パパ同⼠の付き合いは必要?〜親同⼠のコミュニケーションがうまくできないと思っているパパへ〜
新年度が始まり、子どもの進学や進級で親同士の関わりにも変化がありますよね。そんな中、パパ同士の付き合いはどうすればよいのでしょうか?今回は「パパたちのコミュニケーション」について、大阪教育大学教授で大阪教育大学附属天王寺小学校元校長の小崎恭弘さんに教えてもらいました。
子どもたちとともに、親同士の関わりにも変化が
新年度がスタートしました。春は別れと出会いの季節ですね。子どもたちはそれぞれ入学したり進級したり、新しい環境へ飛び出していくタイミングです。新しい環境の最初はやはり不安なものです。子どもたちにとって、知らない場所や人との出会いの最初の一歩は、足の震える感覚です。けれどそれも大切な経験です。親としてその不安をなくすことはできませんが、どっしりと構えてその不安を少しでも受け止めてあげましょう。
さて、子どもたちは大きく変化しますが、当然パパたちにもそれぞれの変化が起きます。仕事や生活環境が変わることもありますね。そして同時に子どもの環境の変化に合わせて、親同士の関わりやつながりにも変化が訪れます。
新しく出会うことになるパパたちですが、パパ同士があまり積極的に関係性を作っていく場面は少ないように思います。まだまだ子育ての中心や子どもに関わることは、ママがメインという家庭が少なくないからでしょうか。なんだか一歩引いた感じで、子どもの環境に関わっているように感じます。
もちろんどちらがメインになってもいいですし、うまく役割分担やバランスを取れれば良いですが、最近はパパが育児のメインの家庭もたくさんいます。素敵なことだと思います。パパたちにも子育ての楽しさを実感してほしいですし、この変化のタイミング、新しい出会いの機会にぜひ、パパ友を作ってほしいと思います。
パパ友の素敵な効果とは
なぜパパ友がいると良いのか、ここではパパ友の素敵な効果を3つ紹介しましょう。
1.情報がたくさん入ってくる
新しい環境において困るのは、その環境の情報が少ないということです。保育施設や小学校では、その施設ならではのルールや行事など独特の文化があります。慣れてしまえばなんの問題もないのですが、最初はやはり戸惑います。そんな時、パパ友ネットワークの情報や、何気ないアドバイスはとてもありがたいです。良きスタートのためにも、つながりを大切にしましょう。
2.子育てが楽しくなる
子育ては楽しいことたくさんあります。しかし時には大変なことや上手くいかないこともあります。その両方があるからこそ、子育ての醍醐味が味わえるのです。しかしそれらを全て抱え込んで行うのは、なかなかに大変です。喜びは分かち合うことで、何倍にも楽しく感じられます。また悲しみは人に話すことで癒やされます。そんな子育てを一緒にできたり、また子どもの成長を互いに感じ合える関係性は素敵です。パパ友は子育てを楽しむための最強のパートナーです。
3.自分の人生が豊かになる
パパたちには友だちはいますか?また何人いますか?もちろんこれらは人によってそれぞれです。「めんどくさいから友だちなんかいりません」という方もいます。けれど心を許せる友だちや困った時に助けてくれる友人がいることは、決して人生のマイナスではありません。
パパ友作りのきっかけは?
どうしたらパパ友ができるのか?そのきっかけのひとつは、共通の体験だと思います。子育ては親同士の親和性が極めて高いものです。夜泣きの大変さや病気の辛さ、また子どもかわいさや成長の節目など。その共通項をお互い理解しながら、関係性を作るきっかけにしてほしいです。そのことはパパ自身の人生やつながりを豊かにすることにもつながります。
このような効果があることを考えると、パパ友を作らないのはもったいないと感じます。初対面の人に話しかけることや、パパ友になろうと伝えることはとても勇気のいることですし、なかなかハードルは高いと思います。いきなりそんなことを目指す必要はありません。最初に少し挨拶したり、それぞれに自己紹介したり、子ども同士が仲良くなったり、いろいろなきっかけがあると思います。そんなきっかけを大切にする意識が、パパ友作りの第一歩です。素敵なパパ友を作りましょう!
教えてくれたのは
小崎恭弘さん
大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校元校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。
http://kasei.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/teachers/5.html