年長さん、入学前の今のうちから「自分でできる」ことを習慣化する方法
小学校の先生の経験者であり、自身もママとして子育てに奮闘する4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」。先生目線で、ときにママの目線で。入学準備や、入学後の困りごとや悩みの解決方法の糸口を探ります。苦しいことがあっても、笑顔で突き進めるヒントが見つかるかも。
今回はりな先生。年長さんは、いよいよ入学まであと約4ヶ月。入学までに「習慣化」させるコツがあるようです。
1年生になったからといって、いきなり全てのことができるわけではありません。「1年生なんだからやってね」ではなく、個人差を理解しつつ、入学前から少しずつ自分でできることを増やしていくといいでしょう。
習慣化が心強い味方になる理由
「習慣化」とは、「それを日々行うのが当たり前になること」と言えるでしょう。習慣は、すぐに身に付くものではありません。ですので、1年生になる前から少しずつ自分でできることを増やしていける環境が整えていきましょう。
なぜ習慣化が大切、と言うのか。2つの理由があります。
まず、「自分のことを自分でできることによって、自信がつく」ことが挙げられます。「自分でできた!」ということを実感すると、子どもたちはとても喜びます。その喜びを繰り返していくと、自分でできることが増えていきます。自分であんなこともこんなこともできる、というのは自信につながっていきます。 また、「土台がしっかりしていれば積み上げられる」ことも挙げられます。「学校の準備が1人でできる」という土台がしっかりすれば、その上に「宿題をする」「習い事の練習をする」などが積み上がっていき、それらが習慣化するとさらに上に積み上げることができます。
入学前に習慣化したいこと
では、入学前に習慣化ができそうなものを挙げてみます。もちろん個人差はありますので、お子様の状態に合わせて見ていただければと思います。
- 脱いだ靴を揃える
- 帰ってきたら手洗いをする
- 園で使ったものを洗濯カゴへ(ハンカチ1枚でも)
- 明日の園の準備をする(1つでも)
- 出したおもちゃを片付ける
- お手伝い(タオル1枚たたむ、お皿を1枚洗うなど)
- 食事の準備(テーブルを拭く、お箸を並べる、おかずを皿に取る、など)
- 風呂(脱いだ服をカゴに入れる、自分で洗う、拭くなどの範囲を広げていく)
どうやって「習慣化」するか
問題は、これらをどう「習慣化」するかです。
まずこちらの心構えとして、「今までやっていないことなのだから、簡単にはうまくいかない」と思っておくことです。出来るだけ早くこうなってほしい、という願いは外に出さず「ゆっくりいこう」という気持ちでゆったりと構えて欲しいと思います。 ではどんなやり方がいいのか。落ち着いている時に、親子で作戦会議をしてみてください。「1年生に近づいてくるから、少しずつ自分でできることを増やしていこうか」と声を掛けます。ハードルはまずはかなり低くしておいて、「今からでも達成できそうなこと」にしましょう。大きな階段が目の前にあっては、挑戦する気持ちが弱くなったり「できなかった」と自信を失ったりしてしまいます。小さな階段でもいいので、確実に「できた!」という達成感を味わえるようにします。
注意したいこと
「これをやってみよう!」と決まれば、早速やらせてみてください。ここで注意して欲しいのは、「信じて任せて、見守る」ということです。手伝いたくなりますが、せっかくやろうとしている気持ちがあるので、すぐには手を出しません。きっと、難しい場面に直面すると、お子様は例えば以下のサポートを望むと思います。
- 自分1人でやるから見ないでほしい
- 隣で見ていてほしい
- 少し手伝ってほしい
- 声に出して応援してほしい
お子様の求めるサポートに合わせて、「じゃあ〜しようか?」と確認して進め、だんだんと手を離していくと良いと思います。
また、どうしても周りの子と比べてしまいたくなることもあるかもしれません。でも、比べるのは「過去のその子自身」です。
最後に「小さくてフワフワで何もできなかったのに、もうこんなことまでできている」という気持ちを忘れない、ということです。私の反省ですが、トイトレでイライラしてしまったり、「あとちょっとでできるのに」なんて思ったりしたこともあります。でも、「ここまで成長しているのってすごいこと」なのですよね。忘れそうになっては思い出します。