友達にきつく注意してしまう…“厳しい”ことをトラブルにならずにうまーく伝える方法は?しばぴーが教えます!

友達にきつく注意してしまう…“厳しい”ことをトラブルにならずにうまーく伝える方法は?しばぴーが教えます!

芸人300組にネタを提供してきた作家「芝山大補」さんこと「しばぴー」が、お笑い芸人が使っているコミュニケーションの技術を伝授し、お子さんや保護者のコミュニケーションの悩みに答える『教えてしばぴー!人生が楽しくなる「コミュ力」レッスン』。今回のお悩みは…?

case. 今回のお悩み

わが子は正義感が強く、ルールを守ってくれない友達にきつく注意するので、トラブルにならないか心配です。友達へのうまい注意の仕方があったら知りたいです。

質問ありがとうございます。なかなか難しい問題でお悩みになられたんですね。わかりますよ〜。だって子どもってふざけたがる生き物ですもんね。

だから真面目すぎる性格は少々疎まれやすいかもしれません。しかし、歳を重ねれば重ねるほど、そういう真面目な人の存在のありがたさがわかるようになりますよ。後々、厳しい先生に怒られたことを感謝できるようになるアレです。今は不安でも未来ではきっと大丈夫なはずです。

でも知ってほしいのは、どんなに正しいことを言っていたとしても、そこに相手への「思いやりがないと言葉が届ないことがある」ということです。それは子どもでも大人でも変わらないと思います。思いついた言葉をそのまま伝えるのではなく、どうしたら相手の心に届きやすくなるのかを考える。その大切さをまずは知らなければなりません。

それがわかったなら、このメガネイケメン男子しばぴーが、相手の心に届きやすくなる伝え方をお教えしましょう(メガネ、クイッ)。

しっかりと、お子さんを守れるようにしばぴー頑張りますね(やる気の炎メラメラ)。

しばぴーにお任せを!

厳しいことを言う時に使う、2つのワザ

お笑いの世界では、厳しいことを言う時は「褒めてから伝える」か「自虐で締める」を使います。

1.「褒めてから伝える」

まずは「褒めてから伝える」の方法ですが、例えば先輩の芸人がスベった時にMCが「今のどう思う?」と聞く時は「厳しいことを言いなさい」のフリだったりします。そんなときに「おもしろくないです」と言えば先輩もリアクションを取ることができて笑いになるのですが、中には怒ってしまう先輩もいます(怒らないで〜泣)。

そういう事態を避けるために厳しい発言は必ず褒めてからするのです。では、厳しい発言を「そのまま伝える」のと「褒めてから伝える」を比較してみましょう(ここテストに出るよ〜)。

A「おもしろくないです」

B「憧れの先輩なんですが、すみません。おもしろくないです」

Bのように「憧れの先輩」なんて言われたら、厳しい発言をされても許してしまいたくなりませんか?僕ならうれしくて二回転前中返りをしちゃう!※できません

芸人はこのようにして危険な場面を回避しているのです。注意する時も厳しい内容であれば褒めてから伝えてみましょう。

たとえば掃除をせずに遊んでいる人に「サボるな」ではなく「〇〇くんのそういう元気なところ大好きなんだけど、掃除をサボらないでほしいな」と伝えるようにすれば、あ〜ら不思議!言葉を素直に受け取りやすくなりましたね!

また、言い切りを「〜しろ」という命令ではなく、「〜してほしいな」とお願いのように伝えることも効果的です。「厳しい発言はまずは褒めてから」と「お願い言葉」で伝えてみてください。

2.「自虐で締める」

もう一つは「注意した後に自虐を言う」という伝え方です。自虐というのは簡単に説明すると「自分をおとしめる発言」です。この自虐には偉そうな感じを打ち消す効果があります。ではどれぐらい印象が変わるかをみてみましょう。

A「掃除をサボらないでほしい」

B「掃除をサボらないでほしい。まぁ、そんな僕も家では掃除してなくてよく怒られてるんだけどね」

このBのように自分の失敗談を付け足すだけで偉そうな感じがなくなりますよね。ロングヘアからショートヘアにしたぐらい印象が変わりましたよねっ!

また、注意する時は「ゆっくり話す」方法も効果的なので使ってください。というのも人間は感情的になると早口になります。よく怒っている人が早口でまくし立てる光景は誰もが見たことがあるはずです。

芸人の世界では癒やしキャラの人がいます。例えば、ウッチャンナンチャンの内村さんや鶴瓶さんなどがまさにそうです。そんな癒やし系の人の大きな特徴の一つが、話すテンポがゆっくりなことです。ゆっくりした話し方は癒やしを与えます。だからこそ、厳しい内容はゆっくりしたテンポで伝えると効果的です。かといって、日が暮れるほどゆっくり話しちゃダメだよ。適度にね!

なので、この「厳しいことを言う時は自虐で締める」と「ゆっくり話す」というのも心がけてみてほしいです。

できなくても焦らず、少しずつ前に進んでいこう!

今回教えた伝え方ができれば、きっと友達からも感謝される人になれると思いますよ。なかなかできなくても焦らないでくださいね。先は長いので少しずつ前に進んでいいんですから。

今回のまとめ

では今回のまとめです。

  • 「最初に褒めてから伝える」と「最後に自虐で締める」のどちらかの方法で、相手を不快な気持ちにさせないようにする
  • 命令形ではなく、「〜してほしいな」とお願いのように伝える
  • 厳しいことを言う時はゆっくりした話し方で伝える

【TikTok】こちらの動画も参考にしてみてね!

ではみなさん!また来月っ!(ドロン)

最新書籍「お笑い脳 イヤなことをおもろいに変える芸人の思考法」予約受け付け中!

芝山さんの最新の書籍「お笑い脳 イヤなことをおもろいに変える芸人の思考法」が12月6日に発売!予約受け付け中です。ぜひチェックしてね!

※記事内のリンクから商品を購入すると、売上の一部が当社に還元される場合があります。

お笑い脳 イヤなことをおもろいに変える芸人の思考法(KADOKAWA)

しばぴーへのお悩み相談も受け付け中!

しばぴーに答えてほしい、人間関係やコミュニケーションについての悩みをお知らせください。学校の友だちや保護者同士の人間関係など、気になっていることがある人は、しばぴーに聞いてみませんか?

ナビゲーター

ネタ作家芝山大補の画像

担当カテゴリー

学び・遊び・教育

ネタ作家 芝山大補

お笑い芸人300組以上のネタ作家を務める人気お笑い講師。2007年NSC大阪校入学。2009年・2011年にはキングオブコント準決勝進出。ネタ作家に転身後は、賞レースのファイナリスト、セミファイナリストなどのネタ制作に携わる。
「笑いの力で人間関係に悩む人を救いたい」という思いから、お笑いの技術を言語化。2022年には「おもしろい話し方 芸人だけが知っているウケる会話の法則」(ダイヤモンド社)を出版し、2024年2月には7万部を達成。現在は大学や企業の講演でも活躍中。その他の著書に「お笑い芸人が教える みんなを笑顔にしちゃう話し方」(えほんの杜)がある。

学び・遊び・教育:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌