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【10月】就学前検診でひっかかったら?療育センター・支援級・通級のこと

【10月】就学前検診でひっかかったら?療育センター・支援級・通級のこと

あんふぁんメイトで、すでに小学生のママでもある・森藤理絵さんが小学校入学式までの1年間に準備したこと、やっておいた方がよいことをアドバイス! 年長さんママはぜひチェックして!

就学前検診はどんなことをするの?

そろそろ就学前検診がはじまります。市によって違いはありますが(日時や場所など市のHPで確認できます)、一昨年の娘の就学前検診の様子をお知らせいたします。

・10月中旬に日時、会場が記された「就学時健康診断通知書」というハガキが届く
・指定された日時(=11月中)に指定された小学校(=10月1日時点で住民登録されている住所地の学区の小学校)に行く
・受付で学校内の案内図、どこで何をするか書かれた用紙をもらい、広い食堂で待機
・順番に番号を呼ばれ、案内図にしたがって教室を移動しながら検診を受ける。具体的には、学校医・学校歯科医による内科・歯科検診、教職員による視力・聴力検査、就学相談

娘の小学校は最初から最後まで親子で一緒に移動しましたが、学校によっては親が入学についての説明を聞いている間に高学年のお兄さん・お姉さんに付き添われて子どもだけでまわるところもあるようです。
聴力検査は機器を使うのではなく、先生が小声で言う単語を聞き取って復唱する方式でちょっとビックリ。隣の小学校では「ジバニャン」「妖怪ウォッチ」など園児に親しみのある単語が出たそうで、子どもたちも次は何を言うのかと集中して耳をすませていたようです。娘の小学校では「風見鶏」「入道雲」など聞き慣れない単語もたくさん出てきて、娘は聞こえてはいるものの「その物」を知らないため「? ・・・かざみ?え、なに鳥??」となって答えられない様子も見られました。

「就学相談」は入学に備えて心配なこと、気になることなどを先生に相談できます。ママ友たちは「給食の時間が短いと聞いたけどうちの子は食べるのがとても遅い」「お友達と離れることにとても不安を感じている」「男の先生が苦手」「まだひらがなしか読めないのですが・・・」など質問をしたようです。時間も限られているので相談したいことを簡潔にまとめていくとよいと思います。

また、「お友達に手を出してしまいケガをさせてしまうことがよくある」「幼稚園の発表会や運動会などで他の子と同じことができなかった」「教室や電車やバスで座っていることができず常に動きまわっている」「先生の指示がまったく耳に入らない、理解できない」など発達についての相談は、児童支援コーディネーターの先生や、支援級・通級の担任など専門資格をもった先生が相談に乗ってくださることもあります(すべての小学校に児童支援コーディネーター、支援級、通級が設置されているわけではありません)。

就学前検診でひっかかったらどうなるの?

この「就学前検診」の結果、療育センターで発達検査を受けることを勧められる場合があります。入学後、日常の授業(30人前後の一斉授業。45分×4〜6時間)では先生が「言葉」で説明したり指示を出したりします。そこで問題となるのが言葉によるコミュニケーション能力や集中力。日頃たくさんの子どもと接している先生が、その日の様子や経験から「通常学級ではちょっと苦労するかも?」と感じたお子さんに指摘が入ります。
ですが、初対面の先生(=ごく普通の教員免許をもった一般の先生)との10分程度の会話でその子の発達が完全に分かるわけではありません。人見知り・場所見知りをするお子さんもいるでしょうし、たまたま虫の居所が悪い場合もあるでしょう。なのでそれ自体は深刻に悩んだり、先生に腹を立てたりする必要はありません。「我が子の特徴を詳しく知るチャンス!」と捉えてみて。

療育センターは混み合っていますので、予約から検診まで1ヶ月〜半年程度、診断結果が出るまでにも1ヶ月近くかかります。場合によっては入学式までに間に合わないことも。現在すでに心配なことがあるなら今すぐ療育センターに電話をしてみるのがオススメ。その結果をもって小学校の就学前検診に行けるとより具体的な相談ができますし、入学まで半年近い時間がありますからお子さんにとってベストな方法を落ち着いて考えられると思います。

療育センターでのテストの内容は(お子さんの状況、先生の判断にもよりますが)、行動観察と知能テストです。保護者が生育歴や現在の状況や悩みを話している間、子どもは別室で心理士と遊んだりお話しをしたりします(行動観察)。知能テストは「田中ビネー」や「WISK(ウィスク)」が主流で、心理士の先生とマンツーマンで行います。また、知能テストを受けている間のお子さんの様子を見て(座ってテストが受けられるか、説明を聞いて理解できるかなど)行動観察とする場合も多々あります。

療育センターで発達テスト・知能テストを受けても「あなたのお子さんは通常級です」「あなたのお子さんは支援級です」と決定されるわけではありません。保護者が希望しないかぎり「お子さんはADHDです」「広汎性発達障害です」という診断もつきません。
ここで出てくる結果は「MA(=精神年齢)」「IQ(=知能指数)」「どのような検査を受けてどのくらいの正答率だったか」「そこから考えられるその子の傾向や特徴」「(それを踏まえ)保護者や先生がどのような応対をするのが望ましいか」ということのみです。

通常級、通級指導教室、特別支援教室、特別支援学校

お子さんの就学の場として考えられるのは以下
・通常級
・通級指導教室を利用する
・特別支援学級
・特別支援学校

★通常級
いわゆる普通のクラス。1年1組とか1年2組。1年生は35名までで担任1名。担任による一斉指導。受けられる支援としては座席の配慮や個別の言葉がけなど。

★通級指導教室
通常級に在籍しつつ、月に数時間だけ「通級指導教室」に通い、その子に必要な支援をマンツーマンで受けられます。コミュニケーションの取り方に困っている・切り替えが苦手・集団に入れないなどの「情緒級」、吃音・場面緘黙(ばめんかんもく)・ディスレクシアなどの「言語級」、「難聴級」があり、「月曜日の2時間目」「第2、第4木曜の4時間目」など時間を決めて、専門の研修を受けた専任の先生が担任として指導にあたります。

通級指導教室は市内すべての小学校に設置されているわけではないため、例えばA小学校にのみ通級が設置されている場合、もともとA小学校に在籍している児童は体育館や音楽室に移動するようにその時間だけ自分で(あるいは通級の先生が迎えに来てくれて)教室を移動します。しかし通級が設置されていないB小学校に在籍している児童は、その時間、A小学校に行かなければならず、保護者の送り迎えが必要ですし、A小学校・B小学校の所在地によっては1時間の通級指導を受けるために、移動時間を含めて2時間以上B小学校を抜けなければならない、ということもあります。1時間目・5時間目に通級を利用できれば多少ラクですが、「どの科目の時間に抜けるか」もとても重要。通常級で「算数」をしている時間に通級に行ってしまうと授業についていけなくなることも考えられます。「図工」の時間だとその子だけ作品が作れないのでその時間にいなかったことが目立ちます。1年生に勧められるのは授業時間数も多く、比較的取り返しやすい「国語」の時間です。保護者の希望の時間、時間割から考えてベストと思われる時間に通級に通うためにも早め早めの行動を。

★特別支援学級
通常学級・通級指導では十分な効果を上げることが困難な児童に対し、きめ細かな教育を行うために小学校の中に特別に設置された学級。対象となるのは「知的障がい」「肢体不自由」「弱視・難聴」「自閉症・情緒障がい」など。種別ごとに8名までで1クラス。担任は1クラス1名が「原則」。子どもと学校の状況を踏まえた上で、通常級との交流や共同学習もアリ。支援級だけでの運動会や遠足などもアリ。

★特別支援学校
「盲学校(もうがっこう)」・「聾学校(ろうがっこう)」・「養護学校(ようごがっこう)」と呼ばれる「学校」。小学校に準する教育を施すとともに、障がいによる学習上・生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的としています。

(上記情報は市によって違いがあります。お住まいの市にご確認ください。また、支援学級も通級も入級申し込みの意思決定は保護者がくだしますが、入れるかどうかの最終決定をするのは教育委員会です)

最後に

近年、発達障がいやグレーゾーン、ボーダーについての理解が深まると共に支援の場も広がってきています。お子さんが自分に合った環境で楽しい学校生活を送れるようしっかり準備をしていきましょう!
来月は「イマドキの入学式服」についてお知らせいたします。
*10月25日(火)公開予定

森藤理絵さん
もりふじ・りえ 小2の娘と年長の息子をもつあんふぁんメイト。
森藤さんのブログ 春夏秋冬☆ママのイベントカレンダー はコチラ
https://enfant.living.jp/enfant_mate/mate_r_morifuji/

ライター

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こどもりびんぐ &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

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