算数の繰り上がり・繰り下がりを克服!家庭でできる計算力アップのヒント

算数の繰り上がり・繰り下がりを克服!家庭でできる計算力アップのヒント

小学校の先生の経験を持ちながら、自身もママとして子育てに奮闘する4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」。先生目線で、ときにママの目線で。入学準備や入学後の困りごとや悩みの解決方法の糸口を探ります。苦しい事があっても、笑顔で突き進めるヒントが見つかるかも。今回は、はるな先生。家庭でできる計算力アップのヒントについて解説します。

「ウチの子、計算が苦手かも?」と思ったら

算数の学習も山場を迎え、グッと難しくなった2学期。繰り上がりや繰り下がりの計算に苦戦し、算数に苦手意識を持つ子が増えるのもこの時期です。計算を嫌がるお子さんの姿に不安を覚え始めている方も多いのではないでしょうか。中には、指を使って計算したり、計算間違いが続いたりすることで、「このままで大丈夫かな?」と悩む保護者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一年生のこの時期は暗算で素早く計算することにこだわらず、数の概念を丁寧に理解し、計算の仕組みをしっかりと身につけることが大切です。今回は、そうした「数の概念」や「計算の仕組み」を理解するために、家庭でどのようなサポートができるかを解説します。

指やブロックを使うことが暗算の近道⁈

「指を使って計算するのは良くないのでは?」と思われることもありますが、実は指や具体物を活用することは暗算を身につける上で大切なステップです。なぜなら、指やブロック、数カードなどを使って、数を視覚的・具体的に捉えることで、計算のイメージがつきやすくなるからです。たとえば、足し算の計算の場合、5個のブロックにさらに5個を加えると10になる、という視覚的な理解を通じて、計算の仕組みをより深く理解することができます。こうした具体物を使った練習を繰り返すことで、数の構造が自然に身につき、やがて指や道具に頼らなくても計算ができるようになります。「指を使うことは恥ずかしいことではなく、計算を正確に行うためのプロセスの一部」という意識を持ち、お子さんが自信を持って取り組めるようにサポートしましょう。

10の合成分解が一年生算数の肝!

1年生の算数で計算力をつけるための重要なポイントは、「10の合成分解」をしっかりと身につけることです。「10の合成分解」とは、10という数を「7と3」「6と4」のように、複数の組み合わせに分解したり、逆に合成したりする感覚を習得することです。この基本的な数の操作を習得することで、繰り上がりや繰り下がりの計算がスムーズに行えるようになります。苦手意識のあるお子さんには、計算カードだけでなく、数図カードやおはじきを使って視覚的に理解させる工夫をするとよいでしょう。また、トランプを使った「10を作る神経衰弱」や「10を作るババ抜き」などのゲームを取り入れることで、楽しく自然に10の合成分解を身につけることができます。こうした基礎力を確実にすることが、繰り上がりや繰り下がりの計算だけでなく、2年生以降の難しい計算にスムーズに進むための大切なカギとなります。

焦らず温かく寄り添うことが、何よりもの秘訣!

計算に苦手意識を持つお子さんには、まず「できること」を見つけて褒めることが大切です。「指を使って正しく計算できた」「素早く10を作れた」など、小さな成功体験を積み重ねることで自然と自信を取り戻すことができます。そうして少しずつ自信を回復させながら、指や具体物を活用して数の構造を理解したり、「10の合成分解」を楽しく繰り返し練習できるよう取り組んでみてください。こうした取り組みを続けることで、計算の基礎力が着実に身についていくはずです。焦らず温かく見守りながら、お子さんが「できる喜び」を感じられるようサポートしていきましょう。一歩一歩の積み重ねが、大きな自信につながり、きっと計算が「苦手」から「楽しい」へと変わるきっかけになるはずです。

ライター

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ママ先生 はるな先生

公立小学校教員。小学校1年生と年長児、0歳児のママで、現在は育休中。小学校1年生の担任経験が豊富かつ特別支援教育にも精通しており、Instagramでは年長から小学校1・2年生までの子どもたちにまつわるさまざまな課題について、子どももママ・パパも笑顔になれるようなちょっとした工夫を発信中。

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