「片付けないと捨てるよ!」は正しい? 子どもとの「ルール作り」鉄則とは

「片付けないと捨てるよ!」は正しい? 子どもとの「ルール作り」鉄則とは

あんふぁんWebをご覧のみなさん、こんにちは!子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長の杉山です。「小さいうちに正しい生活習慣をつけておくことが大事!」って言いますけど、これが結構難しい。というか、もしかしたら一番の難題なのかもしれません。というのも、「食べたら歯を磨く」はまだわかりやすいとしても、「早寝早起きしないと大きくなれない」なんて言われてもピンときませんし、「お風呂を早く入らないといけない」のも比較的大人の都合であることが多く感じます。

子どもにとって正しい生活習慣って理解するハードルはかなり高いと思います。とはいえ、だからといって放っておいていいわけではありません。少し大きくなった時にあまりに自由すぎると困ります。そこで、親としては、理解できなくてもやってもらうために、いろいろなルールを作ることがあると思います。

例えば、「これ片付けないと捨てちゃうからね!」みたいなやつです。

自分の経験から考えたこと

自分自身が子どもの頃、もちろんわが家にもいろいろなルールがありました。

「トイレットペーパーは無くなったら新しいのを用意する」とか「玄関で脱いだ靴は揃える」といった、それほど珍しいものでもなく、守るのも別に嫌ではありませんでした。ただ、納得できなかったのは、「パパはOK」ルールです。うちの父親は、こういうのを全然守りません。そして、それを突っ込むと「あーはいはい」という、またなんとも言えない反応をするのです。ついでに言うと、兄たちもあんまり守らなかった。
「なんで、僕だけ守らないといけないんだろう??」
そんなことを考えたことはたくさんありました。だからこそ、自分は親になってからは子どもに伝えたルールは極力守るようにしています。もちろん、極力であり、全部は守れていないのですが…。

「◯◯しないと捨てるからね!」を実行した

実際、こういうルールを先に破るのは大人の方が多いと感じています。例えば、先ほどの「これ片付けないと捨てちゃうからね!」というルールは最も危険な匂いがします。だって、捨てられないですよね?笑  
物にもよりますけど、こちらが買ったものですし。でも、それが子どもたちにとって「あ、片付けなくても捨てられないな」ということに繋がってしまいかねません。そう考えると、うかつなルールも作れなくなります。

ちなみに僕はそれを気にしすぎて、長女に買ったローラーシューズを1週間で捨てました。「お店で乗ったら捨てるからね」と言ってしまったからです。高かったのに。

そこまでしなくてもよかったみたいです

これで本当によかったのか?やりすぎかな?と思ったので、アドラー心理学を基にした子育てのメソッドを伝えている熊野英一さんに聞いたことがあります。確かに、親が先にルールを破りがちであり、かつそれによって子どもは「守らなくてもなんとかなる」ということはあるようです。また、ルールを決めて守れるように促すこともいいですが、何より親が手本となって行動で示すことが大切とのこと。言われてみれば当たり前のことですが、これがなかなか難しいですよね…。

そして、気になる僕の対応はどうだったのか?
「間違ってはないけど、そこまでしなくてもいいかな」
とのことでした。でも、それじゃ子どもに示せないのではないでしょうか?と思ったら、熊野さんからアドバイス。

「本当に捨てないで、『ちゃんと守れると信じているから、もう一回やってみようか』と、信じている姿勢を見せる方法もあると思います」
とのこと。なるほど、そんな方法もあったとは…。なんだか、自分がそのルールを守ることにこだわりすぎていたような感じが恥ずかしいです。
そして、もうひとつ。大事なことを教えてもらいました。

ルールとペナルティーは親が勝手に決めない

熊野さんによると、ルールを決める時には、必ず同時に決めた方がいいことがあるそうです。それは「ペナルティー」です。

例えば、「動画を観るのは30分まで」と決めたとすると、もしそれを守れなかった時には「次の日は動画を観られない」という具合です。そして、そのペナルティーを親も守ること。つまり、夫婦ゲンカのあとでイライラし、30分経った瞬間にブチギレて、次の日動画を観られないどころか「もうおやつもなし!」としてしまうのはNGということです。

もしも、そんなことになってしまったら、子どもからすると「聞いてない」という状況になってしまいます。ルールを守ることも大事ですが、そのペナルティーも含めて守ることが大事なんです。確かにスポーツのルールも、ペナルティーまで決まってますから、考えてみれば当たり前の事なんですが、結構おろそかにしがちです。

そして、もうひとつ。どんなルール&ペナルティーを決めるとしても、親が勝手に決めないことも大事だそうです。

確かに大人だって勝手に決められたルールやペナルティーに従うのは嫌なものですよね。子どもとはいえ、一人の人間として尊重するのであれば、当然のことかもしれませんし、納得感がある方が守ろうとするような気がします。
もっと早く知りたかった…。とは思いつつ、現在12歳の次女については、これを踏まえて今後はいろいろなルール&ペナルティーを、一緒に考えていこうと思います。

…なんか、ちょっと面倒くさくなっていました汗。
でも!頑張ります!

皆さんもルールが必要だと思ったら、ちょっと頭の片隅に置いておいてもらえたらと思います。

この記事を書いたのは

杉山錠士
1976年、千葉県生まれ。兼業主夫放送作家(株式会社シェおすぎ所属)。子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長。ファザーリング・ジャパン会員。アドラー心理学勇気づけ勉強会ELMリーダー。品川区内小学校の現役PTA会長。20歳と12歳という年の離れた2人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、「ちょうどいいラジオ」(FMヨコハマ)「宮﨑薫のHump Night With Me」(TOKYO FM)などFMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。FJ内プロジェクト「秘密結社 主夫の友」では広報を担当。「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。
■著書
*新ニッポンの父ちゃん~兼業主夫ですが、なにか?~(主婦の友インフォス情報社)
*急に「変われ」と言われても(共著:熊野英一 小学館クリエイティブ)

ナビゲーター

兼業主夫放送作家杉山錠士の画像

担当カテゴリー

学び・遊び・教育

兼業主夫放送作家 杉山錠士

1976年、千葉県生まれ。兼業主夫放送作家(株式会社シェおすぎ所属)。子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長。ファザーリング・ジャパン会員。アドラー心理学勇気づけ勉強会ELMリーダー。品川区内小学校の現役PTA会長。20歳と12歳という年の離れた2人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、「ちょうどいいラジオ」(FMヨコハマ)「宮﨑薫のHump Night With Me」(TOKYO FM)などFMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。FJ内プロジェクト「秘密結社 主夫の友」では広報を担当。「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。著書に「新ニッポンの父ちゃん~兼業主夫ですが、なにか?~」(主婦の友インフォス情報社)「急に『変われ』と言われても」(共著:熊野英一 小学館クリエイティブ)

学び・遊び・教育:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌