友達と遊べずいつもひとりのわが子、幼稚園で大丈夫?元保育士が伝えたいこと
みなさんの子どもは公園に行ったとき、友達と仲良く遊べていますか?
まわりに同年代の子どもがいても、いつもひとりで遊んでいる…という事はありませんか?
いつもひとりで遊んでいるけど大丈夫?
わが子が友達と遊べないと、幼稚園でやっていけるか心配になってしまいますね。
入園前の面接でも「普段一緒に遊んでいる友達はいますか?」と聞かれることが多く、友達がいないと焦ってしまうのかもしれません。
いつもひとりでいるわが子が心配になり、なんとか友達と遊ばせようとして「ひとりで遊ぶなら帰るよ!」などと、子どもにキツイ声かけをしてしまうママも見かけます。
元幼稚園教諭の私はそんな時、「焦らなくても大丈夫だよ」とその親子に伝えたくなるのです。
そこで今回は、「入園前は、友達と遊べなくても大丈夫!」と思う理由をお伝えします。
3歳はひとり遊びをじっくりする時期
まず、入園前の2歳~3歳の時期はひとり遊びをじっくりする時期です。
この時期、自分の世界に入り込み、ひとつの遊びを楽しめることはとても大切な事。自分で問題解決する力、集中力が育っていきます。
でも、「公園で友達と楽しそうに遊べる子がいるのはどうして?」と思うかもしれません。その子ども達は、実は「平行遊び」といって一緒いても別々の遊びをしていることがほとんどなのです。
例えば、砂場で2人の子どもが並んで自分のバケツに砂を入れて混ぜているとします。
ひとりの子はケーキを作ってケーキ屋さんをするつもりでいます。でも、もうひとりの子は砂を混ぜて砂の混ざり方を見て楽しんでいるだけ。
友達と同じことがやりたい!と思ってそばで遊び始めたけれど、関わっていたのは最初だけ。イメージの共有ができているわけではなく、それぞれ違う遊びを好きなようにやっているだけなのです。
友達と遊べるようになるのは5歳頃から
イメージの共有ができて本当の意味で友達と遊べるようになるのは5歳頃と言われています。そのころになると「協同遊び」といって役割を決めて遊べるようになります。
例えば「おうちごっこ」。
お父さん、お母さん、子ども、ペットがいて、「朝だよ~ご飯作らなきゃ」「みんなでたべましょう」「夜だからみんなで寝よう」などとイメージを共有して遊べます。鬼役、逃げる役を決める「鬼ごっこ」なども子どもだけでできるようになります。
年長組になると数人のグループで話し合ってなにかを決める、作り上げるなどの活動もできるようになりますよ。
最初の目標は「友達に関心をもつこと」
だから、入園前は友達と遊べなくても大丈夫です!
入園前は「友達と一緒に遊ぶ」ではなく「友達に関心をもつこと」が目標で充分だと思います。
公園では無理に一緒に遊ばせようとせず、ママが友達に挨拶する、友達のしていることに関心をもち声かけするといいと思います。
例えば、「わぁ!あの子ブランコ上手だね」とわが子に話かけたり、知っている子であれば「〇〇くん、今日の服カッコイイね」と声かけしたり。すると子どもも友達のしていることが気になるようになってきますよ。本人がひとり遊びをしたがっている時は、思う存分させてあげてほしいと思います。
そして入園すると、自然と友達に興味がもてるようになります。
幼稚園では、毎日全員の名前を呼んで出席確認をしたり、席順でグループがあったり。全員でする遊びもたくさんします。その中で友達に興味をもって、一緒にいる楽しさに気づくはずです。
入園前は友達と遊ぶことのなかった子も、入園後しばらくすると何人かのお友達の名前がでるようになりますよ。その分ケンカも増え違った悩みも生まれますが…それも立派な成長過程です!
入園後もひとり遊びが続いたら…?
入園後は、園の友達と公園に遊びに行く機会があるかもしれませんね。
園の友達と別の場所で遊べることが嬉しくて、積極的に関わろうとする子がいる一方、ママのそばから離れたがらない子もいるかもしれません。そんな時ママとしては「せっかく友達と来てるのに!」ともどかしく感じるかもしれません。
でもそれは、園でがんばっている分、ママとゆっくり自分のペースで遊びたいから。園では、子どもなりに自己主張を抑えて社会生活を送っています。友達と公園に行けるのは嬉しいけれど、ママがいる時は元気をチャージしたいと思っている状態です。
園で少しずつ友達と遊べるようになっているのなら、大丈夫。
元気をチャージしたらまた外に関心が向くので、気にせずたっぷり子どもと向き合って遊んであげてくださいね。
入園後は先生や友達、たくさんの人との関わりが、子どもの育ちを支えてくれます。
ママの前ではできなかったことも、幼稚園生活でどんどんできるようになっていきますよ。さまざまな刺激をもらってたくさん成長していけるといいですね!