早生まれは大変…ではなかった!育てて感じるメリットとは

早生まれは大変…ではなかった!育てて感じるメリットとは

わが家の次女は2月末生まれです。長女が5月生まれのため、次女が生まれるまでは「早生まれ」についてあまり意識していなかった私ですが、次女が生まれた時、周囲から「早生まれで大変だね」と声をかけられることの多さに驚きました。
今回は現在3歳2か月の次女を育てる中で、私自身が感じたこと、保育士の先生に聞いた早生まれの子どもへの対応などを紹介します。

「早生まれ」とは?

早生まれの定義は「1月1日から4月1日までの間に生まれたこと。その人」(岩波国語辞典第7版新版)とされています。小学校の学年は「4月1日に始まり翌年の3月31日に終わる」と国は定めており、4月1日に満6歳になっている子どもが入学できるとされています。つまり、早生まれの子どもは、年度初めのころに生まれた子どもに比べ、1歳近く違うことになります。
次女が保育園の1歳児クラスに入園したのは4月で、そのとき1歳1か月。まだ歩けずハイハイの状態でしたが、クラスには歩けない子どもは次女しかいませんでした。クラスの大半がすでに1歳半を迎えており、歩くどころか走り回っていました。
次女だったこともあり、「頑張るんだぞ!」とおおらかに見守ることができましたが、初めての子どもだったら違ったかもしれません。「大丈夫かな?」「ついていけるかな?」と心配になっていたと思います。

早生まれは不利?

保活問題

早生まれで一番最初にぶつかるのは保活問題だと思います。労働基準法の観点からすると、保育園に入れるのは最短でも生後57日以降。1月生まれであれば4月から入ることもできますが、2月生まれ以降は4月から入ることはできません。1年間は育休をとりたいと考えるお母さんも多いと思いますが、4月の時点で多くの自治体の0歳児クラスは埋まってしまっているため、その後途中入園することは非常に難しい状況となっしまいます。
そうなると次は1歳児クラスからの入園を目指すことになりますが、これがまた激戦…! ほとんどの在園児がそのまま進級するため、そもそもの枠が非常に少ないのです。わが家の場合は次女だったため、姉妹枠で長女と同じ保育園の1歳児クラスに入ることができましたが、私のまわりでも1歳児クラスからの入園に苦労しているお母さんはたくさんいました。友人は1歳児クラスから入れるよう、無認可保育園に入れて加点ポイントを稼いだり、隣の駅まで範囲を広げて保活をしたりしていました。

不利な面以外によかったことも
保活については確かに不利な面が大きいと思います。ただ、よかったと感じることもありました。
長女は10か月で保育園に入ったため、1歳まで家で成長を見守ることができませんでした。はじめての育児休暇からの復職で、1歳にならない子ども保育園に預けることへの葛藤や、はじめて歩く姿や言葉を発する姿を見れないのか…など複雑な気持ちを抱えていました。でも次女の時には、1歳のお誕生日をお祝いし、すっきりとした気持ちで「いってらっしゃい!」「広い世界に飛び込むんだ!」という気持ちで送り出すことができたのです。これは2人目だからということが大きいかもしれませんが、1歳まで見守れるかどうかということは、個人的な気持ちの区切りとして大きかったように感じています。

心身の成長の差

入園したときにひとりだけ歩けなかったというエピソードからも分かるように、月齢が小さければ小さいほど、早生まれの子とそれ以外の子どもとの成長の差は大きく感じます。
例えばトイレトレーニング。次女が通う保育園では1歳児クラスからゆるくトイレトレーニングが始まり、2歳児クラスの夏には全員パンツで過ごすようになっています。もちろん月齢に応じて個別に対応はしてくれるのですが、クラスの流れもあり、次女はほかの子が始めた月齢に比べてかなり早めにパンツでの生活が始まりました。そのためお漏らしの回数が多いこと! 毎日大量の着替えやお布団を持ち帰ってくるので、何度も先生に「まだうちの子には早いのでは…」と相談しようと思ったほどです(笑)。

苦労したトイトレ…でも3歳前に完了!
長女も同じ学年でパンツ生活は始まっていたものの、その時の月齢の差はなんと9か月!「そりゃこうなるよなぁ…」と思いながら親子ともども頑張った結果、3歳になる前にはすっかりオムツを卒業することができました。まだ言葉もうまく話せない本人にとってはスパルタだったかもしれませんが、その結果早く取れたことを考えると、早生まれならではのメリットだったのかもしれません。
「ついていけなくてかわいそうだし、心配…」という気持ちもありますが、まわりに比べて小さいうちからいろいろなことにチャレンジしたり、教育を受けられることは、ある意味メリットになっていると感じています。

早生まれで「得してるな」と感じること

先輩に囲まれている

トイレトレーニングの件からも分かる通り、早生まれの次女には常に身近に目指すべき人やものが存在します。それがいい刺激になり、次女を見ていると、「私も早くできるようになりたい!」「私にもできるはず!」という気持ちが強いなといつも感じます。
5月生まれの長女はクラス内で常に先輩の立場にいるのですが、その長女と比べると次女のハングリー精神や負けず嫌いな性格は際立つものがあります。現時点では自分ができないことに劣等感を感じている様子もなく、できるようになってやる!という気持ちでなんでも果敢に挑戦する姿を頼もしく思います。
同じ早生まれの子を育てる友人も、早生まれだとちょっとできるだけで褒めてもらえることがあり、「劣等感どころか自己肯定感が高まる」と話していました。確かに4月生まれの子ができないと心配されることも、早生まれだと「仕方ないね」「そのうちできるようになるよ」と言われることが多く、親から見ても得してるなと思うことがあります(笑)。

みんなの愛情がたっぷり

乳児クラスでは、早生まれの子はどうしてもまわりに比べて身体も小さく、成長も遅いことがあります。でもだからこそ、みんなに手を差し伸べてもらう姿が見られます。まだまだ危なっかしいために、先生たちの目もよく届き、月齢の高い子たちにもたくさん助けてもらっています。かけっこをしたときは次女が一番遅く、みんなに応援してもらっていたという話をしょっちゅう聞きます。
「みんなひとりでやっているのに、うちの子だけ先生と一緒に…」なんて思うこともあるかもしれませんが、私は逆にみんなの愛情をたっぷり感じて育っていることを嬉しく思っています。自分が困ったときには先生やお友達が助けてくれること、素直に手伝ってほしいと言えることは成長する上で大事な力だと思います。
逆に長女はお手本になることが多いために、先生に自分ができない部分を見せることが苦手です。もちろん性格の差はあると思いますが、もしかしたら生まれ月の違いからくるものもあるのかなと感じています。

「早生まれ」ではなく「個性」と捉えて

私自身も最初から「早生まれ」を気にしていなかったわけではありません。どうしても長女の時と比べてしまうことがあり、保育園の先生に相談したことがあります。その時に「お母さん、それは早生まれだから遅いのではなく、単なる個人差、個性ですよ。早生まれであることを意識せずに見守ってあげてください」とアドバイスをもらいました。
その時に「早生まれ」を意識しているのは私だけで、本人はそんなことはまったく気にしていないことにハッとしました。「早生まれだから〇〇」と決めつけずに、ひとりの子どもの個性としておおらかに見守ることが大事だということを新ためて認識させられたのです。

先生も早生まれを意識せずに指導している
また幼児クラスになると特に、保育園の先生も早生まれを意識しないように接しているそうです。「この子は早生まれだからできなくても仕方がない」ではなく、みんなと同じように指導することを心掛けているとのこと。先生が意識してしまうと他のお友達も「〇〇ちゃんはまだ小さいからできないんだ」と意識してしまい、それが本人の劣等感や甘え、時にはいじめにつながってしまうとおっしゃっていました。
「早生まれだから」「小さいから」ではなく、困っている子がいたらみんなで助けてあげようという指導をしているという話を聞き、親である私もそうやって接することが大事だなと感じました。

親としてできることを

意識しない、させない

早生まれの子を持つ友人が、「あなたは早生まれだから」と言いすぎて、子ども自身が何かできないことがあると、「私は早生まれだから」と言うようになってしまったという話を聞いたことがあります。先生の話も踏まえて、まずは親である私が「早生まれ」を意識しないことを心掛けています。
そしてこれは早生まれの子に限らずですが、ほかの子と比べないこと、成長の差を感じても本人に伝えず、できるようになったことを褒めるということを意識しています。親が口にする言葉によって、自分はまわりより成長が遅い、できなくて恥ずかしいと思わないように気をつけようと思っています。

学習は早めに

これまでは意識しないように育ててきましたが、幼児クラスになった今、学習だけは少し早めを意識しようと思っています。
娘たちが通う保育園では、ひらがなの学習が始まるときにはほとんどの子がすでに読み書きができる状況です。同じクラスでスタートした時、自分だけまったくわからないという状況にならないように、少しだけ早めに家で教えてみようと思っています。次女の場合、常に長女という大先輩が近くにいるので、長女につられて何事も早めに興味を持ち始めていますし、長女自身も自分の役割だと思って、張り切って先生役をやってくれています。本人に「早生まれなのだから努力しなさい」と言うのではなく、親がその子に必要だと思ったサポートをしてあげることが重要だと思います。
幼児クラスに入るといよいよ小学校も視野に入ってきます。小学校に入ると月齢など関係なく、みんな一斉にスタートします。そうなった時、自信をもってみんなと一緒にスタートが切れるように、これからも親として背中を押していってあげたいと思います。

向上心や自己肯定感を糧に

長女は何でもみんなより早くできることで自信をつけていましたが、次女ができないことで惨めな思いをしているかといえば、そんなこともありません。むしろみんながやっていることは必ず自分もできると思ってどんどん挑戦し、できることが増えている印象があります。もちろんこの先、できなくてつまづくことや悲しい思いをすることはあるかもしれませんが、保育園生活で培っている向上心や自己肯定感を糧に、乗り越えてほしいなと思います。
ちなみに夫も早生まれですが、早生まれを理由に「自分だけできない」と劣等感を感じたことはないそうです。そう感じることなくこれた背景には少なからず、親の接し方やサポートがあったのではないかと思います。

ライター

こどもりびんぐ&あんふぁん編集部の画像

こどもりびんぐ &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

学び・遊び・教育:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌