娘のかんしゃくで通報され警察が!近所との関係の重要性を痛感した話
小さな子どもと暮らしていると、子どもの声や走りまわる音、親の叱る声など、騒がしさと無縁ではいられません。
でも周囲との関係性がきちんとしていれば、それが問題になることは少ないのではないかと思います。
娘が3歳のころ、夜に突然警察がやってくるという経験をしたわが家。
お風呂で泣きわめく娘の声を聞いた近所の人が通報したようなのですが、とても衝撃的なできごとでした。
今回はショックだった通報の一件から、私が学んだことをお話しします。
娘のかんしゃくにお手上げの日々
それは娘が幼稚園に通い始めて3か月ほど経った頃のことでした。
娘は幼稚園が大好きで、楽しく通っていましたが、朝は少し機嫌が悪いことも。
幼稚園までは毎日徒歩で登園していたのですが、子どもの足で徒歩20分ほどかかったので、年少の娘にとっては大変だったのでしょう。よく途中でパタっと止まって動かなくなったり、道路に大の字になって寝そべりダダをこねることがありました。
通りがかりの人や工事作業員の人に何度も笑われました。当時生後3~4か月の息子を連れながら、娘も背負って幼稚園まで送ることもあり、毎日とても気が重かった記憶があります。
娘は、登園時だけでなく、少しのことで機嫌を損ね、度を越すと何を言っても聞かなくなり、鼓膜が破れそうなほどの奇声を上げて大声で泣き叫ぶこともありました。時には吐きそうになるほど泣くことも。とにかく思い通りになるまでひたすら泣きわめいていました。
もしかしたら2人目が生まれてから赤ちゃん返りしていたのかもしれません。
そんな娘のかんしゃくに、私はぐったり…何をしてもどうにもならず、落ち着くまで、静かに見守りながら放っておくこともありました。
まわりにどんな人がいるのかもわからない環境で…
私たち家族が住んでいたのは、単身者ばかりが住んでいた小さなアパートでした。
転勤先から東京へ戻ることになり、当時2歳の娘を連れて半月という短期間にやっと見つけた物件でした。
その辺りの土地勘がまったくない、部屋はとても狭い、壁は薄いなど、子育てには不向きでしたが、落ち着いたら新しい家を探すために、期間限定で住むことを決めました。
引越し当初、隣接する部屋には何度か挨拶に行ったものの、会えたのは大家さんのみで、アパート住人には会えずじまい。そのため、アパートにどんな人が住んでいるのかはさっぱりわかりませんでした。
お風呂場で泣き叫ぶ娘、その後やってきたのは…
その日は準備が遅くなり、21時ごろに入浴をスタート。
原因は覚えていませんが、娘は些細なことから、お風呂場でかんしゃくを起こしました。何を言っても聞かず、15分くらいひたすら大きな声で泣きわめく娘。なだめても、叱ってもおさまらないので、私は仕方なくそのまま見守っていました。
徐々に落ち着きを取り戻した娘と、お風呂から出て、パジャマを着せていた22時ごろ。チャイムが鳴り、トントンと扉を叩く音がしました。
「こんな夜に宅配?勧誘?」と不審に思った夫と私ですが、扉を開けたら警察の人が立っていたのです。
着替え途中の私と娘は玄関から離れた部屋にいたので話し声は聞こえませんでしたが、夫によると「虐待じゃないかという近所からの通報で、これから刑事さんが来る」と言われたとのこと。
「虐待?」衝撃を受けながら、夫婦で呆然としていると、しばらくして刑事さんがやってきました。
家の中を確認し、少し私たちと会話をして、何もないとわかると、娘に「お父さんとお母さんの言うこと、よく聞くんだよ」と優しく声を掛けて出て行きました。
虐待を疑われたショックと悲しみ
私がかんしゃく持ちの娘に悩んでいたのは確かですが、もちろん手を上げたことはなく、虐待などしていません。
叱ることも多い日々でしたが、それでも私にとってはかわいい娘であり、私なりに一生懸命向き合っていました。
そんな中で、私が娘を虐待していると思い、通報した人がいる…。そのことがとてもショックでした。
しばらくの間は気持ちがふさぎ、夫や幼稚園の先生などに話をしたりしながら、心を落ち着かせるように努めました。
子どもがいるからこそ、まわりに配慮することの重要性
その出来事から数か月後、私たち家族は住みやすさなどを考慮して一軒家に引越しました。
現在は、隣近所にどんな人が住んでいるかをほぼ把握しています。引越してまだ2年弱なのでわからないことも多いのですが、少なくとも隣接する家の住人はわかりますし、ご近所さんもわが家がどんな家族構成かを理解しています。
近所の人から子どもたちのためにとお菓子や果物をいただいたり、会えば挨拶したりと、以前の住居環境や人間関係とはまるで違い、良好だと思います。
あのとき、誰が通報したかはまったくわかりませんが、子育て世帯のいないアパート、きっとわが家はとてもうるさかったのだと思います。
また、後からわかったことですが、ちょうどその日に都内で痛ましい虐待事件が報じられたことも関係しているのかもしれません。
その直後は、虐待と疑われたことのショックからなかなか立ち直れませんでしたが、今になって冷静に考えると、虐待から子どもを助けたいという気持ちや思いやりから通報に至ったのかもしれないとも思っています。
このとき通報されたことで、私はまわりへの配慮がとても必要なことを痛感しました。
現在も娘のかんしゃくはなくなったわけではなく、息子もこれからをかんしゃくを起こす可能性もあります。元気に遊びまわる声や足音などで、迷惑をかけることもあるかもしれません。
だからこそ、近所の人には、会うたびに「いつも騒がしくて…」とお詫びしたり、子どもや家族の話をすることで自分たちのことを知ってもらうことも大事なのだと思います。
日々の小さな配慮の積み重ねが、心地よい暮らしを作っていくのだと学んだ一件でした。