学校での友達とのトラブル、親はどう対応すれば良い?学校との連携の仕方は?

Question: 友達に嫌なことを⾔われりいじわるをされた時、親はどうケアすれば良いでしょうか。良い対応⽅法や、学校との連携の仕⽅を教えてください。

子育てはとても楽しいものであり、また親としてさまざまな経験ができるものです。しかし時として、子育て自体の大変さを感じることがあります。それは大きく二つあります。一つは子どものケガや病気であり、そしてもう一つがご相談のような、友達など他者とのトラブルでしょう。

この二つに共通することは、子ども自身の努力や頑張りや我慢、また親自身の積極的な関わりなどでは、どうすることもできないということです。自分の思いや願い通りにはいかず、その時の状況や相手次第で、その後の対応が予想できないものです。

集団活動は教育的な効果も大きい

学校の友達との関わりにおいて、何かしらのトラブルはつきものです。学校という空間の大きな特徴は、多くの人と共に生活をする集団活動が中心だからです。ただしここには大きな意味があります。集団で活動を行い学ぶことは、社会全体で見るととても効率的な取り組みです。そして同時に子どもたちの学びにおいて、とても有意義なものなのです。

人と人との関わりや、またそれらが集まった班やクラスや学年、全校といった、さまざまな規模の集団を経験することで、団結力や人とのつながりや絆を得ることができます。日本の教育は、特にその集団の持つ特性や力を大切にし活用して、教育が行われるのが特徴です。時にはそれが、同調圧力などといって批判されることもありますが、相対的に教育的な効果も大きいのです。

学ぶ機会と捉え見守るか、介入するか…まずは冷静に状況把握を

友達とのトラブルの時には、このような学校という集団生活の「長所」と「短所」の二つの視点を持ちましょう。そのトラブルの内容や程度などを見極めつつですが、集団でのトラブルの対処方法や解決方法を子ども自身が学ぶ機会と捉える視点もあります。

一方、その内容が子どもだけで対応・解決ができないという判断をするのであれば、保護者が何かしらの介入をする必要があります。そのためにも、どのような状況なのか、またどれぐらい続いているのか、子ども自身はそのことをどのように捉えているのかなど、状況の適切な把握が必要だと思います。客観的に事実や内容を確認・記録しましょう。

子どもの年齢やその子の個性により、表現や物事の捉え方にもさまざまな特性があります。もちろんわが子の思いを一番大切にしながらも、少し冷静な捉えを心がけましょう。

まずは担任や学校に相談を

その上でやはり学校での出来事は、担任や学校に相談することが大切です。保護者が基本的には見ていない学校の中での出来事なのですから、最も身近にいる先生に相談してみましょう。教室内の出来事、子ども同士のやりとりについてはクラス内で対応し、できれば解決までもっていきたいところです。

もちろん最近はさまざまな出来事や問題の複雑さもあり、全てを担任だけに任せてはいません。教頭や校長などの管理者も含めて、学年や学校全体で問題に対応してくれます。そういう意味では、やはり保護者と先生方との信頼関係が大切になります。

まずは相談という形で、保護者の思いや子どもの様子、子どもの思いを伝えるところから始めてみましょう。そうしていく中で、問題の把握や相手の子どもについても理解が得られるかもしれません。

また学校が媒介となり、保護者同士で話し合いなどができる可能性もあります。さまざまな関わりのレパートリーを増やして、子どもにとって一番良い関わりや対応を考えましょう。相手のあることなので、これが絶対に正しいということにはなりません。柔軟な関わりと、そのレパートリーを増やす意識を持ちましょう。

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大阪教育大学教育学部 教授 小崎恭弘

大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校元校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。

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