入学準備、言葉や数は日常体験を大切に
ママであり、先生である4人の連載コラム。前回のあすか先生のコラムで「適時教育」の話をしましたが、日常生活で何を大切にしているのか、入学後の学習についても触れながらわが家で大切にしている日常体験をほんの一部をお伝えします。
学校の学習で「体験」を「学び」に変えていく
子どもの成長は本当にすばらしく、たくさんのことを日々吸収しています。生活し、遊んでいる中でたくさんのことを学び、身に付けています。そして体験の中で自然に学んできたことを知識として学びにしていくことが小学校の学習なのです。体験とは五感を使って実際に行うこと、要は実際に自分の身体を使った遊びです。わが家では幼児期、この体験を大切にしています。なぜなら、小学校の学習は、体験の中で自然に学んできたことを「学習」していくからです。今回は大きくわけて「頭」「身体」に分けてわが家の取り組みをお伝えします。先取をして、「足し算ができるように!」「早いうちからプロスポーツに取り組もう」ということはしていません。むしろ学校の勉強でできない日常体験こそ入学準備に必要なのではないかと私は考えています。
「頭」の土台をつくる日常体験
日常で学習つながることはたくさんあります。例えば、買い物で、子どもたちの目には本物が目に入ります。「あれなに?」「柿だね」と、答えたり「えのき持ってきてくれる?」とお願いしたり。毎回は難しいですが、余裕があるときに行っています。そして会話を通してこどもは自分の伝えたいことを伝える、相手の話を聞くといった「話す・聞く」力の基本を身に付けています。さらに「語彙力」も伸ばしているのです。私は親子のコミュニケーションを大切にしています。
算数こそ、入学前は机上の学習よりも日常で数に触れていることが大切です。例えば、わが家では現在レーズンブームです。3歳の娘に1~10個の中で欲しい数をあげています。ほぼ毎回10個です(笑)本当に10個あるか確かめる、これでいいのです。冗談で少なめにするとママ間違っているよと怒られます。遊び心を交えながら「量」を感じていくことが1年生の算数につながるのです。1年生の算数も最初は具体物を数えるところから始まります。特別なことではなく日常をちょっと楽しく丁寧に、を心掛けています。
「身体」の土台をつくる日常体験
小学校生活は体力が必要です。登下校、45分の5時間授業、園よりも広いため1日生活するだけでも疲れます。だからこそ過去のコラムに書いたように睡眠は大切にしています。そのうえで、身体全身を使った遊びを大切にしています。特別なことでなくていいのです。
人間は動物、つまり動く物です(笑)。私も動いていないと脳が働かなくなってしまいます。子どもも動くことで体力だけでなく、脳のネットワークも作られています。登園時に歩いて行く、家の前や公園で遊びたいように遊ぶ、外で楽しく遊んでいます。室内だったら真似っ子遊びも最近の流行です。四つん這いになって動物の真似をする遊びは、腕で身体を支える力がつきます。これはのちの跳び箱など体育にもつながるのです。わが家はスポーツを行うのではなく、子どもと一緒に楽しく身体全身を使って遊ぶことを大切にしています。
日常でいつも伝えたい「産まれてきてくれてありがとう」
目まぐるしく進む毎日の中で、私が意識していることは、わが子が元気でいることを当たり前にしないことです。大切なわが子だからこそ、周りと比べてしまう瞬間もあると思います。そんなとき、私はこの言葉を思い出しています。「人は長所で尊敬され短所で愛される」少し前に知った大好きな言葉です。すべてができていなくてもいいのです。みんなパズルのように凸凹しています。でもその違いがあるからこそ、できないことを助けてもらって、自分ができることで助けて、周りの人と一緒に生きていくことができるのです。できないことがあっても大丈夫、ありのままの自分を受け入れてもらった心の土台こそ、環境が変わるときに必要なのではないかと思います。
こどもからの「ママ・パパ大好き」と愛をもらっていることを当たり前にせずに。不安になった時は、産まれてきてくれたことを思い出して、日常を大切に過ごしてください。そんな日々は必ず、入学準備につながります。親子だから作れる素敵な心の土台が作れますよう願っております。