乗り物で「速さの感覚」を体験しよう!幼少期にできる算数準備

乗り物で「速さの感覚」を体験しよう!幼少期にできる算数準備

小さな子どもにとって外の世界は、知らないこと、不思議なことがたくさん詰まったワクワクする世界です。勉強というと机の前に座ってやるものというイメージがありますが、紙の上で学ぶよりも実際に外に出て体験したほうが理解しやすいこともあります。「速さ」の勉強もその1つです。今回は幼少期に身に付けたい速さの感覚について、乗り物で体験する方法をご紹介します。

速さを体験することが学習の理解を助ける



速さを計算する方法を算数の授業で学ぶのは小学5年生になりますが、速さは目に見えないものですから、紙の上だけで理解するのは難しいことです。そこで、幼少期から速い・遅いというイメージを感覚的に掴んでおけば、実際に授業で速さを習うときに大きな手助けとなります。
速さのイメージはどうやって磨いていけば良いでしょうか。オススメは色々な乗り物に乗ってみることです。幼少期はちょうど乗り物に興味がある子も多いでしょう。遠くへお出かけする機会があればよいですが、そこまでお金をかけなくても、1区間だけの移動でも「あえて電車に乗ってみる」ことで、「電車に乗ること」自体が1つのイベントとなり特別な体験になります。

乗り物で速さの違いを感じることから始める


幼少期の頃から時速や秒速といった難しい言葉を理解させる必要はありません。まずは色々な乗り物に乗りながら、速さの違いを感じることから始めてみましょう。違いを感じるというのは「~と比べて、より速い」ということです。
・歩くのに比べて、自転車はより速い
・自転車に比べて、自動車はより速い
・電車に比べて、新幹線はより速い
おうちの方が「電車だと歩いていくより速いね!あっという間に着いちゃったね」などと声掛けをしてあげることで、子どもは速さをより意識することができます。
新幹線は子どもにとって特別な乗り物であり、速さを体感するのに特にオススメです。走っている様子を動画で見ることもできますが、本物の大きさと迫力はインパクトが違います。例えば東海道新幹線の主に「こだま」が停まる駅では、通過する「のぞみ」をホームから見ることができます。近づいてきたと思ったら、ビュン!という音と共に一瞬で通り過ぎていく新幹線は、大人が見ても迫力があります。乗車料金は掛かりますが1区間だけ乗ってみるとか、入場券を買ってホームから見てみるなど、工夫をして楽しんでみてください。

乗り物の速さ比べをしてみよう


速さとは何か感覚が掴めてきたら、色々な乗り物について速さ比べをしてみましょう。図鑑や動画を調べれば、速さランキングが載っているはずです。ここで体験と数字を結びつけることができます。細かな計算は分からなくても、例えば時速10kmと時速100kmでは10倍違うということが何となくイメージできれば良いのです。そこに、
時速10km=人が走るぐらい
時速100km=高速道路の自動車ぐらい
というイメージが結びついて、「これぐらいか」と思い出せればハナマルです。ちなみに東海道新幹線の最高時速は285kmだそうです。そしてリニア中央新幹線は、なんと時速500kmで運転します。このような話題も速さの感覚を知っていれば、より技術のすごさを実感することができますね。

速さを比べるには条件を「揃える」ことが必要


さて、ここで次のような問題を考えてみましょう。
いぬは、2分間で800m走りました。
ライオンは、1分間で600m走りました。
うさぎは、3分間で1500m走りました。
一番速いのはどの動物ですか?
どの動物が速いかを比べるためには、どう計算すれば良いでしょうか?このままでは比べることができないので、走った時間を同じに揃えなければなりません。
いぬ:1分間で400m
ライオン:1分間で600m
うさぎ:1分間で500m
となり、一番速いのはライオンです。
例えば、小学館キッズの記事では、馬、ダチョウ、ライオンが短距離走をして速さ比べをしています。これも「10秒間で走る距離」と条件を揃えていることが分かります。
参考:小学館キッズ「馬、ダチョウ、ライオン、「短距離走」で競争すると、ビリはあの動物!」
https://sho.jp/sho1/1098


また、スポーツで速さを比べるときは、走る距離のほうを揃えて、かかった時間を比べることも多いです。例えば、陸上競技の100m走は「100mを何秒で走るか」を比べています。水泳やマラソンも同じです。この場合は、より短い時間(=小さい数字)でゴールした人が速いということになります。
これらの話は幼少期にはまだ少し難しい内容ですが、「時速は1時間でどれだけ進むかを比べているんだよ」「100m走は、100m走るのに何秒かかるかを比べているんだよ」などと声掛けをしてあげることで、条件を揃えて比べていることに気付かせることができます。

速さを話題にすることで算数感覚を磨こう

今回は速さの感覚を磨く方法として、乗り物に乗って体験してみることや、速さ比べをしてみることをご紹介しました。実際に外に出て体験した思い出が、後々に授業での理解を後押しします。どこか家族でお出かけする計画があれば、ぜひ乗り物や速さについて話題にしてみてください。

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担当カテゴリー

学び・遊び・教育

算数教材「RISU」代表取締役 今木智隆

RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。

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