子どもの事故は室内が過半数!今こそ身近な危険を再確認
ここ数年、夏の暑さが尋常ではないですね。今年もかなりの暑さが予想され、小さい子どもとはなかなか外に出にくい状況だと思います。それに伴い、増える危険があるのが室内での子どもの事故です。家の中は安全だからと考えがちですが、実は室内にも思いがけない危険がいっぱい!
今回は、京都市にある「京(みやこ)あんしんこども館」の看護師さんに聞いた「室内での事故」についてまとめました。
子どもの事故は家庭内事故が過半数。くつろぎタイムの居間での発生が多い
子ども(14歳まで)の事故と聞いてどんなものが思い浮かびますか? もちろん交通事故など屋外での事故も多いですが、発生場所で見ると、家庭内が約6割、家庭外が3割で圧倒的に家庭内事故が多くなっています。
中でも、居間での発生が最も多く、発生時間帯は18時~20時という夕食の時間からその後のくつろぎの時間です。この時間帯は大人のリラックスタイムでもありますが、子どもの行動にしっかりと目を向ける必要がありそうです。
心がけ次第で、誤飲・やけどは大幅に減らせる!
居間で起こる子どもの事故で多いものは、転倒・転落、衝突で半数弱を占めています。
【転倒・転落、衝突】
子どものソファからの転落などは親がそばにいても一瞬目を離した隙に起こります。しかし、一瞬たりとも子どもから目を離さないことはどんなにがんばっても無理ですね。だから、仮に目を離しても大丈夫かどうかをあらかじめしっかり点検しておくことが大切です。
また子どもに対しても、ソファや高いところにのぼるようになったら、「上にあがると危ないよ」と声かけをしたり、安全な降り方を教えるなど、成長にともなって言葉と行動で教えていくことも必要です。
【誤飲・やけど】
転倒・転落、衝突に次いで、誤飲とやけどが多く、その2つだけで居間での事故の3割近くを占めています。しかし、保育園での事故内容を調べてみると、誤飲・やけどはほぼ発生していないというデータがあります。
これは、事故原因となるものが保育園ではきちんと片付けられているからだと考えられます。つまり。家の中でも大人の心がけ次第で、事故を防げるということですね。大人が快適に過ごせる空間というのは、小さい子どもにとっては危険なものも多いということを改めて認識する必要があると思います。
誤飲を防ぐために
京(みやこ)あんしんこども館では、誤飲チェッカー(チャイルドマウス)というものを用意して、その中にどのくらいのものが入るのかを試せるようになっています。
ちなみに、3歳児では、直径39mm・長さ51mmまでのものは誤飲する可能性があるとのこと。実際に試してみるとよくわかりますが、「これは無理でしょ」と思うようなミニカーも誤飲の可能性があることに驚きました。どの大きさが誤飲につながるのか、一度確認して、実感してみることをおすすめします。保護者の目が届かない時間帯は、その大きさのものに子どもが触れることがないようにすることで、誤飲を防ぐことができますね。
京(みやこ)あんしんこども館では、写真のように、実際にどのくらいのものが子どもの口に入るのか誤飲チェッカー(チャイルドマウス)を使って実際に試してみることができます。
また、家で誤飲チェッカー(チャイルドマウス)を作ることができるようにキットを持ち帰ることもできます。
階段・風呂・玄関・ベランダでの事故はここを注意!
居間のほかにも、室内で起こりやすい子どもの事故について頭に入れて、未然に防げる事故が起こらないよう備えましょう。
【階段】
はいはいができるようになると階段は危険ゾーン。階段の上下にベビーゲートをつけましょう。もし赤ちゃんが階段を使ってしまったら、登り降りの途中で声をかけずに、赤ちゃんの下の位置で転落しないようサポートしましょう。
【風呂】
お風呂場は浴槽での溺水が子どもの死亡事故に直結するという意味で一番危険な場所といえます。入り口にはカギをするなど工夫をするとともに、入浴中は子どもから絶対に目を離さないようにしましょう。
【玄関】
玄関ではドアで手や指をはさんだり、家の床からたたきに落下するなどの事故が多く起こります。ドアの隙間に指を挟まないように、カバーをしたり、落ちたときの衝撃を吸収するためにマットを敷くなどの工夫をしましょう。
【ベランダ】
ベランダからの転落事故は後をたちません。子どもをひとりにしないように気をつけましょう。また、柵の近くに踏み台になるような、クーラーの室外機・古新聞の束などを置かないようにしましょう。
大人のくつろぎタイムが要注意!防げる事故が大半
居間で過ごす時間や夕食後の気持ちがゆったりしている時間帯の気のゆるみが原因になることも多い室内事故。未然に防げることも多いので、事前にどんな事故が起こりやすいのか、どういう場面で起こりうるのかを知って気をつけるようにしましょう。
京都近辺にお住まいの人は、京(みやこ)あんしんこども館の見学もおすすめです。実際に居間や台所に模した部屋があり、そこで起こりうる危険を細かく知ることができますよ。
■取材協力
・京(みやこ)あんしんこども館
■参考資料
・「子どもの事故防止実践マニュアル」(改定17版)
発行:京都市子ども保健医療相談・事故防止センター/京都市子ども若者はぐくみ局子ども若者未来部子ども家庭支援課