【小1】子どもの悩みを先生にうまく伝える方法
小学校の先生の経験を持ちながら、自身もママとして子育てに奮闘する4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」。先生目線で、ときにママの目線で。入学準備や、入学後の困りごとや悩みの解決方法の糸口を探ります。苦しいことがあっても、笑顔で突き進めるヒントが見つかるかも。
今回は、はるな先生。夏休み明けから約1ヶ月が経ち、小学校生活が板についてきたお子さんも多いのではないでしょうか。しかし、その一方で、学習面や生活面での困りごとが表面化したり、友人関係での悩みが増えたりするのもこの時期です。今回は、そうした学校生活におけるさまざまな悩みについて、どのように相談を進めていくと良いかについて解説してくれます。
学校への相談、上手に進めるためのヒント
わが子が浮かない顔をしていたり、「学校へ行きたくない」なんて言い出したりしたら、居ても立ってもいられないですよね。どうにかしてその不安を解消してあげたいと思うものの、具体的にどのような方法で、誰に何を伝えれば良いのか分からず、悩む方も多いのではないでしょうか。学校に相談すること自体にハードルを感じ、躊躇してしまう方も少なくありません。しかし、もっと気軽に連絡や相談をしても良いのではないかと私は思います。特に小学一年生のお子さんは、自分の状況やその時の想いを上手く伝えきれないことが多いため、保護者の方サポートが不可欠です。今回は、そうした子どもの悩みを学校に上手に伝え、スムーズに相談を進めるためのポイントを3つのステップに分けてご紹介します。
ステップ1:子どもの話をよく聞き、よく観察し、情報を集めよう
「勉強が難しい」「友達と喧嘩しちゃった」「5時間授業を受けるのが疲れる」など、子どもの悩みはさまざまです。ましてや1年生ですから、何に困っているのかすら、上手く言葉にできないお子さんもたくさんいます。そうした子どものモヤモヤやイライラ、ドキドキ、ビクビクといった感情を理解し、上手に通訳できるのは、親だからこそ成せる技なのではないでしょうか。お子さんの話に耳を傾け、様子をよく観察し、お子さんが何に困り、悩み、苦しんでいるのか、自分なりの見解を持っておくことが大切です。
お子さんが感じている困難さを理解し、具体的に学校へ伝えることが、相談を成功させる鍵になります。例えば、学習面では、「鏡文字が多い」「読み書きや計算に非常に時間がかかる」「毎日泣きながら宿題をしている」などといった家庭での様子であったり、生活面では、「体育のある日に不調を訴えることが多い」など、特定の活動や日にちに関連した問題がないか。友人関係ですと、いつ誰とどんな事があったかなどといった情報をできるだけ集め、整理し、学校に相談する際に具体的な事実を伝えられるよう準備を進めると良いでしょう。
STEP2:学校へ連絡を取ろう
まず最初の相談相手は、担任の先生です。学校で一番お子さんと関わりが深い存在である担任の先生に連絡帳や電話を使って連絡を取りましょう。ここでおすすめなのは、連絡帳を通じて「電話のアポイントメントを取ること」です。連絡帳に直接書いて伝えるのも一つの方法ですが、現在の教育現場では、教師が腰を据えて返信する時間が限られているのが実情です。そのため、時間に追われて急いで返信するよりも、放課後にしっかりと時間を取って話を伺う方が、教師としても有り難く感じます。もちろん、直接会って話したい場合は、面談のアポを取ることも良い方法です。
大切なのは、最初のやり取りでコミュニケーションミスが起きないよう、お互いが落ち着いて話し合える場を設けることです。お子さんが困っていることや悩んでいることを具体的に伝えた上で、家庭でできること、学校でできることを互いに情報を共有しながら相談していくことで、その後のやり取りもスムーズに進み、より良い協力関係を築けるでしょう。
STEP3:相談後も学校との連携を大切にしよう
相談後は、お子さんの様子に応じて、家庭での変化を担任の先生に共有し、学校での様子も定期的に確認しましょう。一度の相談で問題が解決した場合は、その変化を先生とも共有し、一緒に喜びを分かち合えると良いですね。もし継続的な支援が必要であれば、学校からのフィードバックを受けて家庭での対応を見直し、定期的に連絡や相談を続けていくことが大切です。なぜなら、家庭と学校が情報を共有し合うことで、子どもへの支援が一貫し、それが子どもにとっての安心感につながるからです。たとえば、学校での支援方法を家庭でも取り入れることで、子どもの理解がスムーズに進んだり、家庭での成功例を学校と共有することで、学校でも子どもが自信を持って取り組める機会が増えたりします。そうして笑顔を取り戻していく子ども達の姿をたくさん目にしてきました。
何か心配なことがある場合は、気兼ねなく、ぜひ学校に相談してみてください。親としての直感や胸のざわつきを大切にし、事実をもとに学校と情報を共有することで、問題解決の道が開けることが多くあります。一人で抱え込まず、担任の先生や学校と協力して、お子さんの成長をサポートしていくことを心から願っています。