危険です!親のイライラが子どもに与えるデメリット5つ
子どもとかかわる中で親がイライラしてしまうのはよくあることだと思います。しかしそのイライラが、子どもの人格形成に影を落としてしまうこともありますので注意が必要です。
今回は、親のイライラが子どもに与えるデメリットにはどのようなものがあるのか? そして、できるだけイライラしないように過ごすための視点の変え方について、心理カウンセラーの立場から解説します。
親のイライラが子どもに与えるデメリット
親自身も「イライラしてばかりではダメだよね」と気づいていることが多いと感じます。「なんでこうなってしまうのだろう」と自分を責めてしまうこともあるでしょう。しかしそのイライラが子どもにどのような影響を与えるのかについては、何となくしか思い描けないこともあるかもしれませんね。
まずは、親のイライラが子どもに対してどのようなデメリットをもたらすかを改めて確認してみましょう。
●子どもが自分を責めるようになる
親がイライラしているのは子どもがやったこと、あるいはやらないことが原因。もちろん子どもの人格や存在に対してではありません。しかし子どもは、行動と存在を分離して理解をすることができないので、自分自身の存在に対して親がイライラしていると考えるようになります。
結果的に子どもは「自分にとって大切な存在である親が、自分のせいでイヤな思いをしている」と自分の存在そのものを責める心理になるのです。
●親や他人の顔色をうかがうようになる
親がいつもイライラしている子どもの中には、無意識に「親をイライラさせないようにしよう」という心理が働き、親の顔色をうかがって行動するようになるケースがあります。このような場合、親だけではなく他人に対しても自分をきっかけに機嫌が悪くなるのではないかと恐れを抱き、相手の意図に沿った行動をしようとします。
●自分の要求を素直に出せなくなる
「自分の欲求を素直に出すと、親がイライラする」ということを身をもって学んだ子どもは、自分の欲求を出すことに対して無意識に「悪いことである」と考えるようになるため、自分の欲求を素直に出すことを徐々にやめてしまいます。
これは幼少期だけではなく、大人になってからも自分と向き合うことがうまくできなくなる、人間関係をスムーズに築けなくなるなど、さまざまな問題を残してしまうことにつながるかもしれません。
●子どもがほかの子に乱暴な態度で接するようになる
親がイライラすることによってガマンを重ねることの多い子どもは、そのイライラをどこかで発散しようとし始めます。しかし家庭では親のほうがイライラしていて、発散は不可能なため、ほかの子どもに乱暴に接することで発散してしまうことがあるでしょう。
●家の外でいじめや仲間外れなどをする
態度が乱暴になるのと同様、いじめや仲間外れをするようになることもあります。これも子どもにとってはストレス発散のひとつですが、許されるものではなく、親にとっても大きな問題に発展する可能性があります。
イライラしたときの対処法!イライラを収める視点は?
イライラの対処法としておすすめなのは、イライラの原因をプラスに変える視点をもつことです。そうは言ってもそれができれば苦労しない!と思いますよね。実はそれにはちょっとしたコツがあるのです。
●「言うことをきかない=子どもの成長の証」と考える
イライラするときというのは、突き詰めれば子どもが親の思い通りに動かないときがほとんどです。親がこう言っているのに、子どもは言う通りにしない! ついイラッとしますが、ちょっと待って。
言う通りにしないということは、子どもが自分の意志をもって活動をしているということ。つまりそれは、子ども自身の成長の証です。そしてそれは、親がきちんとかかわってきた、頑張ってサポートしてきた証にほかならないととらえなおしてみましょう。
●「言うことをきかない=子どもが何を考えているのか知るチャンス」
子どもが言うことをきかないときは、親と違うことを考えているときです。つまり、子どもが何を考えているのかを知るチャンスでもあります。
イライラを表面に出すのをこらえて、子どもがどうしたいのかという意志を把握することに努めましょう。言葉が分かる年齢なら、ゆっくりと「どうしたいの?」とヒアリングしてみるのがおすすめです。何を考えているのかがわかると、指示の出し方や対処法も見えてくることがあります。
●発想の転換!イライラの原因は子どもの長所
親がイライラしているポイントは、実は子どもの長所であることもよくあります。たとえばよくあるのは、子どもの行動が遅い!ということ。親は早く動きたくて、なんで早くできないんだろう?と考えてしまいますが、子どもはひとつのことを丁寧にやっていたり、自分の興味を突き詰めていたりと、子どもなりに進化を続けているものです。
これはもしかしてこの子の長所なのでは?と考えることで、イライラが軽減し、長所の伸ばし方を考えられるようになるでしょう。
親の対応が変わると子どもが変わる!
実は、親の対応がポジティブになってくると、子どもも変化してくることがよくあります。子ども自身の気持ちが安定することで、素直に親の言うことをきけるようになったり、自分に必要なことを冷静に判断できるようになったりすることで、徐々に変化していきます。
ただそれは徐々になので、一朝一夕にはいきません。がんばってもイライラが収まらない…ということもあるでしょう。そんなときは1日の終わりに、今日あったよいことや、見つけた子どもの長所を、日記に書き留めるのがおすすめです。自分が頑張ったこと、自分への褒め言葉も含めて書き出してみてください。
親だって頑張っているのに、それを誰からも認められないことがイライラにつながります。子どもに褒め言葉が必要なのと同じく、大人にだって褒め言葉は必要なのです。まずは遠慮なく、頑張っている自分を褒めるところから始めてみましょう。