新学年。勉強の仕方を見直して、心機一転、がんばるぞ!という意気込みの人も多いでしょう。学年が上がったため、勉強時間をもう少し増やしたい、そんなときには“脳にご褒美”をあげるのが有効! 4年生男子を英語力ゼロから半年で英検4級合格に導いた家庭学習ブロガーのなかやまさんに、効果的なモチベーションUPの方法を聞きました。
小学生男子も食いつく! 「マインクラフト」って?
神奈川県在住の主婦、なかやまさんの息子は4年生になってしばらくすると、先生から成績のことで「もう少しがんばりましょう」と注意されてしまいました。このままでは中学で落ちこぼれ、高校受験なんて無理かも!と焦ったなかやまさんは、家庭学習の習慣のなかった息子に勉強をさせようと試みます。途中から、高校受験に有利になるよう科目を英語だけにしぼって学習させたところ、ABCも知らなかった彼はわずか半年で英検4級に合格するまでになりました。
4年生の男子がそんな簡単に親の言うことを聞く? これまでほとんど家庭学習をしてこなかったのに、いきなり「やりなさい」と言ったところでやる気なんて出るわけない!というわけで、なかやまさんが自宅での英語学習に取り入れたのはなんと「Minecraft(マインクラフト)」。プレイステーションやXboxなどで遊べるゲームで、画面の中で立方体のブロックを設置したり破壊したりして独自の世界を築き、森林の木々や地下に埋没している鉱石などを利用して武器や燃料を作るなど、とにかく遊び方が多岐にわたるのが特徴的。創造性に充ち、想像力をかきたてるため、スウェーデンのある学校では授業に取り入れられているという、なんだかすごい人気ゲームです。
大好きなゲームを日課に取り入れることで時間管理ができるように
マインクラフト(通称「マイクラ」)を息子に買い与え、まずはその遊ぶ時間を1日1回、30分間に設定しました。プレイステーションの“ペアレントコントロール”機能を使えば、1日に遊べる時間を設定できます。遊び始めて30分経つと勝手に使えなくなるので、遊ぶのをやめざるをえません。もちろん「え~、もう終わり?」とぶーぶー言いますが、それは母に対してではなくあくまでもマシンに向かって文句を言っているので、ケンカや言い合いになることなくあっさりと遊ぶのをやめてくれます。
そこでなかやまさんは、マイクラができる時間を朝学習の前の早朝に決めました。これには理由があって、英語を話す習慣をつけるためのオンライン英会話(スカイプを用いて海外に住む先生とマンツーマンでの会話ができるサービス)の、お気に入りの先生が早朝にしかいなかったから。また、学校から帰ってからの時間だと、公文や学研など塾に行って帰ってくるだけで勉強する時間がなくなってしまうこともあります。
すると、それまでは朝、学校に行くために起こすだけでも一苦労だった息子は、マイクラやりたさに「明日は4時に起きようっと!」と自ら目覚まし時計をセットして、さっさと布団に潜り込むように。朝、寝ぼけた頭を30分間のマイクラですっきりさせてから公文を5枚、そのあとオンライン英会話を2レッスン(1レッスン25分)、というのが日課になりました。マイクラは30分で自動的に切れますが、その後のオンライン英会話は先生から電話(スカイプコール)がかかってきてしまうので、着替えや公文をやる時間など、ちゃんと自分で考えて時間配分をしないと間に合いません。必然的に自分で時間の管理もできるようになってきました。
マイクラを通して具体的な目的が見えた
マイクラにはほかにも利点がありました。世界中にプレーヤーがいるため、オンラインで英語でチャットしながらいろいろな国のプレーヤーと一緒にバーチャルな世界を冒険したりもできるのです(これはさすがに会話のスピードについていけず、4年生の息子には早かったみたい)。とはいえ、ユーチューブに自分のゲームの進捗を実況する動画がたくさんあるので、発音が聞き取りやすい英国人ユーチューバ―の動画を選んで見せています。実況ですから、画面と言葉がリンクしていて、わからない単語が出てきても彼は興味を持って見入っています。そのうち「僕、もっとダニエル(ユーチューバーのひとり)の言うことがわかるようになりたい!」と言うようになり、英語を学習する意欲がぐんと上がりました。
英語が話せるようになりたい、といった漠然とした目標よりも、たった1つ、ダニエルと話がしてみたい。そんな小さな目的でもあったほうが、やる気の出方が違うことをなかやまさんは痛感。親の押しつけではなく、自らやりたいという気持ちにさせることに成功しました。
息子が「ダニエル」と呼んでいるユーチューバ―DanTDMさん。確かに、男の子が夢中になりそうなおもしろさ。言葉に出てくる単語も難しくありません(写真:なかやまさんブログのスクリーンショット)
”脳にご褒美”でモチベーションがぐんと上がる
早起きする理由は「マイクラができるから」。英語を勉強するのは「ダニエルと話せるようになるから」。というように、具体的な“ご褒美”を脳に与えてあげれば、いくらでもモチベーションが上げられる。「これは利用しない手はないよね!」となかやまさんは言います。もちろん、“ご褒美”の内容はマイクラでなくてもよくて、それぞれ子どもの好みに合わせるといいでしょう。なかやまさんによると、大切なのは、“特別感”を持たせることだそう。なかやま家の場合は、遊べる時間がきっちり決められていることで、息子の「この時間だけは逃すまい」という気持ちが働いたわけです。子どもの大好きなものをひとつ見つけて、それを“ご褒美”にモチベーションをアップ。この方法はぜひ取り入れたいものです。
なかやまさんの親子学習ブログに細かく学習の様子が書かれています。
おやこども英語~目指せエーペラ~
<取材・文:フリーランス記者 岩佐 史絵>