子どもと向き合う時間が少ないママに大切にしてほしい3つのこと。絆を深める「子育て軸」

子育ての情報はたくさんあふれていますが、限られた時間の中で、何から手をつけていいのかわからず悩むママは少なくありません。特に働くママは、なかなか子どもと向き合う時間が取れず、「子どもをしっかり育てたい。でも、時間がない!」という焦りを感じてしまうのではないでしょうか。
任意団体「大切にしたいこと。」主宰であり、NPO法人「孫育て・ニッポン」の代表でもあるぼうだあきこさんは、産後ママの応援団長として、各地でママの気持ちをラクにする講演をされています。ご自身も働きながら2人の男の子を育てたぼうださんに、「子どもと向き合う時間がない」と焦るママたちの心がラクになる子育てのヒケツを聞きました。

「大切なこと」3つで、自分だけの子育て軸を作る!

子どものために、あれもこれも取り入れようとすると、どれも中途半端になってしまい、罪悪感がわいたり、疲れ果てたりしますよね。ぼうださんは、「自分が子育てで大事にしたい、小さな3つのことを『子育て軸』として続けるだけで十分です。軸が決まれば、情報に不必要に振り回されることもなくなります」。
その軸は、どうすれば決めることができるのでしょうか。「まずは、子育てで大切にしたいことを、思いつく限りたくさん書き出してみてください。そして、その中から、絶対に大切にしたいことを3つだけ選んでください。大げさなことではなくて、毎日必ず行う行動でできることにしてください」。
ちなみに、ぼうださんが子育てで大切にしていたことのトップ3は下記。
1.朝ごはんには、あたたかい汁物を出して、家族で食べる
2.家族が出かけるときは、必ず「行ってらっしゃい」と言いながら見送る
3.手をつないで歩く
確かに、どれも特別なことではなく、日常のとても小さなことですね。「食う、寝る、遊ぶ、を通じて体と心を整えることを大切にしたい」という、ぼうださんらしい選択です。

子どもと一緒の朝を大切にできれば100点!?

ぼうださんは、生活を朝型に整え、朝を大事にする子育てをおすすめしています。「夜は、みんな疲れていますから、ぐうたらでいいのです。朝、きちんと起きて、みんなそろって朝ごはんを食べることで、子どもの体調もわかりますし、毎日同じように1日がスタートすることで、子どもの気持ちも落ち着きます。また、塾などで子どもが忙しくなると夕食を一緒に食べることは難しくなりますから、幼少期から、”朝だけは必ず家族一緒”という生活習慣を作っておくことは大事です」。
そして、ぼうださんは、「朝ごはんを一緒に食べて、『行ってらっしゃい』と見送ることができれば、それだけで母親としての1日は100点です」と言います。「それでも、まだ時間と気持ちの余裕があるようなら、絵本を読むなど、3分程度でできることを追加してもいいですね」。

車と自転車を降りて、手をつなごう!

ぼうださんが、3つ目に大切にしていたことは、手をつなぐこと。何でもないようなことですが、「手をつなげるのは、歩いているときだけなんですよ」という言葉にドキリ。ぼうださんは、保育園や幼稚園の送り迎えや、子どもと一緒の買い物などは、車や自転車ではなく、手をつないで歩くことをすすめているそうです。
「歩いて15分のところを、車に乗ったら5分に短縮できますね。それによって、子どもとの時間が短縮され、家にいる時間が長くなります。でも、多くの母親は、家では『子どもと向き合う母親』としての役割ではなく、『家事をする家政婦』としての役割が増えてしまいます。忙しい日々の生活の中で、『母親である時間』をうまく作り出すためにも、移動時間を短縮するのではなく、子どもと手をつないで歩く時間にしてみては?」。
手をつなぐことの利点は、親子の絆を深めるだけではないそうです。「車が近づいてきたり、横断歩道で立ち止まったりするとき、母親は子どもの手をギュッと握りますよね。その感覚によって、子どもは体で危険を感じることができるのです」。
さらに、母子で歩きながら、近所の人にあいさつをしたり、商店街で買い物をしたりすることで、まわりの大人に覚えてもらえるので、災害時なども心強いそうです。

自分の子育て軸は、心理的なお守りとなる

ぼうださんは、子育てで、自分が大切にしたいことが決まれば、夫婦で共有すること、書いて壁などに貼っておくことをすすめています。そうすると、例えば、「洗濯物も干したい、でも、ちょうど子どもが出かけようとしている」という状況のときに、迷わず洗濯物を置いて、子どもを見送ることができるとか。そして、「とにかく自分が決めたことを守っていれば、『これだけはやっているから大丈夫』という自信にも、心理的なお守りにもなります」。

ぼうださんが子育てで大切にしていることは、「それだけでいいの?」と拍子抜けするほど当たりまえのことのようでもあり、意識しないと疎かになりがちなことでもありますね。自分なりの3つの子育て軸、改めて考えてみたくなりました。

ぼうだあきこさんブログ http://yuchanroom.blog68.fc2.com/
NPO法人 孫育て・ニッポン(理事長:ぼうだあきこさん)https://www.magosodate-nippon.org/
にっぽんネウボラネットワーク研究所(副代表:ぼうだあきこさん)https://nippon-neuvola-network-labo.jimdo.com/

<文:フリーランス記者 鯰美紀>

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